シゲチャン日誌・2008年9月

2008年9月2日

 ランドの入口で「えっ!金とるのかい?!」と驚かれる人がいる。ランドは曲がりなりにも私設の美術館なのであり、福祉を目的としてやっているわけではない。
 今までにも何度か耳にした、この「金とるのかい?!」という人聞きの悪い言葉を聞くたびに不愉快になる。何も、ゆすり・たかりを働き、人さまのサイフごと奪い取ろうとしているわけではない。あくまでも見料なのである。よほど、今までこういう目にあってきたことがあって、つい口にしてしまうのであろうか?それにしても、初対面の人間に向かって、いきなり口にする言葉ではあるまい。他に言いようがあるのではないのか?言葉を知らないのにも程があり、悲しくなってくる。
 こんな人に限って仏頂面をして帰っていくのだが、逆に帰ってくれてホッとする。身銭を切らずして、何でもタダで見てやろうという何とさもしい了見であることか。こんな日は、晩メシも不味くなる。



国旗の顔
このライオンの置物は北見のリサイクルショップで手に入れたが、濁った色だったので赤く塗り直す。
「これ!閉店したパチンコ屋にあったよ」と帯広に住む人が言っていた。



2008年9月7日

 軽トラックで走っていたら、いきなり腰のあたりに電気ショックを受けたような激痛が走る。直感的にハチに刺されたと思い、車を止めると、小さなシマバチが窓から逃げていく。これがスズメバチであったら一大事である。8月末から9月にかけてハチは巣作りを始めピリピリしているので恐い。
 ハチは恐いで、思い出したことがある。それは、まだ東京にいたころの話で、親しい仲間と酒を飲み、酔いが回るにつれて飛び出すボクの駄ジャレがあった。
 その駄ジャレとは、ハチと掛け算の九九で、8の段とを引っかけたものである。 隣りに座った友人に、まず「8×1は?」と問う。「8」。「そうー正解。8×2は?」。「16!! 」。「16 ?… 違う。ハチに刺された」。「?…」相手は、何言ってるんだぁーという顔でボクを見る。「じゃあー8×3?」。相手は、もうーしらけて答えない。「答えを教えてあげる。ハチさん恐い!!」。いくら酒の席とはいえ、とても40を過ぎた大人の遊びではない。
 これを、人の集まるパーティーなどで相手かまわず浴びせかけ、そのうち子供にまで連発する癖がつき、しまいには誰からも相手にされなくなり、悲しいまでに無視され続ける。 しかし、「ハチ・イチがハチ。ハチに刺された。ハチさん恐い」という流れが、自分としては異常に気に入っており、酔えば酔うほどに言わずにはいられないという・・・使命感にも近いものが込み上げてくるのだからしょうがない。
 この他にも何パターンかあるのだが、今回はこの辺で止めておくことにする。


国旗の顔
トタンを切って作った長靴の作品。「北の暮らしシリーズ」の中の1点で、ほかに帽子・ベスト・パンタロンがある。



2008年9月28日

 今年はランドのクルミがたわわに実り大豊作である。ココ(カミさん)が拾い集めた皮つきのクルミを、ランドに来てくれた子供たちに「これ何だ?}と見せれば、誰も知らないというので驚いた。それが、津別に住んでいる子ばかりであったので、また驚いた。
 最近の子は、店頭に並ぶナッツ類の袋詰めやパン・菓子類に入っているむき身のクルミしか知らないのか。都会の子なんか、ひょっとしてシャケの一匹まるごとなぞ見たこともなく、スーパーで見る切り身の状態で海を泳いでいると思ってるのかもしれん。
 これからも、あらゆる自然の物が加工され、その原形を知らずして一生を終えていく人間が増えていくのか?そんな世の中になっていくのかと思うと、何ともうすら寒い気がしてくる。


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