昨年のニセコリゾ−ト開発関連の仕事で、幼少の頃の川釣りの楽しさを思い起こし、久々に今年からは渓流釣りをとガイドブック頼りに、早春の雄冬の渓に単独行。 北側のE渓では雪代増水で遡行も儘成らず、中型の銀毛アメマスを2匹で切り上げ、午後はすぐ南側のA渓に寄ると車が一台。 先行者かと思いつつ入渓廃道を入り朽ちた丸太橋を渡り、岩をはむ急流の水飛沫を浴びて登り詰めると、長身痩躯の赤いバンダナの青年が降りて来た。 渓の様子を訪ねると「山谷 正」の本を見て来たのですかと丁寧に教えてくれた。 早速、山野草の咲き乱れる美しいV字渓を遡行、中型だか美しいイワナの濃い渓だ。もう 3時間以上も釣り上がっただろうかと1時間掛けて下山。 すると水音に混じってピィ−、ピィ−と呼子の音がする。 向こう岸を見ると座り込んで手招きをする人がいる。 近づいて見ると件の青年ではないか、重い活かし魚籠を背負って足を滑らせ、岩に挟まり骨折し動けなくなり4時間以上も、気丈に小生の下山を待っていたとの事。 すぐに背負ったが短躯の小生では、青年の足が地面を引き摺って痛い痛いの絶叫。 ましてやあの丸木橋はとても無理。国道に4人組の若者に頼んで担ぎ出し、夕闇迫る頃やっと救急車で搬送する。 膝下複雑骨折で入院3ヶ月。この事故が縁でA青年と永い付き合いの釣友となる。 山釣りの駆け出しの者に早々に単独行の怖さを教えてくれた渓。
1990年頃(平成2年)息子が13歳のこの年が一番釣りに出掛けたかな。 その後彼は全寮制の中学・高校に進学し、休日も息の抜けない日々を過ごすことになる。 長じて、東京に出て大学生・社会人となり束の間の帰省では、釣りに連れ出すことも出来ず残念なり。
愛妻を誘って初夏の積丹半島へ。 ガイドブックを頼りの林道ゲイト前には羆出没注意の看板。急峻な崖の踏み分けを降りて、遅い雪代水が治まった渓川に。 先ずは第一投いきなり強烈な当たりと同時に魚が走り出す。 遡上アメマス特有の強引なフアィトに、滑る玉石の河原を転げ廻り漸く取り込む。 中流の小函の滝迄の3時間。初体験の妻と2人で型揃いを10匹近く掛け5匹を持ち帰る。 車中、ただ食べてしまうのは勿体ないと、薫製造りに挑戦と衆議一決。 先ずは日曜大工宜しく薫製箱造り、薫製入門書を片手に 5日掛かってって、スモ−クトラウト第1号完成。 渓秋をすっかり薫製職人気取りにさせた渓。
千葉より帰省の兄と甥の大物所望で積丹の名勝ロ−ソク岩近くの渓へ。 10年前集落の老女が羆に襲われたエゾマツ林を通って、真夏の渓を遡行すること2時間中間地点の巨岩帯に到達。 小休止で高価な舶来の熊除けスプレ-の試験噴射。オレンジ色のガスがスゥ−と消えた途端に顔、目、喉、鼻に猛烈な刺激で呼吸が止まり、目眩と吐き気が一気に襲い堪らず渓水に飛び込む。 羆の実験台となりトンマな3人が頓死する渓。
釣兄T氏、老師S氏と羆糞の激しい枝沢より入渓。 期待の大滝を攻めて下山途中、なぜか件の枝沢入口を見落とし一人荒瀬を下流まで下山。 4時間掛かってやっとの思いで中間にて再会 。 烈火のお叱りに平身低頭、反省しきりの運転手と化す渓。
昨夜は午後11時に到着。釣兄T氏と羆出没注意の看板下にテントを張り安着の乾杯。 夜明けと同時に川霧の立つ小渓に。大雪湖からの遡上イワナか、読みが当たり遂に念願の40cmオ−バ−を仕留め小躍りする渓。
前日の今金のS渓は快晴無風で、川床砂利か宝石の様に輝いているのに魚信皆無。 キャンプの食材も儘成らず、やむなく鄙びた温泉に投宿す。 渓師の宿の主人にすぐ裏山が穴場の渓との情報に、初冬の遅い夜明けを待ちきれずに勇んで入渓。 切り立つ断崖、二階屋位の巨岩帯とガレ場の連続で2時間半掛けてやっと到達。 大物の連発も急き立てる晩秋の夕暮れに、早々に下山の 難行苦行の大イワナの楽園の渓。
同郷の愛妻の数年振りのクラス会に運転手を買って出て、帰省の実家の挨拶もそこそこに100kmを駆けて夕暮れのS渓へ。 晩酌の数匹を仕込み、行き連れのライダ−とキャンプ談義。 頭上から降り注ぐ野鳥の囀りに急かされて、林道沿いに入渓遡行。 型揃いを手中に帰途時間を気にしつつ林道から離れた、赤い屏風の様なブッツケの大場所を発見。 雪代の増水に杖を突きつつやっと中州に渡渉。期待を込めての第1投に激しく竿先を絞り込まれ、06号の糸がキンキンと鳴く。 慎重に落ち着けと心に呟きやっと引き寄せる。水面を割って出たこれは何だ!!。 渓の主を釣り上げたのだろうか、見事に散りばめられた鮮やかな朱点の巨大オショロコマに思わず万歳三唱の渓。
釣兄T氏と2白3日の道南方面の日本海側のキャンプ釣行。 前日は熊石の I 渓、K渓では尺イワナの連発。美味しく楽しいキャンプ料理に程良く酔いも廻った。 今朝は今回のタ−ゲット源流部情報の少ないH渓を目指す。林道終点の泉源小屋から入渓開始。 急峻な巨岩帯の連続と深い霧が遡行を一層困難なものとする。 ヘバリつくように巨岩を乗り越えて見ると、不気味な薄暗い渓が怪物の様に口を開けて待ちかまえている。 どちらからともなく顔を見合わせこれ以上はヤバイとばかりに、尻尾を巻いて退散した渓。
札幌在住の山釣ガイド浅野和雄氏の名著「迷竿の北海道を渓流を安全に釣るには」より 三つの謎の渓を求めて、昨秋は道南のT渓とH渓で尺イワナに出会う。 最後の渓は前夜より河口の砂浜に、小樽の三角市場で仕入れた地魚で乾杯のキャンプ。 早朝より濃霧の中の入渓。未だ残る雪渓と霧雨で連続する巨岩帯の遡行でも寒気がする。 途中三つの滝を藪漕ぎ・高巻きし、朽ちた廃鉱の橋脚を過ぎてやっと目指す二股の滝に到達。 早速、釣兄T氏の第1投に大物。鈎を外す間の置き竿を引き込む更なる大イワナが。 魚止めを越えた大イワナと浅野氏に感謝々々の謎解きの渓。
釣り鐘を伏せた様な山を目指して、荒れ果てた林道を登り詰めると渡渉点に出る。 この渓はかっては大物で鳴らしたらしいが今は見捨てられて久しい。 第1の小滝から独特の滑り台の様な滑床の滝が連続する奇妙な渓だ。釣り上がるがること5時間。魚止めの大滝に出るが概して中型が多い滝壺だった。 初冬の日暮れは早い、下山を急ごうとふと流れ落ちる滝の横の岩壁の割れ目見る。何と古びた縄梯子が掛けて有るではないか。 この断崖のスリバチ型の地形を見ると、相当下流から高巻いたのだろうか。 この魚止め先は天空に繋がる渓か、此処にもキ印の猛者が居たかと感心しきりの渓。
此の渓はかって渓秋を薫製職人に仕立てた渓だ。 今は林道のゲイトも羆注意の看板も朽ち果てた廃道だ。 数年前からもっと奥にゲ−トを取付て、上流にコンクリ−ト橋を築いた新しい 林道から造林のトラックが出入りしている。 いつもの急峻な崖を降りて渓にに出る。今日は水が可成り少ないのかさっぱり魚信が無い。 1時間釣り上がり小函滝迄の中間点位か、ちょっと大きめの溜まりに3回ほどエサを流し込む。 鈍く重い当たり。 竿を煽ると08号の糸がキュン、キュン鳴きだしビクとも動かない。 晩秋の朝陽に反射して水中も見えない。これは大物と先行する釣兄T氏に呼び子で合図。 駆け戻るT氏がデカイぞ50cmオ−バ−だと慌てるのを制して慎重に取り込む。 海から遡上の居着いた大イワナだ。 渓秋のトロフイ−サイズ更新の渓。
真夏の道北豊冨町にサロベツ原生花園サイクリング参加の2白3日の釣行。 昨日は小雨の中で初山別の三っの低い渓で、良型を揃えて渓の恵みずくしの楽しいキャンプ。今朝は豊冨町皆さんの暖かい歓迎にサロベツ原野を気持ち良く疾走。 更に自転車を駆って礼文島へイワナ釣行と、道北縦断の旅を続ける釣兄T氏に別れを告げる。一路今日のキャンプ地の朱鞠内湖畔へ。 初山別に差し掛かり昨日やり残した、K渓が気に掛かり炎天下の水田に繋がる、林道に車をらせ頃合いの橋より軽装で入渓。下流過ぎるのか魚信無し。 程なく右折し重なる風倒木のを潜って浅い砂利床の流れを渡る。 砂地に足を踏み降ろそうとした瞬間。 目に飛び込んで来たものは ``ヒェ−``我ながら哀れな絶叫。 たった今羆が横切ったのだ。軽装で何もなし、ザックのしベルをはぎ取り力強く振り回して退散す。可成り気が動転していたのだろうか、構図の悪い写真を一枚撮るのがやっとだった。 思い起こせば昨日は三っの渓とも、羆の糞に出会ったっけ。 炎天下に背筋を凍らせ日程を一日切り上げ、帰宅を急がせた油断大敵の渓。
斑点が美しい源流大イワナ 平成元年にニセコのN渓で38.5cmのイワナを釣ったのが山釣りにのめり込むきっかけとなった。 以来何時か40cmオ−バ−を目指して18年、遡上イワナ(アメマス)の大物は数多く釣り上げたが、今回は数多くの砂防ダムを超えた山塊の小さな渓でやっと居着きの大イワナを釣ることが出来た。 今年は僅か数回の釣行であったが山の神が見方してくれたのあろかうか......感謝・感謝
夏休みを利用して愛妻と三泊四日の道東方面のドライブ旅行。初日は札幌から高速道で300Kmをノンストップで丸瀬布温泉着。 ホテルチェックインも早々に愛妻を残して単独行。 3年前に下見しておいたポイントに向かうも先の台風で名称の山彦の滝で通行止め(後日役所に確かめると当分は再開の予定なし)。止む無く入った何の変哲もないポントで中型イワナがきた。 そして、その下流の岸寄りのエグレから強烈な引き込が来た。 タモ網でやっと取り込み、対岸の河原で大物を確認して野締めをする。
|