(4)2005年 4ヶ月振りの入渓が納竿日となる

 渓秋の山釣りファンの皆さん、永らくお待たせしました。

 7月からいろいろとアクジテント続きで、4ヶ月振りの釣行が今年の納竿日となってしまいました。

 例年の積丹半島を一泊でと計画したのですが、釣兄のTさんの都合がつかず日帰りとなりました。小春日和よりの一日で気温14℃・水温9℃、微風で晴れの釣り日和りでした。


北積丹半島・H渓にて

 今年の北海道の秋が例年になく遅い。遡上大アメマスを期待して、午前8時半に釣行を開始。まだサクラマスの産卵期が続いているのだろうか、砂防ダムの無い此の渓の途中の小函まで例年になく多数のペアリングを見る来年のヤマベは大いに期待出来そうだ。

 60cmクラスのサクラマスの産卵
 初冬の陽光の中、竿を振るTさん
 早々に尺超えのアメマスが水面を割る
 久々の大物の感触を楽しむTさん



50cm超級の大物をバラスの巻き

 中流域のこの小函は此の渓で最大の大場所だ。

 渓秋にとってこの17年前、妻と訪れて以来数々のドラマを繰り広げてくれた場所だ。



 最奥に小滝、それに続く廊下帯、そして深さ5mを超える滝壺、最後に深い淀みの瀞場がセットになった大場所である。

 今回はその廊下帯で超大物を掛けたのだが、余りの大物に一人では取り込めず、Tさんにタモ網を頼むも、ヤツはそれをかいくぐり下の大滝壷に逃げ込んでしまった。

 二人で体制を入れ替えて、Tさんには瀞場界の水中にタモ網を構えてもらって、大物の浮かしに掛かるも、流れに逆らって遡上して滝壺直下の泡の中でもがかれ水中に没した竿先を立て直した瞬間にパシッ.........................

 油断していたのだ。ハリス0.6号で立ち向かった渓秋の完全なる敗北であった。

 ゴメン。俺のタモ使いが下手だったんだ。間違いなく記録更新だったナァ−とTさんの嘆き。

 ちょうとうつろな渓秋です。何時も逃した獲物き大きい。
 気を取り直して小函上流での尺超の斑点が鮮やかなアメマス
 Tさんが盛んに空を指さすので仰ぎみると、ススメバチの巣か


 暢気な気分で遡行して昼近くに、河原の石が何かの足跡で濡れているのを発見。Tさんと慎重に検分し数時間前の羆の足跡と断定。昼飯も取らず、警笛連発で渓を脱出。

 早足で林道を握り飯を噛み噛み駆け降りる。

 途中にナント的中。羆の落とし物発見

 気を落ち着けて装備を着替えて、戻って撮影す。
 本日午前の釣果、今年はヤマベは顔を出さず。



西積丹半島・S渓にて

昨年の竿納めでは、一匹の魚影も見ず惨敗だった。

今年はと期待を込めて、林道終点の山女魚橋より入渓すべく愛車テラノで登って行くと、若い釣り人二人が丁度橋のたもとの熊戻り沢から上がって来るではないか。なんとその手には45cm超級の大アメマスをぶら下げているではないか。

聞くと、魚止めの滝まで入れ食いでリリ−スを繰り返したとの事。今年は暖かいせいか魚影はすこぶる濃いとか。

嗚呼・残念なり一歩遅れを取ったか。



若者曰く、下流の岩魚橋からでも大釣り疑い無し。
と云う訳で心ならずも、下流の岩魚橋より入渓す。

 下流に有るのに岩魚橋とはコレ如何に。
 入渓早々に強い当たりの大物が水面を割って躍り出る
 久々に満足そうな笑顔の渓秋の雄姿です。
 34.5cmの銀ピカのアメマスなり


 これは珍しい光景です。何だと思いますか?
 秋の渡り鳥 「カケス」 の残骸です。

 猛禽類に襲われたのでしょう。かろうじて残る青が鮮やかな飾り羽根が哀れを誘う。 

(カラス属の仲間でで薄茶系の渡り鳥。渓秋も子供の頃ワナで取って飼育の経験有り、慣れてくると、モノマネの旨い鳥です。)


 大物と格闘するTさん
 大物を手に何故か神妙なTさんです。



 この渓は、二つ大ダムを遡上するアメマスの濃い比較的短い渓だ。

 居着きのイワナは山女魚橋から入る熊戻の沢からの下り者か?



 斑紋の美しい居着き岩魚20cm超級、即リリ−スす。



 慎重遡行のせいか途中の大場所でとうに午後3時、初冬の渓の日暮れは吊る瓶落とし、熊戻りの沢まで遡行を目指すTさんを説得し納竿を決意。

 このまま遡行をすれば、帰りの林道は暗闇を羆に怯えつつ降りることになる。 こと間違いなし。

 未練気に竿を納めないTさん。この大場所ては当たり無しでした。
 今年の納竿を飾る、尺超のアメマス


 長い長い休竿日でした。最愛の義母を亡くし49日間の喪に服し殺生を慎みました。義母は渓秋の釣りにはとても理解の有る人でした。何時も大物には喜び、ボウズのときは一緒になって残念がってくれました。..........只々冥福を祈るのみです。


 昨日は遅い初雪が降りました。
いよいよ冬本番を迎える渓秋の釣り工房より。皆さまのご健勝を祈りつつ。