シゲチャン日誌・2006年7月

2006年7月1日

 ヘビを捕まえる道具を作った。毎年この頃になると判を押したようにヘビがランドに姿を見せる。脱皮をするためとか、天井の梁にある小鳥の巣を狙ってくるのだ。時には梁に長い体をからめて気持ち良さそうに寝ていることもある。
 地面など低いところでヘビを見つけたら、熊手の先に引っ掛けてビューンとランドの外に飛ばしてやるのだが、高いところにいるやつは手も足も出ない。そこで、長い竹竿を使って仕掛けを作ることにした。長い竹竿にピアノ線を使い、先端のところでヘビの首が入るよう輪を作り、手先で引っ張れば輪が締まって生け捕りできるという寸法だ。梁にからんだヘビを棒で突くと、必ず生意気にも鎌首をもたげ威嚇してくる。そこを素早く輪をかけて思い切り手元のピアノ線を引っ張ると、ヘビは呼吸困難となり、目をパチクリさせながら気絶する。
 ヘビは首が弱点である。そのことに気づいたのは、数日前にランドのようすを見に行った時、梁にからんで寝ているアオダイショウを見つけ、長い棒で首ねっこを押さえつけたら、しっぽをダラリとたらして気を失ってしまったのだ。「この野郎!!」とばかり棒でしっぽをパンパン殴りつけたのだが、惜しくも逃げられてしまう。それで、首を攻めればいいのだと気づき、この仕掛けを思いついたのである。この捕獲器が完成してからというもの、肝心のへビがさっぱりと姿を見せないので、出番がない。


ノーズハウス

ノーズハウスの壁面。オープンして早6年、赤く塗ったペンキも落ち着き、これも味である。



2006年7月3

 北海道らしく過ごしやすい日々が続き、いよいよ観光シーズンの幕開けである。ランドにも網走管内はいうに及ばず、遠く道内外からの人たちが急増してきた。昨日は、アジア、ヨーロッパ、ニュージーランド、オーストラリアなど、のべにして2万キロを歩いたという児玉文暁さんが来た。年の頃40歳くらいだろうか?。今回は歩きではなく、面白いところがあるから一緒に行こうと、札幌の知人の車に乗せてきてもらったとのことである。
 よくニュースなどで、自転車や歩いて世界中を旅する人などが紹介されるが、実際に会ったのは児玉さんが初めてだ。しかしながら、このご時世に、今さら歩いて世界中を旅するという行為が、ボクにとっては不可解であるし、まるで灼熱の広大な砂漠を歩き回るアリの行動にも似て、考えただけでも気が遠くなりそうである。失礼と思いつつ、そんなことを児玉さんにぶっつけたらば、涼しい顔をして「いやー歩くのが趣味ですから」と、こともなげにいう。これには、「趣味ですか?・・・」と、いったきりボクは言葉を失い、目の前に突然表れた異星人のごとき彼の顔を、ただ見つめるばかりであった。これまでの旅をまとめた本も出版されているとのこと。
 これから夏に向けて、ランドには、いかなる異星人が飛び込んでくるのだろうか。網を張り、じっと待ち受けるクモになった気分である。


トッタン熊さん
錆びたトタンでこの春に販売用として制作した熊3体。名前に何のひねりもなく、レッドベア、グリーンベアー、ブルーベアーだ。



2006年7月28日

 みの虫。ありやあー何だ?!。全身に麦わらを張りつけたようで、見た目はゴミだ。家の壁などにぶらさがり、何かエサを採っているようでもなし、ひと冬越しても動かない。この前、強引に素手でもぎ取ったら、つぶれて白い体液がドロッと出たので驚いた。あいつら、壁にくっついたまま一生を終えるのだろうか?変な奴だ。



LAND TOP