シゲチャン日誌・2007年2月

2007年2月3日

 過信はイカン。この春オープン予定で準備を進めているスキンハウス(皮膚の館)の出来栄えが、さっぱり面白くないのだ。
畳の小屋に、今まで撮り溜めた二千枚を超えるプリントをすき間なく張り付けたら「さぞ、面白かろう…」と2週間ばかり作業をしてきたのだが、張り終わってみてガクッ!!ときた。
 今まで手がけたハウスは、「お〜っ、来たな!!」という手応えがあったのだが、今回は来るものが来ないのだ。これは、最初の思いつきから安易だったね。やっぱり、新しいことをやる時は、溢れんばかりのアイデアと素材を詰め込むだけ詰め込み、それから引き算するぐらいでなくっちゃぁー。ここ一番、気合いを入れ、また振り出しに戻って考えなければイカン。才能のない者が、妙に自信を持つとロクなことにならないと反省しきり。



ネイルハウスのオブジェ
シゲチャンランドのネイルハウス(爪の館)のコヤツは、ハウスを抜け出し雪山で遊ぶ毎日だが、そろそろ帰ってくるはず。



2007年2月10日

 ふと、気づいたら、この1週間ほど誰とも話をしていなければ、会ってもいない。これはココ(カミさん)を除いての話だが。特に機嫌を損ねてこうしているわけではない。この相生の森の中から一歩も出ず、いつものようになんだかんだとやっていたのである。といって、別に人が恋しいとも思わないし、退屈まぎれから友人知人に電話をかけるという趣味など全くない。こんな性格だから先方からの電話なぞ稀である。
 今、住んでいる我が家は、相生市街から遠く離れた森の一区画であるから、人との接触はもとより、人の姿を見かけることさえ少ない。見たとしても、郵便、宅配便の配達人が出入りするぐらいで、あとは家の前を健康のために歩いている隣りの奥さんと、その旦那さんが除雪している姿を遠目で見かけるぐらいである。子供など、この数年見たこともない。だから、街に出た時、やたら小さい人間が両手を振って歩いているのを見てビックリすることがある。その正体が幼稚園児と分かり、つい物珍しさからジーッと見ていたりする。ちょっと、怪しいオジさんか(?)。まぁ〜こんな環境で暮らしているわけであるが、今時の若者だったら、まず間違いなく発狂してしまうだろうね。



2007年2月22

 世の中は試験シーズンのようである。試験って嫌なものだ。高校のころは、すれっ枯しだったから、いい点数を取ろうなんて了見なぞ持ってもいなかったし、早く学校から帰ることができるので、試験日を楽しみにしていたところがある。
 ところが、まだウブだった中学のころはつらかった。中学を卒業してから50年の年月が流れたというのに、未だにそのころの嫌な試験の夢を何度も見るのだ。いつも同じ夢なのだが、これぞ、まさに悪夢というやつだ。
 それは、決まって教室内の風景から始まる。そして、先生が「今からテストを始める」といきなり告げるのだ。今日テストがあることはクラスの全員が知っていた様子で、皆落ち着き払っている。が、ボクには寝耳に水である。「しまった!!予習も復習もしていない」と、うろたえるボク。その姿は、何故か?!5厘刈りの坊主頭に真っ裸という格好で席に座っているのだ。まわりのクラス全員は、きちっと学生服姿であり、すでに答案用紙に向かって鉛筆を走らせている。静まり返った教室内に、その鉛筆のサラサラという音だけが拷問のように響き渡る。全身脂汗をかき、あせるボクのテスト用紙に目を落とせば、問題の書かれていない、ただの白い紙切きれである。「何なのだ!!これは・・・」と、頭の中が真っ白となる・・・。ここで、目が覚める。悪夢だ。



藤原さんの「素豚」

「冬のシゲチャンクラブ」で大賞の異才藤原万里子さんの作品。ランドのホームページで万里子ワールドが連載の予定も・・・。



LAND TOP