シゲチャン日誌・2009年6月

2009年6月5日

 あっという間に新緑の季節である。家の居間から見える森もこの間まで、幹と枝だけの裸同然の立木だったのが、目にも鮮やかな新緑の衣をまとい風を受けて左右に揺らめいている。冬を乗り越えて森全体がひとまわり大きくなったようだ。
 いつの間にか土の中から春ゼミが大量に生まれ、新緑の葉陰の下で森を揺らすほどの大合唱も始まった。この大合唱に誘われるように次々と新たな生命の誕生が始まる。


タモの大木
作業場の隅にそびえ立つタモの大木。この時は5月で、6月に入るとみるみる若葉に覆われる。その存在感にはいつも圧倒されるばかりだ。



2009年6月9日

 昨日、仲の良さそうな老人のグループがランドにやってきた。その中のジイさんが、作品群にいたく感心してくれたようで、ココ(カミさん)のところへ行き「これらは、一体誰が作ったの?」と尋ねるので「入口にいたあの大西が作ったんです」と教えると、そのジイさん「えっ?!あのジイさんが・・・」と驚いたそうな。
 以前、街で小さな子から「ジイちゃん!!」と声をかけられたことがある。それは、それで納得できた。が・・・現在62歳のボクが、見たとこ80過ぎの老人からジイさん呼ばわりされるのは、どうも釈然としない。
 そして、今日。オーストラリアからきた40ぐらいのカメラマンから「ブラザー」と呼ばれる。そりゃー海外の人から見たら日本人は若く見られるというが、今度は兄弟にされちまった。彼の写真を見せてもらったら、自然をモチーフにしているという共通点があるので「心の兄弟」という意味のブラザーであろう。
 しかし、ジイさんになったり、兄弟になったりで忙しいこってス。次はどう呼ばれるのだ。


2009年6月21日

 久し振りの快晴。このところ週末は雨ばかりが続き腐ってしまう。やっぱりランドをやっている時ぐらいは晴れて欲しいものだ。
 ふと見ると、各展示館へと続く砂利道に長いロープ状のものが横たわっている。近寄ってみると青ダイショウであった。1メートル30ほどあろうか。青ダイショウも、この久し振りの快晴で冷え切った地中から這い出してきたのであろう。展示館内に入られたら面倒だ。流木の作品にヘビがからまっている図なんぞ、お客さんが見たならば大騒ぎの末、卒倒してしまうであろう。
 で、急ぎ足で手作りのヘビ捕獲器を取ってくる。以前、首を強く締め上げすぎて気絶させてしまい、そこをカラスに食べられてしまったことがある。その時は、ヘビには気の毒なことをしてしまったものだと反省す。今回は、首を避けて肩近くを・・・ヘビには肩はないか?ずん胴だから。まあーそこを軽く締め上げて、ランドから遠く連れ出し放してやる。
 しかし、ランド内に侵入してくるのは許せない。お互いの縄張りは厳守し合いたいものである。



念仏を唱えるアフリカ人

両手を合わせ何やら念仏を唱えるアフリカ人。仏門に入った動機は未だに不明。



2009年6月28日

 ランドのあちらこちらに蟻がいる。生き物の数としては地球上で一番多いのではないか。氷の南極を除き、土があれば世界中のどこにでもいるはずだ。よく蟻は働き者だと聞くが、実際に働いているのは全体の2割だという。その働き蟻を選別してみると、そこでも働くのは同率の2割だというから面白い。
 さて、人間界において、いかに働かずして楽をしたいと思う種類の人間の方が、革新的な技術・機械などを考案発明し、人々の頂点に立つ例が多い。働き者は、ついつい動いて働いてしまうぶん楽することを知らない。悲しくも皮肉なものである。


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