シゲチャン日誌・2007年7月

2007年7月1日

 「黒豆」の千田さんがランドに来てくれる。「黒豆」といっても豆を売りに来たわけではない。札幌にある貸しスペース&ギャラリーの女性オーナーである。ランドのオープン以来毎年のようにキャラクターの強い面々を連れて来てくれるのだが、職種もまちまちで、画家・ミュージシャン・スポーツ・マッサージ師・世界を旅する人等々と、実にバラエティーに富んでいる。
 今日は、作家であり美術家でありシンガーと多才な顔を持つアキラさん。ピアニストのハジメさん。オーストラリア先住民の楽器ディジュリドウー奏者などの10数名である。千田さんは、自分が感動したことは、友人知人に伝えたい。見てもらいたい。―と心の底から思う純な性格で、人の喜ぶ姿を見て涙する可愛い人だ。
 メンバーが展示館を見回るにつれ、全員が徐々に興奮していく様子がボクに伝わってくる。いい人達だ。ひととおり見終わり雑談を交わしていると、突然「ここでライブをさせてもらえないか?」との話が出、「そりゃあーぜひ!」と快諾すると、アキラさん・ハジメさんらは車に積んであった楽器・機材をノーズハウスに持ち込んでのミニ・ライブが始まった。どうも、ランドを訪れたミュージシャンの多くは、作品を見るにつれ演奏したくなる衝動が沸き上がってくるようで、これまでにも何度もあったことなのである。しかし、演歌・ヘビメタ系からの話はない。
 ドレッドヘアーのアキラさんは、彼のオリジナル曲をゴスペル風に力強く歌い、ハジメさんがピアノを奏でれば、ノーズハウス内は濃厚かつ神聖な空気感で満たされていく。3曲が終わるや、ここの音響があまりにも良いので、音録りをしてCDを作りたいとの申し出があり、そのまま録音に突入するという思いもよらない展開となる。入館料をもらった上に、歌まで聴かせてもらえるとは、何と贅沢な一日であろうか。



ごぼうとにんじん
ごぼう&にんじん。かつては野菜など生物に顔を描いた頃がある。
現在は乾き物ばかりである。



2007年7月16日

 この時期にしては、珍しく空気もカラッ!と乾燥し秋を思わせる快晴である。こりゃあー雨傘を干すには絶好な日だということで、9本の黄色い傘を開いてワークハウスの脇にかけたなら、黄色い大輪の花が咲いたようで妙に楽しくなってくる。
 この傘は、入館者に貸し出すために用意してあるもので、型紙に「シゲチャンランド」のロゴを切り抜き、赤いスプレーで吹き付けたものである。
 これが、若い女性に大ウケで、開いた瞬間に「キャーッ、カワイイ!!」と歓声をあげ、嬉しそうに傘をさし作品を見て回る。
 それまで、雨が降り重々しく沈んでいたランドの風景が一変して、パッと明るく華やぐ。



スキンハウス内

スキンハウス(皮膚の館)内はこのようになっています。これが完成してからというもの、脱力感からか?あまり写真を撮っていない。
さあ〜どうする。



2007年7月28

 22の時に、毎日新聞社の広告制作局でデザイナーをしていたことがある。大阪万博の年で、毎日新聞がこの万博に関わっていたからであろう、制作局全員に新幹線のキップが渡され、ホテルまで指定されての万博見物とあいなった。行けば人・人・人で、各パビリオンは長蛇の列である。嫌気がさして、人影のまばらなアジア小国のパビリオンに入り、あとは時間をつぶして帰京する。社に帰れば、感想レポートを提出せよとのこと。特に感想もないので、ありのまま「一人・二人・三人・・・」とカウントを続けて原稿を埋め、最後に「あ〜ぁ」と書いて提出する。後日、社内報として回ってきたけれど、提出した人のほとんどの原稿が掲載されていたが、ボクの分はどこにも見当たらなかった。ふと、そんなことを思い出してしまった。



LAND TOP