シゲチャン日誌・2011年1月

2011年1月2日

 昨年の暮れに、スーパーマーケットの休憩所でテレビを見ていて、あやうく涙を流しそうになった。数年前に話題になった邦画「フラガール」が放映されていたのだ。閉鎖の迫る炭鉱の町をフラダンスで救うという物語で、松雪泰子扮するフラダンスの先生と、その教え子である炭鉱娘達が駅で別れるシーンで、まずウルッ。ラストの晴れ舞台である常磐ハワイアンセンターで、炭鉱娘が揃って踊り出すと・・・鼻の奥がツーンときて、目にジワ〜ッ。とどめは、笑顔でひたむきに踊る若き蒼井優の表情がアップになるや「あ〜ぁ、よくやった。良かった。良かった・・・」とテレビに向かって相づちを打ち、涙がドォーッと溢れ出そうになるのを必死に堪えるジジィと化しておったのである。これには、自分に驚いた。女子高生が隣りのテーブルで携帯電話をいじくる真っ昼間の公共の場において、こんなことになるとは…不覚であった。
 自慢じゃないが、小さい時から涙腺固く、人の情に流されず、血も涙もないニヒルな男を通してきたつもりである。だいたい、映画を作る側が「ホラ、ここから山場です。さぁー泣きなさい」などと見えすいた敵の術中策略にまんまと乗せられるのもシャクだし、真っ平だ。と思いながら見ていたのだから情けない。
 ついに、焼きが回ってきたか?これから先の自分が心配だ。


冬のココハウス
冬眠中のココハウス。湿って重い雪が降るたび、屋根が潰れてしまうのでは?と気が気ではない。その様子を見に行くのも冬のひと仕事。



2011年1月8日

 小寒に入り、めっきり冷え込んできた。ボイラーの排気筒から、もうもうとはき出される白い煙がいっそう寒さをつのらせる。室内と外との温度差で、窓は汗をかき凍り付き、全ての窓は、力ずくで開けようにも、ピクリとも動かない。これでは、いざ何かあって外に出ようにも出られずに家に閉じ込められてしまうのではないのか?と、不安がよぎる。しかし、玄関のドアだけは開くことを思い出し、ホッとする。
 そろそろ、髪の毛が伸びてきたので、いつもの丸坊主にしたいところだが、こう寒いと頭が風邪を引く。暖かくなるまでは、しばらくこのままにしておこう。


針金のパイプチェアー
針金をくるくる曲げてパイプチェアーを作る。いわゆるパイプの腰掛け。



2011年1月28日

 DVDで近作の「シャーロックホームズ」を借りてきた。ホームズ君といえば、パイプだ。どんな形のパイプで、そして吸い方は?と興味があったからだ。最近パイプに凝り出してからというものは、映画の中で意外やパイプが小道具として多く使われている事に気がついた。例えば、最近のタランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」でナチス狩りの大佐が白い巨大なパイプを。ディカプリオ主演の「シャッターアイランド」では監獄の博士が。古いところでは、ヒッチコック監督の「白い恐怖」で心理学の博士。ショーン・コネリーの「ロシアより愛をこめて」で組織の上役。そして、ユーゴスラビア映画の「黒猫・白猫」で、ジプシーのオバさんがミニパイプをくわえていた。海外では、女性もパイプを吸うと知り驚いた。これらは、最近見たDVDからのほんの一例で、パイプの出てくる物を選んではハシゴする。そんなナイスな楽しみ方をしている今日このごろである。
 それはそうと、この前トンカツ屋で食後にパイプをふかしていたら、そこの若い女店員が「素敵ですね・・・そのタバコ。ウチのバァちゃんも、そんなキセルで吸ってました」と、まるで化石でも見つけたかのようにボクを見る。キセル?キセルか・・・。時代である。



LAND TOP