(5)2009年 振り返れば心残りの納竿日

 今年の釣期もあとわずか。ところが毎日の悪天候と仕事スケジュールが詰まっている上に、風邪を引いてしまった。それでも家人の引きとめるのを振り払って何とか釣行す。


 道北の千代志別川と思ったが、天候予報は雪のようなので手近な西積丹の珊内川に向かう。

 10月末、晩秋の渓だが幾らか紅葉が残る。かなりの長雨だったが渓の流れは超減水気味で、悪い予感がする。

 こんな減水状態なのに、ちょつと深みに立ち込むと左足がじんわりと浸水する。きちんと補修したのたが悪い予感。我慢をして強行と決める。

 河畔の足元に山葡萄の真っ赤な落ち葉が、ふと見上げると。
 ひと霜に当たった丁度良い山葡萄が頭上より垂れ下がっている。早速、Tさんがグイと手繰り寄せる。2kgほどの収穫。
 ボトル1本分の腐貴ワインが出来そうだ。
 魚信がさっぱり無いのに、今日は渓の恵みの多い日だフワフワの「大ムキタケ」の群生だ。家人は何時も干からびた「ムキタケ」をあまり喜ばないが今回は上級品なり。家人もうなる美味しさ。

 近所の三軒にもお裾分けする。
 以降、二つの荷物を背負い遡行するも、足元が不安定。

 河畔林の紅葉もまだ美しさを残している。が依然魚信は無し。
 遡行1時間、下流域の絶好ポイントに到達す。6月〜9月の大雨直後には40cm〜50cm超級の遡上アメマスが群れるポイントだが。近ずく冬に備えてもう海へ下降してしまっただろかうか?

 瀬尻から落ち込みまでの底を丹念に探ると、深い落ち込みの泡の中から弱い魚信、少し間を置いて合わせをくれると、力強い引き。

 少しやりとりの末やっと姿を現わす。45cm超かと期待

 残念ながら38cmなり。
 今年3回目の釣行にしてやっと記念撮影サイズ。
 この上のプールにも大型の魚影をみるも振り向かれもせず。
 先行するTさんも8寸級が一匹のみと悪戦苦闘。

 以降、減水のせいか大型の気配は全く無し。下・中流域では珍しく居着きイワナの7寸級がチラホラ来るが全てリリース。
 この渓筋では初の「シイタケ」の群生を発見。たが時期遅し収穫出来ず。

連続するこんな好ポイントも居着きイワナのみ。
 上流域の連続する好ポイントも居着きイワナのみが群れている。
ブナかかった居着きイワナ7寸級、もちろんリリース
 ついに、魚止め近くに到達。残念ながら中型の居着きイワナのみ。

 昨年とは渓相が一変、渓を埋めていた倒木が一気に流されて、ここに柵が出来てしまった。大岩も流されたか渓底が埋まり浅い。

 益々、ポイントが狭まる。残念なり。

 いつもは、この上段の大滝壺と更に危険な滝壺をへづって、魚止めの大滝まで攻めるを常としているが今回は風邪引きの上にウェーダーブーツの穴の補修が効かず左足は釣り開始と同時に冷たい水浸し。

 その上更に、背の荷物のバランスが悪く途中で転倒で腹廻りも浸水。
 寒気でガタガタ身震い.......こんな状態で危険を冒すことは無理。

 勇気有る決断???????を下して下山とする。


 遅い昼食をガタガタ身震いしながら素早く済ます。ふと背後の岩壁に目にも鮮やかな苔が「もうせんゴケ」だろうか??、長い風雪に耐えて一年中この鮮やかな緑を保っているのだろうか.....恐るべき生命力に感心。

 その後一カ月を過ぎても「風邪と咳」が治らず、Tさんから是非あと一回で納竿日としようと誘いを受けるが体力の自信が無い。

 残念がるTさんには申し訳無いが今年の釣行を終結とする。

 それでも、振り返って見れば今年は公私共色々とあって釣りは出ないかと覚悟を決めていただけに、9月から3回も渓に行けただけでも幸せであった。

 今年は山釣り21年目にして初めて通年釣行が出来ませんでしたが、来年は早春からガンガン行きます。

 ご期待下さい。



少し早いですが

山釣りファンの皆さまに

メリークリスマス



 どこかで見た図柄ですよネ。工房で1ケ月、オリジナリテイーを加えて70ピースの木片をコツコツと切り抜き組み立てました。4人の孫たちへ、爺からのささやかなプレゼントです。(92cmX55cm)