シゲチャン日誌・2006年12月

2006年12月3日

 朝食後のお茶をすすりながら、窓の外に広がる森を見ていた時、ココ(かみさん)が突然身を乗り出して「クマ・クマ・クマ!!」と叫んだ。「ゲエッ、熊?!」と一瞬ドキッとするが、クマはクマでも、クマゲラと分かり胸を撫でおろす。クマゲラは天然記念物に指定されているほどめったに見ることのできない珍しい鳥である。それが、オスとメスのつがいで飛んできたものだから、ココはすっかり興奮してしまって、クマの下に続くゲラの名が出てこなかったのだ。大きさはカラスぐらいで、全身これ真っ黒である。オスは頭から後頭部にかけて、筆でズバッと引いたように赤く、メスは後頭部だけちょんと赤い。黒にワンポイントの赤というのがオシャレだ。くちばしと首が他のゲラたちに比べ異様に長い。
 つがいのクマゲラは求愛中なのか、じゃれ合いながら森の中を長い間飛び回っていたが、やがて飛んでいってしまった。こんな楽しい光景が毎日見られるので、我が家にテレビなどな
く、窓の外で繰り広げられる鳥や小動物たちのとりとめのないドラマを飽くことなく眺めている。



2006年12月15

 和歌山県田辺市の駅前に、知る人ぞ知るアート&ミュージックの店「ウツボムーン」がある。このロマンチックかつシュールな店名の名付け親は、ボクの作品集やランドの印刷物などで文を書いてくれているコピーライターの藤原大作氏である。オーナーは、もろ、和歌山弁のナイスガイ中島為丸さん。通称為さん。ちなみに大作氏と為さんは昔からの友人だ。この為さん、何を思ったか・・・長年勤めた市役所を50歳でさっさと辞めて、このウツボムーンなる店を始めてしまった。
 そのウツボムーンにて、11月21日から12月23日まで「シゲチャンランド展」が開催されているのだ。先日、展示風景の様子を写真で送ってきてくれたが、開けてビックリ玉手箱。入口から通路・壁面はいうに及ばず、各テーブルの上にまで、どこでどう手に入れたものやら額装されたボクの作品や、前もって購入してくれたランドグッズなどが所狭しと展示されていたのだから驚いた。これでは、シゲチャンランドのウツボムーンジャックではないか?!「ここまでやってくれれば、ボクの作品たちも幸せもんやあ〜ないの!!」。関西にも、これほどディープなランドファン(?)がいてくれるとは・・・感動もんです。



自宅前の森
つがいのクマゲラが飛んできた家の前の森。オオタカ、クロテン、モモンガ、リスの他に多種多様の小鳥がやってくる。



2006年12月25

 クリスマスの今朝は、氷点下の20度。カラ松林のすべての木という木の枝先まで、びっしりとザラメを吹き付けたかのように樹氷がはり付き、朝日を浴びてキラキラと光り輝き、森全体が発光しているかのごとく神々しいまでの美しさである。「これって、クリスマス・ツリーの元祖ではないのか?!」。ツリーを飾る習慣は北欧で始まったのかな?北欧のとある先人が、樹氷に太陽か月光が反射して光り輝くさまを見て感動し、こんなものを家でも飾ってみたいものだと思いつく。室内に凍りついた木を持ち込むわけにはいかない。そこで、電球をたくさん飾り付けて代用し、クリスマス・ツリーなるものを考案してしまった・・・のではないかと推測する。人類は自然から多くのことを真似てきた歴史があるからね。
 最近、ずいぶん目にするようになったが、街路樹や家ごと大量のイルミネーションで飾りたてるのが流行しているようだが、とうてい元祖の美しさには遠く及ばない。



天使

こんな天使が、たくさんボクのまわりをパタパタ飛んでいたら、きっと楽しいだろうな。



LAND TOP