シゲチャン日誌・2011年7月

2011年7月2日

 自然界の様子が、今年は少しおかしい。白樺やカラ松の花粉が連日に渡って火山噴火後の降灰のごとく大量に降り、家の屋根やベランダ・外に停めている車などに、黄粉色した花粉が降り積もる。この現象は、北見・網走方面はおろか全道各地に及んだものと見られる。
 早春には、本州におけるスギ花粉アレルギーのニュースが話題になるけれど、これからは北海道においても、白樺やカラ松によるアレルギー患者が急増し、その対策等であれこれと慌ただしくなるのではないか。花粉のことはさておき、例年ならばヤナギ・クルミ・白樺・カラ松・タモの木と順を追い、少し間をおいてから葉っぱが開いたものだが、今年に限っては次々と競うように葉が開く。そして、ニョロニョロと動き回る毛虫をひんぱんに目にする。
 これらの現象は、いま自然界に生きる植物や昆虫たちが、地球上の何やら只ならぬ危機や異変を感じ取り、その生き残りをかけて躍起になっているかのようにも受けとれる。これらが、科学的にも根拠のない素人の単なる妄想であれば良いのだけれども、何とも妙なプレッシャーを感じるのである。


幼稚園時代
今回、高齢者の話が出たので、若造の幼稚園時代のアルバムから。一番左端がボクで、突然のフラッシュに驚き幕が閉まるまでこのポーズで固まっていた。



2011年7月4日

 津別町役場福祉課のスタッフの方々が、80から90代の男性5名を引率し、ランド見学にきてくれた。ボクからみれば親同然ともいえる年齢であり、いつもとは少々勝手が違う。老人が一団となると、その場は独特のオーラを発散して俄然面白くなる。 町に出ると、あちこちの休憩所で老人たちがテーブルを囲んで群がっている光景をよく見かけるが、ボクは喜び勇んで一団の近い所に陣取り、そこで交わされる会話に聞き耳を立てる。いま時の若者が群れてもケータイばかり見ていて面白くも何ともない。その点老人たちの話は何ともほのぼのとしており、いい味を出しているのである。
 今回のグループの中に、普段から物作りをするのが大好きで、今日ランドにくるのを楽しみにしていたというS田さんがいて、スタッフの方の話では、ピーナツを使ったり、木で何か不思議な物を作っているらしく、まるでボクと同類の人らしいのだ。
 一通りランド見学を終え、帰るバスに皆さんが乗り込んでから、スタッフの方がビニール袋を抱えてバスから降りてきた。「S田さんの作品を見て下さい」と、その中身を取り出す。それは、花瓶のようであり、造花の桜の木が一本差し込まれている。花瓶の部分にひょうたんを使い、台座の回りには小さな貝と小鳥の餌らしき物で飾り付けられている。
 そして、ひょうたんには、広告のチラシから切り抜いたカラフルな写真と文字が一面に貼ってあるのだが、これが面白い。何故か「北海道」という字がペタ。「健康は宝」という字がペタッ。ウ〜ム。その他にもマンガのキャラクターや子供の写真がペタペタッ。とても高齢者とは思えない、細かくて丁寧な作業に目を見張る。これって、まるで現代美術を思わせるコンセプトそのものではないか。圧巻は、大きく「心」の一字がペタ〜リ。何とストレートな・・・これにはボクも面食らい、脳が呼吸停止(?)状態となる。まだまだどこかで格好をつけている若造のボクがいて、こうもヌケヌケとは出来ないのだ。参りました。
 やがて、一行は「心」という重い一文字を置き土産としてランドを後にする。ボクは、宿題を忘れ居残りを恩師から命ぜられた小学生のごとく一本の杭となってバスを見送るのであった。


2011年のランドグッズ
ひとつ目の作品。本人は気に入っておる。



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