(11)渓秋の「山葡萄ワイン」をお試しあれ


 平成3年9月14日 釣友Aさんと日高のシュンベツ川釣行のおり山深い林道添いに山葡萄が沢山実っていた。

 その時、Aさんから山葡萄ワイン造りを奨められた。

 以来。平成7年の秋まで愛妻と山葡萄の収穫とワイン仕込みにのめり込んで、試行錯誤の末に渓秋スタイルの「山釣り・山葡萄ワイン」を完成した。

 友人・家族に味わって喜んでもらったが、それ以降何故か現在まで渓流で手の届く範囲で山葡萄がサッパリ実らず収穫が出来ない。

 毎年のように今年もダメかとあきらめていたが今年は12年振りに積丹岬の林道で僅かではあるが収穫が出来た。

渓秋の「山葡萄ワイン」の工程を披露します。
ファンの彼方も挑戦してみてください。
(市販の葡萄でもできます)

ワイン醸造や果実酒は個人で楽しむ事は認められていますが
他人に譲渡することは酒税法で禁じられています。
ご注意下さい。




工程...1

 完熟した、雨・露でぬれていないものを収穫する。



これはやや完熟しすぎで
富貴葡萄(富貴ワイン)原料に当たる。


工程...2

 一粒一粒を丁寧に房からとる。この時未熟なもの、腐れなどの不良な粒を取り除く。

 山葡萄のもっている自然酵母を利用するので決して水洗いはしないこと。

 ここで山葡萄の糖度を計る必要があるが、そのためには糖度計が必要となるが....そんなに厳密に拘ることはありません。

 おおむね、完熟の山葡萄の糖度は10%程度と考えれば良い。



工程...3

 葡萄の選別を完了したら重量を量る。

 この重量を基に、葡萄の発酵と完成ワインのアルコール度決める砂糖の混入量を決定する。

 すなわち、糖分は発酵すると50%がアルコ−ルになるので山葡萄の20%の砂糖を加えることにより 10%+20%=30%/2で約15%程度 のアルコ−ル度のワインが出来るのである。

 2kgの分量の半分が完成したワインの量となるので今回は1000ml(ボトル1本分位)のワインが出上がるはずである。(カワ・タネなどを漉しとるので半分になる)



2kgの山葡萄と400gの白砂糖。


工程...4

 今回は山葡萄が2kgだったので400gの砂糖を加える。

 ここで清潔で大きめの漬け物袋を二枚重ねで発酵容器を造る。

 袋の上から、山葡萄の粒を手で潰しながら、砂糖と良く撹拌する。



工程...5

 良く潰し撹拌をしたら、袋を良く絞り余分な空気を出して口をゴムバンドなどでしっかり縛る。
 (発酵が始まると袋がフクラムので、大きめで余裕のある袋します。.....発酵状態が視覚で解るようにする)

 絶対に内部の空気が漏れないように注意する。


 
3日目の状態..発酵準備が順調な状態が解る。


工程...6

 冷暗室温(18℃以下)にて保存し、朝・夕に軽く撹拌を繰り返しながら発酵状態を観察する。

 この状態で1週間前後から発酵が始まる。



2週間目頃の状態、外気を入れないように発酵ガスを抜く。


工程...7

 発酵状態が納まったら、細目のザルか晒布袋で絞る(漉す)

 大きめの清潔なガラス瓶を熟成器として利用する。



山葡萄は3週間目で発酵が納まり、搾り熟成瓶に移す。




隣家の庭の葡萄5kgも試作する。2週間目で搾る


工程...8

 熟成期間。まだ発酵が続くのでガス抜きと、搾った時の沈殿物(澱)をゆっくり沈ませる。...ワインが段々と透明に仕上がってくるのを静かに待つ期間です。



 ガラス瓶は密閉し、
蓋には細いビニ−ル管を取付て水を入れた瓶に差込、
ガス抜き状態を目で確認する。
 この状態で約一ヶ月ほと寝かせる。


工程...9
扁平画像です。

 2〜3週間ほどで、熟成と「澱」が沈殿し清澄化したら上澄み部分を細いビニ−ル管を使ってサイホン式にワインボトルに詰める。

 この状態でも若干の発酵状態にあるので、蓋はコルク栓で軽くしておく。(発酵で破裂する場合もある)

 更に2週間ほど、ボトルの中の「澱」が完全に沈殿するのを待つ。その間ワインラベルのデザインをあれこれ楽しみながら製作しておく。


工程...10

こんなラベルを作成しました。


 「山葡萄ワイン」ヌーボはクリスマスです。


完成品です。


後は、イワナ燻製を作ってクリスマスに乾杯です。