(1)渓秋の山釣り考

 山釣り 何んとも響きいい言葉である。

 本来はビバ−クを何度も重ね 登山技術を駆使して、奥深い渓に大物を求める釣りを指す言葉であろう。

 北海道では緯度の関係で背後に、1000m級の山塊から流れ下る渓流があれば国道からでも、海岸の河口からでもイワナに出会えるのである。

 思い起こせば1989年6月17日噴火湾の舟釣りが時化で中止となり、止む無く 10数年前始めてイワナを釣ったニセコ山系N川に単独行。

 砂防ダム挟まれたこんな処でという小さなポイントで38.5cmの大イワナを釣り挙げ、一人渓流で万歳三唱をする。

 勿論初めてのしかもマグレの大物である。しかし僅かに40cmに足りない。以来大イワナを求めて地形図、高度計、コンパスを頼りに北海道の306渓流を踏破し764回の釣行を重ねる。

 しかし何時しか私にとって山釣りとは、単に未踏の渓谷に大物や数を追い求めることでなく、イワナの棲む美しい自然の中で渓のせせらぎ、青々と苔むした大岩、原始の大木、可憐な山野草、野鳥の囀りに心を癒し明日への活力を貰う釣りなのである。

 ちなみに、つり人社発行の北海道河川地図より、北海道の河川・沢の数を数えると2,325本あった。20年間で漸く 一割の踏破であ。
・2003年4月 1日 森 渓秋
・2005年6月 5日 加筆
・2011年5月21日 加筆







山釣りの必携品 地形図・高度計・コンパス・水温計


 山釣りの出発点、1989年6月17日ニセコ山系N川上流部流程僅か8kmに7基程の砂防ダムで寸断の急流の小渓谷、上流の大砂防ダムとその上の小砂防ダムの中間の四畳半ほどの、小さな落ち込みで突然大物が竿を絞り込む。



四畳半程の落ち込み
1989年6月17日



山釣りの出発点となった 大イワナ 38.5cm-0.6kg
1989年6月17日

 この渓は上流域にオショロコマの群棲、中流域には僅かに残るイワナ中下流域には放流ヤマベ、最下流には魚道の無い大砂防ダムと、その上流には3mぼとの小滝で魚の遡上は遮られている急流の小渓流。



オショロコマ・イワナ・ヤマベの釣果
1989年6月17日

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