シゲチャン日誌・2011年6月

2011年6月1日

 今年は桜の開花が遅かった。先月は、雨が多く、雪は降り、おまけに空から氷まで降ったのだから、桜だって咲くに咲けまい。桜が咲いてみて気づいたが、この相生から北見にかけての山々には、かなりの本数の山桜が咲いていたので驚いた。いやいや、意外でした。これほどの量の山桜が散在している要因を考えてみれば、鳥たちが長い歳月に渡って、桜の種をついばみ、方々にまき散らしたことによるものだろうと思われる。もし、そうだとすると、鳥たちも時として粋な悪戯をしてくれるものだ。
 桜のことで、もうひとつ。車で山あいの道を走っていると、ほとんどの農家の庭先には桜の木がある。ずいぶん木も大きく育っていることから、そうとう昔に植えたものだろう。厳しくも長い冬の生活に耐え、過酷な畑仕事の中で、桜の花が満開に咲き誇れば、どれほど身も心も安らぐことであろう。とにかく日本人は桜が好きなのである。
 中には、すでに離農し、家屋も朽ち果て、草が生い茂った荒地に、一本の桜が取り残されたように咲いているところがある。かつては、家人とその桜の木にまつわる様々なエピソードと思い出があったことであろう。その荒地と桜の対比が胸を打つ。今まで俳句の趣味なぞ全くなかったはずなのに一句浮かぶ「主去りて 家は果てれど 咲くサクラ」お粗末。



2011年6月17日

 アリクイが相撲の土俵上で仕切りをしているような木を拾う。道の土手沿いに這いつくばるようにしていたので、除雪した雪に埋もり、その重みでいじめられて育ったのだろう。木も人間と同じで、幼児期に育った環境と体験によってその後の人生が大きく左右され、その一生が決定される。愛情に恵まれると、素直に真っすぐと育つ。これは、親や目上の者にとっては、都合が良くて扱いやすい。ところが、過酷な条件のもとで育ったならば、ひねくれて成長し癖が強く、強情でやっかいである。しかし、これを生かしてツボにはまれば、強烈な魅力を放つ。
 で、今回拾った曲者も、どう生かし作品に出来るか否かは、全てボクの力量にかかってくるわけだが、さて、さて・・・。



HIPS HOUSE(尻の館)
この春に完成したHIPS HOUSE(尻の館)。何だかますます怪し気な建物ばかり増えているが・・・。しかし、先日アメリカの若者がひと言「クール」と絶賛。



2011年6月24日

 アオダイショウ発見。2匹が絡み合い、もつれ合うようにして建物の梁を伝っていく。どうやらオスとメスで子作りに励んでいる最中のようだ。どうにも薄気味悪い。建物の中に入られたら面倒だ。久し振りに魚の釣竿にヒントを得て、竹竿で作ったヘビ専用捕獲竿の出番である。柱に巻き付いているところを、何とか首に引っ掛けたいが、2匹がグルグル巻きになっているのでどうにも難しい。仕方がないので尻尾に引っ掛ければ、驚いて逃げようとするその力の凄いこと凄いこと。ボクとて逃がすまいと力一杯に締め上げて引っ張れば竹竿は弓なりとなり、プチッと尻尾が切れてしまい惜しくも取り逃がす。捕獲竿の先端にはピクンピクンとのたうつ15センチほどの尻尾が・・・。
 難を逃れたアオダイショウであるが、尻尾の無いヘビというのも少々妙なもので、ヘビ仲間の笑い物になるやも知れず、可哀想なことをしてしまったものだ。小一時間ほどしてから、捨て置いた尻尾を見にいったなら、まだピクピクとのたうっているではないか。たまげた生命力。いずれ切れ口から頭が再生して動き出すのではないのか?という恐怖心にかられる。後味悪し。


腰の低い豹
腰の低い豹。ドーモ。ドーモ。



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