シゲチャン日誌・2006年10月

2006年10月3日

 どうも、毎年この時期は同じ話ばかりで申し訳ないと思うのだけれど、何せ、こいつ等のことで頭がいっぱいなのだから仕方がない。そう!例のテントウ虫がランドめがけ、雪の降るがごとく大来襲しているのである。毎年この時ばかりは、いっそランドを閉館しようかと思うぐらいなのだ。
 でも、ことしのシゲちゃんは、ちょっと違うぞ。ホッケの開きぐらい開き直り、チケットハウスに破れかぶれの張り紙を出す。文句はこうだ。「シゲチャンランド名物・秋のテントウ虫祭り」。どおーだ!!間近でこれほど大量のテントウ虫を入館料払って見られるところはそう〜ないぞ!!「さあ〜祭りだ。祭りだ。テンちゃん、遠慮せんと、ばんばん飛んでこいやー。バカヤロー!!」。どうも・・・テントウ虫に脳をやられてしまったようである。

ヒゲ親父
この脳天気な笑顔も雹と雨には弱い。ランド開館中はパンツ1枚でよくぞ頑張ってくれた。



2006年10月14

 今朝は冷えに冷え込んで氷点下3度。庭にあるタモの木の葉が、まだ紅葉もしないうちに、枝の付け根ごとバサッ、バサッと束となって地上に落下していく。この急激な冷え込みに堪えられなくなったのだろう。木は、こうして少しずつ葉を落とし冬の身支度をする。やがて、成長は止まり、またひとつ年輪を刻み込む。
 タモの木から、小鳥たちの餌台に目を移すと、渋い黄緑色のヤマゲラが一羽飛んできて、餌台の金網をつついている。冬になると、この金網に豚の脂身をサンドしてやるのだが、気の早い奴だ。ヤマゲラには、この冷え込みが身に応えたのだろう。初雪は近い。


2006年10月20

 別海へ行く。別海は広いなあー。行けども行けども見渡すかぎり牧場だ。目ざすはウルリー牧場で「大竹伸朗と別海」の展覧会が始まったからである。光栄にも昨年、大竹伸朗がランドを見に来てくれたが、身近で彼の名と功績を知る人は少ない。近年例をみない重要アーティストであるにも関わらずだ。画家で知っている名といえば、海外ではピカソとゴッホ。日本ではテレビなどで顔を売った岡本太郎と池田満寿夫ぐらいで、全くもって悲しくもお寒い話である。
 牧場で展覧会というのも奇妙な取り合わせであるが、この牧場主が数年前にシゲチャンランドに来てくれ、帰ってから何を思ったのか大きなサイロを2年がかりでギャラリーに作りかえてしまったのだ。30数年前、大竹伸朗が美大生のころ、このウルリー牧場で手伝いをしながら長期滞在をしたことがあり、そんな縁から今回の展覧会の話が持ち上がったとのことである。この別海で絵描きになる夢を模索していたころの写真とドローイングを中心に、同地をテーマにした近年の油彩や日記・手紙などを公開し、大竹伸朗の原点を証すという試みである。必見です。
 11月に上京する予定があり、その時期に大竹伸朗の大回顧展「全景」が東京都現代美術館で開催されるので、こちらの方も見に行くつもりである。これが楽しみであると同時に、恐ろしいというのもボクの偽らざる本心である。これほどスケールが大きくて凄い男は、めったにいるもんじゃあーない。


大竹伸朗と別海展

「大竹伸朗と別海」展のチラシ。会期は12月25日まで、会場は別海のウルリー牧場。インフォメーションは0570‐008886(ハローダイヤル)。



2006年10月21日

 朝からの快晴が一転にわかにかき曇り、雹(ひょう)が降り出す。ランド内の中央に立つ「ひょうたん親父」の頭に大粒の雹がカチン!カチン!と当たっては弾け痛々しく、身につけているものといえば、ひょう柄のパンツ1枚という裸同然である。カゼなどひいたら一大事と、一旦ヘッドハウス内に避難させる。ヤレ、ヤレ


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