シゲチャン日誌・2007年9月

2007年9月6日

 サバ(飼いネコ)が、今日もシマリスにもてあそばれている。朝食時にいつも玄関先のポーチに鎖でつないでいるのだが、鎖の長さは約2メートル。シマリスは、ヒマワリの種を入れてある餌台に毎日のようにやってきて、食べ終わるや貯食用にと家の周りのあっちこっちにヒマワリの種を土の中に埋める。
 朝食を終え、サバの様子を見にいくと、サバは虎や熊の敷物のように低い態勢でコンクリートの上にへばりつき、目をランランと輝かせており、その視線の先2メートルばかりのところで、シマリスが両手で土を掘り起こしヒマワリの種をパクついている。そんなサバを見て見ぬふりか、安全な距離を保って、サバのトロさを見切っているからなのか、シマリスは悠然と食べ続ける。サバもなめられたものである。そのうち、シビレを切らしたサバが、猛然とシマリスめがけて飛びかかるが、悲しいかな、2メートルという鎖の長さだ。サバの一撃も空を切り、シマリスに触れることなく、ダッシュした勢いで首輪が絞まり「ウグッ!!」とこもった声をあげて横に倒れ込む。素早しっこいシマリスは難なく逃げ去り、しばらくすると、何くわぬ顔で再び元の位置まで戻ってきては、土を掘り返しはじめるのである。サバは完全になめられておる。



サバ
シマリスにもてあそばれているサバ。ところが、シマリスも調子に乗り過ぎたか、数日後の玄関先には息絶えたシマリスの姿が…。我が胸中は複雑である。



2007年9月8日

 心配していた台風も稚内からオホーツク海へと抜ける。台風一過のあとは、これ以上は望めないスカッとした青空だ。この「台風一過」という言葉。子供のころラジオなどで耳にして「一体、どんな家族・どんな一家なんだ?」と、思いをめぐらしたけれど、ず〜っと分からずじまいであった。あと「ハローチュイホー」ね。これも一体何に注意すればよいのだろうか。選挙の投票前日でもあるまいし、やたら「ハローハローハロー」と連発するやかましい奴でもくるのかと思っていた。気象用語は、耳で聞くとまぎらわしい言葉が多い。


2007年9月17日

 先月に上京したおりに、また2台の中古カメラを買ってしまった。病気は続いている。
 前々から欲しかったものが手に入ったものだから、喜び勇んでホテルに帰り、ボディーとレンズをはずして磨いていたら、うかつにもボディーをベットから落としてしまった。外観に異状はなかったが、肝心のシャッターが降りない。で、帰ってから常日頃お世話になっている北見の北カメラさんに持ち込み、一枚も撮らないうちに長期入院となる。
 ボクの知るかぎり、一流のプロカメラマンは、どんな写真を撮るのか?と心を砕き、カメラはあくまでも道具として考える人が多いようである。ところが、ボクの場合は、写真を撮る行為以上に、完動品の珍しい金属製カメラを所有し、ピカピカに磨き込むことに陶酔する傾向が強い。つまり、磨きフェチという病気ですね。しかし、プラスチック製のカメラとか、デジカメに関してはこのようには燃えてはこない。


今から15年ほど前の作でしょうか?
パンを焼き、目にボタン。足は木の枝と…使う素材は何でもありだった。



2007年9月23日

 チケットハウスの中から「ル・ル・ル・ルー」と涼しげな音が聞こえてくる。音の主はカゲロウにも似た小さな黄緑色の虫で、必死に羽をすり合わせている。冬に向い、オスとして命つきる前の最期の仕事を果たそうとメスを呼んでいるのであろう。初めて見た虫なので、図鑑で調べると「カンタン」とある。
 この繊細で可憐な虫に、これほどミもフタもない名をつけた人物の顔が見たいものだ。


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