シゲチャン日誌・2010年6月

2010年6月1日

 ランド内の作品をひと通り見終わって「ここにあるモノはタダで拾ったもんばかりなんだ」という人の声を時どき耳にする。小一時間もかけて彼らは一体何を見ていたのだろう。この言葉の裏には、うかつにもゴミ屑ごときのモノに入館料を払ってしまった悔しさが込められているような気がする。
 確かに、シゲチャンランドに展示している作品は、拾い集めた素材に手を加えたものがほとんどである。しかし、我々の生活とは切っても切れない山の幸、海の幸。石油などの鉱物や天然ガスなども、しょせん地球が生成してきたモノを加工することにより、人類はその恩恵を受けているのではないのか。ダイヤモンドとて、原石を磨きあげることにより、初めてその光を放つのである。それと同様のことをボクがしているとはいわないが、そうありたいと思って制作しているつもりである。
 それと、もうひとつ。流木や空き缶などが、ボクの寝ている間に「何かに用立ててもらえませんか?」なぞと、浜辺から遠い道のりをゾロゾロと我が家の玄関先までやってくるわけでもない。そこんところを、もう少し胸に手を当てて考えて欲しいものである。



流木の作品
流木に目・鼻・口をつけた初期の作。あの頃は何でもかんでも顔にしていた。



2010年6月4日

 この春、ランド近くで生まれたウグイスは「トッポ、ジージヨッ!!」と鳴く。どこかで聞いたことのある言葉だ。そのあとに「ホーホケチョッ!!」とくる。これでは、意中の相手をうっとりさせるのは無理だろう。笑われてしまう。このトッポ・ジージョ。ひと昔前に、テレビなどで人気者になったネズミのキャラクター名である。
 最近、また少し鳴き方が変わり「ドッチミチー、ホーホケチョッ!!」と鳴くのである。どっちみち・・・と、かなり投げやりになっている。やはり、まだ独り身のようである。


2010年6月12日
 今日、知人の母親が3歳になった男の子とランドにやってきた。その男の子に母親が「大きくなったら、何になるの?」と聞けば「バナナ」と答えた。う〜ん、バナナになるのか?・・・。


世界地図
以前、ある雑誌で、毎月世界地図を制作する仕事をしていた。そのうち、まとまったら作品集にしようという話になったが、数年であえなく廃刊となり、未刊に終わる。



2010年6月28日
 日連続で35度をこえる猛暑日が続く。これでも、北海道といえるのか?もうーインドだ。住んだことはないけれど・・・。風が吹けばよいが、風もなく始末が悪い。大きなフキの葉もテントをたたんだようにうなだれており、我が身も塩をまぶされたナメクジのごとく消え入りそうである。
 ランドの開館日とあって、チケット売場からあまり離れるわけにもいかず、近くの木陰のベンチに腰をおろすが、力無くうなだれて地面に目を落とす。地面といっても砂利石を敷きつめているので、この暑さでもって焼け石状態である。その上を蟻や木の小枝を身にまとったミノ虫。キツネの尾っぽのような毛虫などが、少しでも涼しい場所を求めて必死に歩き回る。やっと日陰に辿り着くと、ホッと歩みを止めて小休止。虫とて、暑いのだ。ひと雪降らないものか。


2010年6月29日
 雲のすき間から太陽が顔を出したとたん、家の周りの森でいっせいにセミの大合唱が始まる。中に一匹、「アジィーッ、アジジジーッ、アジィーッ!!」と鳴く奴がいる。春ゼミなのか夏ゼミなのかは分からないが「暑じーい。暑じーい」としか聞こえないので、こっちまで暑苦しくてたまらない。
 いつまで続くか・・・セミ時雨。


LAND TOP