(10)渓秋の「菅(すげ)細工に挑戦」


 山釣りファンの皆さんは、「菅」をご存知だろうか??

 渓秋は裏手に住む先輩のHさんが庭先の葡萄棚の下に何やら、雑草を陰干ししているのをシバシバ見かけていた。先輩は御年七十半ば位かな、昨年以前差し上げた渓秋手製の「山葡萄ワイン」を自庭の葡萄を使って造りたいとの事でノウハウを御夫婦に伝授して以来、頻繁なお付き合いが始まった。

 陰干ししている雑草を尋ねると昔を懐かしんで「菅細工」をしているとのことで、早速「つまご」なる履き物をプレゼントされた。そこで渓秋も神棚の「ごぼう締め」造りに挑戦すべく、先輩に「菅の採取」からご指導をお願いすることにした。





これが先輩のHさんの「つまご」なる精巧な菅細工の履き物

少年の頃まで実際に履き物として実用していたとのこと
足に毛布状の布を巻き付けて使用したとのことです。




 菅とはどんなものなのか?、Hさん数年前偶然に近くの原野で見つけたそうです。
 自宅から2〜3kmほどのタマネギ畑の(かっては丘珠地区はタノネギの名産地として名高い場所でした)外れの原野には、こんな美しい野草が咲いています。
「エゾミソハギ」




ヨモギとセイタカアワダチソウの中に点在する「菅」、「イネ」のようなものが「菅」です。

 Hさんにこれだと教えられて、良く見ると子供の頃、野原で良く見かけた「手切れ草」だったのです。
 葉が鋭いカミソリ状で良く切り傷をした覚えが蘇ります。
 それが菅だったとはこの歳になるまで全く知らなかった(学名:笠菅、別名:ミノスゲ)。そう言えば、菅笠とか菅蓑とか絵や写真、映画で見かけるネ。




Hさんから採取と選別方法を教わる。




残暑厳しい中背丈ほど有る藪を掻き分けて、採取第1号




早速、裏庭で陰干し




3日3晩の陰干し、1本1本ほぐして原材料の出上がり、後は師走に加工するまでのお楽しみなり




師走を迎えて加工続編



Hさんを講師に招いて孫3人と締め飾り造りに取り組む




見事な玄関飾りが完成


つづく




3尺のゴボウ締めが神棚に映える


山釣りファンの皆様、今年一年のご来場有り難う御座いました。良いお歳をお迎え下さい。

年末の大掃除の終わった 渓秋工房より。