シゲチャン日誌・2011年9月

2011年9月2日

 雨がパラ・パラ・パラときたなと思ったら、いきなり激しく降り出す。その後むしむしと不快指数が200%。台風12号の影響である。この前のお盆を過ぎたあたりは爽やかな秋風も吹き、これで過ごしやすくなるぞと喜んでいたのに裏切られた。秋らしい秋は、しばらくおあずけか・・・。ワン!!


2011年9月13日

 アーティストのマルセル・ダザマの作品集が面白い。写真で見る顔立ちや名前からしてフランス系と思われるが、このところ海外で彼の作品集が続々と出版されているようなので、いま欧米で注目される若手アーティストの一人なのだろう。絵は、好青年風で甘いマスクの割には、かなり毒気を含んでいて、エロチックでユーモアがある。怪物とか人の生首が血を流してゴロンと転がっていたりして、ハッするするが、軽快でさらっとしたタッチで描かれているので、それほど残忍な印象を受けることはない。そこが彼のセンスの良いところで、頭が良さそう。
 絵も面白いが、彼のアトリエの作業机の光景が楽しい。えのぐ・筆・皿や紙切れなどが雑然と散らかっており、まるで乱痴気パーティーのあとみたいだ。ヤンチャ坊主が絵を描くことに夢中で、使った道具のあと始末などかまっていられないという感じで、それはそれは絵を描くことが楽しくてしょうがないという熱気が伝わってくるのだ。本を見ているこっちも何やらムズムズしてきて彼の横に並んでいっしょに何か描きたくなる衝動にかられてくる。いま一番気になるアーティストである。


トッタン画
D型ハウス・牛舎・倉庫・肥料タンクなどが並ぶ典型的な畜産農家。
倉庫の中とか色々興味があり、つい入って行きたくなる。



2011年9月16日

 先月末、ココ(カミさん)が大火傷。晩ごはんの支度中に、ニンジンを茹でている小鍋ごとひっくり返して、右足の付け根から膝にかけて熱湯を浴びてしまったのである。ニンジンと足をいっしょに茹でてどうするのだ。
 二週間ほど病院通いをして治療を続け、ぐるぐる巻きに包帯を巻かれた火傷の跡は、ひと皮むけて赤くただれて痛々しい。それ見たココが因幡の白うさぎと言うが、ボクにはチャンチャン焼きのシャケの切り身にしか見えん。昨日あたりから風呂にも入れるようになったので、ひと安心。やれやれ。


世捨て人
世捨て人。



2011年9月23日

 古本屋で森繁の「大遺言書」を見つける。聞き書きで、文は久世光彦。語りはもちろん森繁久彌である。両人ともすでに他界しているが、ボクは死んだ人の本ばかり読んでいる。久世光彦はテレビドラマ「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」などの演出家として有名。ご存知森繁久彌は、テレビの「七人の孫」などや映画「社長シリーズ」の女好きで、ちょっぴり助平。そして調子の良い社長役で人気者となる。その軽快洒脱な演技は、戦後の映画界に新風を送り続けた映画界の天皇である。古い映画になるが、小説家織田作之助原作の「夫婦善哉」をDVDで観たことがあるが、森繁演ずる主人公柳吉の演技など「男はつらいよ」の寅さんにそっくりで驚いた。時代から見ても、渥美清はこの柳吉をヒントにしたな・・・と思われる。
 それはともかく、森繁の詩歌や漢詩における博識ぶりには圧倒される。その中で都々逸を披露するところがある。「ボウフラが 人を刺すよな蚊になるまでは 泥水飲み飲み浮き沈みー」この泥水飲み飲みが泣かせる。苦しいことを、こう軽く流すところがいい。この本で、ボクが以前から抱いていた森繁のイメージが払拭されましたね。なかなかの大人物です。


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