シゲチャン日誌・2011年4月

2011年4月4日

 ランドの耳ハウスの取り付け階段に亀裂が入っていたので修理に行く。北見・津別などの町中は、すでに雪が跡形もなく消え失せているのに、さすが山間部の相生はまだ雪深くひざ下ぐらいまで残っている。子供用のスキーをはき、電動工具一式をデイパックに詰め込んで背負う。この出で立ちを、通りがかりの人が見たらならば「おっ!オヤジが山スキーか?」としか思えんだろう。
 さて・・・スキーをスイスイと滑らせて行きたいところだが、この時季の雪は固いところと、下の方がザクザクに融けているところがあり、思わぬところで深みにはまってしまった。そのまま体勢を崩して、無様にも後ろ向きに倒れる。重いデイパックを背負ったままなので、まるで亀が引っくり返ったように、どうにもこうにも立ち上がれぬ。こんな間抜けな転び方は、子供のころ以来である。
 ま、焦って起き上がることもない。骨を折らなかっただけでも幸運だった。と、真っ青に晴れ渡った空、流れ行く白い雲に見とれ、しばらく引っくり返ったままの亀でいた。



2011年4月12日

 クローゼットに吊るしていたジャケットなどがカビカビだった。カビの原因は、ハンガーに何枚も重ね過ぎ、ぎゅうぎゅうに詰め過ぎで、通気性が悪い。これではカビる。ココ(カミさん)が「男のこんな衣裳持ちなぞ知らん」と呆れ果てているが、ボクとしては衣裳部屋をひとつ欲しいところではあるが、タレント・芸能人ではあるまいし、そうはイカン。
 ここいらが決断の時か、この10数年間に袖を通さなかった物、これから先も着そうにない物を思い切り処分し、古着屋に下取りしてもらうことにする。その金で、このところハマっているパイプを買う。それで、少しは気も晴れよう。そうは思ったが、一着一着引っ張り出してみると、買った当時の思い出がよみがえったり、もう入手するのが不可能な一着であったりと、なかなか辛い作業となる。「イカン・イカン!!カビさせるだけだ」と気を取り直し、「パイプを買うのだ」と心を鬼にして作業を続ける。その結果、ジャケット・シャツ・パンツ等およそ200着以上を、洗濯機が入るような特大のダンボール箱に2個。ガンバリました。
 いざ、勇んで北見の古着屋へ持ち込む。いくら少なく見積もったとて、2、3万は行くであろう。何せ、これらは、東京にいるころ、かなり名の知れた男のスタイリストからも「いつもオシャレでイイモン着てるね」などとほめ千切られていた品々である。ところが・・・だ、店から提示された金額を見て、目が点となる。いくら目を凝らしても、2800円!!パイプは消えた。いかほどの愛着と思い出が詰まった物であろうと、ファッションには流行り廃りがあり、時代によって、その価値は変動する。
 金で、思い出は買えないが、他人には関知せぬこと。非情である。また、ひとつ世間を知る。



クツ兵衛
「クツ兵衛」が新登場。アンティークの靴型に目鼻をつけた奴らで、机や玄関先の置物にお薦めの作。(ココハウスにて販売中)



2011年4月21日

 作業場の前に広がる雪原を綿菓子みたいにシッポをふくらませたキツネが横切って行く。以前、白骨化したキツネ一匹丸ごと拾ったが、思っていたより一本一本の骨が小さく、きゃしゃなので驚いた。骨に興味があり、いま目の前を横切るキツネも、毛皮や肉を除き骨格全体をレントゲンで透視したように想像できる。その他に、ネコ・人とか・・・これ以上書くと話が怪しくなってくるので、この辺までにする。


少し物憂げにスキップ。



LAND TOP