シゲチャン日誌・2008年12月

2008年12月2日

 作業場の入口の階段がボロボロになったので、新たに作り替える。作業場を建てて15年ぐらいになるが、その時に切り倒したミズナラの木を使って、大工さんに頼み階段を作ってもらった。ところが長年使っているうちに、一段目が地面に沈み出し湿気を含みボロボロに朽ちてしまったのである。
 新しい板と取り換えるため、朽ちた階段を引っ張り出そうとしたら、何やらオロオロと逃げ惑う小動物がいる。地ネズミである。隅の方にドングリ・クルミ・糸屑などが固まっており、この階段の下を巣としていたのである。思わぬ住人の出現に驚きながらも朽ちた階段を引っ張り出し、裏返しにしてみれば・・・クワガタの幼虫を筆頭に、蟻だのハサミムシなどが次々と出てきたものだから、また驚いた。人から見れば、使い物にならない朽ちた木に、これほどの生き物たちが暮らしていたとは・・・。木は朽ちても役目があり、虫が生き、やがて土に帰る。この自然界の循環を目のあたりにし、「凄いもんだなー」と感心し、深い溜め息をつく。



2008年12月5日

 山に囲まれた相生という山村から、さらに人里離れた森の中に、爺さまと婆さまが住んでおった。婆さまは、人さまの飼っているニワトリが走り回る姿を見ただけでも、思わず舌なめずりをしてしまうほどトリ肉が大好きじゃった。町に買い出しに行ったおりなんぞ、あらゆる食材の中から素早くトリ肉の固まりを見つけては買い物袋に入れて帰ってくるのが常じゃった。
 ある日、爺さまが江戸に用があり、数日家を空けて戻って来た時のことじゃあー。「婆さま、今帰ったよー」と戸を叩くが、家の中はシィーンと静まり返っておる。「さて?川に洗濯にでも行っておるのか・・・」と、また戸を叩けば、家の中で「クークッ・クー」と低く奇妙な声がする。「誰か、おるのかっ?!」と不思議に思い戸を力づくで開けるとー何と!!玄関の上がりには、一匹のニワトリがうずくまっておるではないか。それを見た爺さまは腰を抜かさんばかりに驚いた。すると、うずくまっておったニワトリは、スクッと二本の足で立ち上がり、羽をバタバタと羽ばたきながら「コケ・コッコッコウー」と張りさけんばかりの声でひと鳴きし、また「クワーッ・クワーッ・クワーッ!!」と羽をバタバタさせて鳴き続けるのじゃった。
 そうー、婆さまは、爺さまが居ぬ間とばかり山ほどのトリ肉を食い溜めし、ついに婆さまはニワトリに生まれ変わってしまったそうじゃあー。
 今回は、おとぎ話風にしてしまったが、ボクが数日家を空けるたびに、こんなことを想像させてしまうほど、ココ(カミさん)はトリ肉には目がないのである。


カラスの親子

初夏ののどかな風景を想像しながら作った作品で、素材は板と古びたトタンを使っている。



2008年12月29日

 サバ(飼ネコ)に、また変な行動癖がつき寝不足の日々が続いている。それが、決まって深い眠りについている明け方近くに始まるのである。
 ベットの端をガリガリと爪を立ててボクを起こし、鳴きながら居間のカーペットに走っていきゴロン!と横になる。抱き上げて頬ずりをしてくれと誘っているのである。この要求が満たされないかぎり、鳴きわめき続けるのだから堪ったものではない。
 数日前、起こされてトイレに立った時に、このサバの要求を受け入れてしまったのが失敗であった。これで、サバは味をしめてしまったのだ。しかしながら、何と人騒がせで、たわいのない遊びであることか。


フットハウス
玄関の柱につながれながらも満足気に日向ぼっこをするサバ(飼ネコ)。
暖かく天気の良い日は、こうするのが日課となっている。



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