シゲチャン日誌・2010年8月

2010年8月3日

 シゲチャンランドがオープンして10年になる。何やかんやとやっている間に10年がたっていたというのが実感である。ひと口に10年といっても、人それぞれの感じ方があり、また年齢によっても変わってくる。特に、子供の場合であれば、生まれてハイハイから始まり、言葉を覚え、身体も竹の子がグングン伸びるようにみるみる成長をし続ける。それに引きかえ、初老期に入った我が身たるや、のんべんだらりと無為に月日を重ねるだけである。
 そんなことを−柄にもなくしみじみ感じ入ってしまったのも、今日、兵庫から親子3人でランドにきてくれたその母親との話がきっかけであった。今、小学校に通っているという女の子を指差し「ランドは2度目で、この子がまだお腹にいる8年前にも主人ときたことがあるんですよ」とにこやかに笑う。10年には2年足りぬが、8年という時間を凝縮した2つの目がボクを射るように見つめる。その視線がまばゆい。ボクが知るよしも無いところで、出産−育児−小学校へ入学と、両親とその子の確かな月日のドラマの積み重ねに想いが及び、つい、しみじみしてしまう。このような素晴らしき出会いがあるのも、曲がりなりにもココ(カミさん)と2人でランドを続けてきたオマケなのであろう。次は、この子が成人し、今日のように子と連れだってくる日がくるのだろうか?しかし、その時までランドをやっていられるものやらどうやら・・・。そんな先のことまで考えるというのは、野暮天のたわ言か。
 また今まで通り、急がず、焦らず、淡々と月日を重ねるしかないのだから。



ナチュラルバイシクルとのコラボTシャツ
この夏に札幌のファッションブランド「ナチュラルバイシクル」と提携して3パターンのTシャツを作った。写真はランドの家具をプリントしたもので、COCOハウスにて販売中。



2010年8月10日

 カメラマンの藤井さんが、ひょっこりランドにきてくれた。シゲチャンランドのチラシや写真集を撮影してくれ、今や広告写真界における水戸黄門的存在である。と、ボクは勝手に思っている。霧の風景写真を撮る目的で、東京から道内入りし、先日は霧多布・そして稚内に向かう途中に立ち寄ってくれたのだ。あいさつ代わりのつもりなのか?使用期限の過ぎた熊撃退用スプレーを何故かくれる。藤井さんは数年前の冬、知床で流氷を撮影中に熊に追いかけられたことがあり、それ以来、このスプレーを車に常備している。この撃退用スプレー、間近かで見るのはこれが初めてで、藤井さんもいまだに使ったことがないという。こういったものを手にすると、使ってみたくなるのが人情である。
 「じゃあーっ!!」ということで、空中に向けて噴射すると、凄い勢いでノズルから黄色っぽい霧が吹き出す。撃退が目的で開発したものだから命に別条はないと聞くし、成分はトウガラシとコショウである。「どんなもんだべえー」と2人して、もうもう煙る中に飛び込んで驚いた。目は痛いわ、涙はボロボロで、鼻の中はグチュグチュでクシャミが止らず、肌が赤くただれて痒くてたまらない。トウガラシとコショウなのだ。しかし?人間って、とんでもないものを作るものだ。
 熊の立場に立てば、人間は知恵が働く分、実に卑怯で、何と憎らしい相手であることか。



2010年8月27日

 この春、ランド近くで生まれたウグイスは「トッポ、ジージヨッ!!」と鳴く。どこかで聞いたことのある言葉だ。そのあとに「ホーホケチョッ!!」とくる。これでは、意中の相手をうっとりさせるのは無理だろう。笑われてしまう。このトッポ・ジージョ。ひと昔前に、テレビなどで人気者になったネズミのキャラクター名である。
 最近、また少し鳴き方が変わり「ドッチミチー、ホーホケチョッ!!」と鳴くのである。どっちみち・・・と、かなり投げやりになっている。やはり、まだ独り身のようである。猛暑のせいなのか?今年は、蝶と蛾がやたら多い。蝶では、モンシロチョウ、エゾシロチョウ、そしてキアゲハにカラスアゲハ。蛾は、羽を広げると10センチを超え、目玉模様を持つクスサン。これらが、ピクピク舞うので、うるさく暑さ倍増の夏である。


クスサン
文中の「クスサン」という名の蛾。



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