シゲチャン日誌・2005年9月

2005年9月8

 「♪赤い夕日よ〜燃え〜♪」と、その映画は始まる。ご存知!!いや、50代以上の人でなければご存知ないか?。1960年頃に、小林旭が主演した「大平原の渡り鳥」というビデオを借りてきたのだ。ドラマの舞台が美幌峠・摩周湖・釧路ということで、約40年前の風景と現在とを見比べてみたかったし、中高生の頃は熱烈な小林旭のファンだったのである。当時、この映画を劇場で観ているが、スクリーン上の小林旭は独得のオーラを発ち、そりゃあーカッコよかったのだ。
 ところが、今日久々に画面で見る小林旭というのが、少年ぽさが残る20歳そこそこのアンちゃんだったので驚いた。そのアンちゃんが「俺は、人の指図は受けねえぜ」などといっぱしのセリフを連発するので、つい、吹き出してしまう。どうにも、無理がある。また、キャバレーにブラリと現われるや、頼まれもしないのに勝手にギターを弾いて歌い出すやら、笑いのオンパレードである。こんなはずではなかった。これでは、アクション映画というより、喜劇映画ではないか。この可笑しさというのも、デビュー間もない小林旭にそう演じさせた監督と映画会社のせいであるのだが・・・。
 それよりも、相手役の宍戸錠・悪党のボス金子信雄がいい味を出している。プロに徹した役作りをしているのだ。映画が進むにつれ、どうしても興味の対象が主役から脇役の方へと流れてしまったのである。
 やはり、年と共に映画の見方も変ってくるもので、若い時の感性なんぞというものは、あんまり信用できないものだ。


ランド駐車場からの眺め。旗はたなびき、カーニバルでも始まりそうな雰囲気じゃありませんか。



2005年9月23日

 8月にJR北海道の車内誌やNHKのテレビ等で、シゲチャンランドが紹介されてから、ランド前の国道を素通りしていた人達が来るようになってきた。それまで「赤い妙な建物があるけれど、一体何んなんだ??ウ散臭いし、怪しいところだ」と、気になりつつ素通りしていたが、ランド内の様子が分かり、興味を持ってくれたのだ。いくら怪しく見えても、決して人に危害を加えたり、ら致した上で海外に売り飛ばすような所ではないのだけれどもね。


コーヒーの缶詰めで作った太陽。ヘッドハウスには他にも太陽がいっぱいだ。ヤケドにご注意。



2005年9月29日

 夜寝る前、内田百聞の「第一阿房列車」を読んでいる。百聞は夏目漱石の門下で、頑固でヘソ曲がり、なおかつユーモアがありボクの好きな作家である。
 さして用事もないのに、汽車に乗って東京から大阪へ行こうと思い立つ。思い立ったのはよいが、肝心の旅費がない。そこで、知人に借りに行く。百聞はすでに名の通った作家のはずなのだが、いつも金が無く借金ばかりしている。生活に困窮した末での借金は辛いものだが、楽しみのために借りる金であるから気が楽であると、人を煙りに巻く。何とも図太いのだ。
 写真で見る百聞は、常に口をへの字に固く結んで、見る者を睨みつけるような仏頂面ばかりである。実は、40代から歯が抜け始めて、口の中はボロボロに折れた櫛のようであると、百聞自身がいろいろなところで書いている。だから、人の前では笑わない。笑えない。意外や、気取り屋で照れ屋なのである。そこが、書いている本の内容と相反して可愛いところで、そんな百聞が好きなのだ。
 しかしながら、笑顔の百聞というものも、一度見てみたいという気がする。


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