シゲチャン日誌・2005年7月

2005年7月4

 この時期は1年を通して、最も多くヘビの姿を目にする。ヘビを見つけると、ふと、子供のころ一緒に遊んだT雄のことが思い出されてくるのだ。ボクが小1の時、T雄は5年生であった。小学校の4学年上ともなると、ボクから見て身体も大きく、ずいぶん大人びて見えたものである。
 ある夏の日、T雄と近所のガキ共と連れだって川遊びをしての帰り道のことだった。突然T雄が畑の茂みから1メートルばかりもあるアオダイショウを素手で、ムンズ!と掴まえたかと思ったら、空中高く吊り上げて、ブルンブルンと円を描いて振り回したのである。
 「す・凄い!! 何んて奴だ!!」。その時、ボクに出来たことといえば、円を描いて回るヘビにぶつからないように遠巻きに見ているのが精一杯であった。その日を境に、T雄はボクのヒーローとなる。T雄のヒーロー伝説は続く。ヘビを首に巻いて歩き回るわ、ポケットにヘビを忍ばせて学校へ行くわと、制限なしのやりたい放題であった。
 又、ある夜。父親にしかられ、夜の夜中に家出し、山の中で一夜を過したこともある。T雄のやること成すこと全てが、ボクにとっては憧れであり、平凡な毎日に風穴を開け、未知の世界へと導く水先案内人であったのだ。その後のT雄は、何が原因かは知らないけれど50代の半ばで他界したと聞く。


ノーズランドの水飲み場に昼顔の花が咲く。じつにランド向きで、自然の造形力に驚く。



2005年7月7日

 今日は定休日なので、先月からバケツに水を張り、漂白剤に漬けておいたイルカの頭骸骨・豚らしき脊髄とアバラ骨を磨く。この豚らしき骨は今まで拾ってきたシカの骨に比べて大きくて太い立派なものである。いわゆる骨太だ。アバラ骨の何本かは血液が髄まで浸透していて、肉片も腐敗しているので、強烈な悪臭が鼻をつくが、そこは男の子。我慢をしてブラッシやナイフを使ってきれいにしてやる。ホームセンターや画材屋で、きれいな骨なぞ売ってはいないのだ。この苦行にも近い作業があるからこそ、何としてでも、これらの貴重な骨たちを無駄にはしたくないし、供養のごとき作品づくりへとつながっていくのである。




2005年7月17日

 暑い日が続く、したがってあまり食欲がわかない。けれども、ココ(カミさん)の作るソーメン・冷麦だけは食べたくなるのだ。これはオノロケではない。公正な判断であると断言できる。麺ツユがうまいのだ。具には豚肉のスライスとナスを油で炒めたのが入る。さっぱりとした麺に油がからむことで、味がまろやかになる。よくソバ屋で冷麦の中にスイカやキュウリを切ったものが入っているが、あれは、あまりにも淡白でさっぱりとし過ぎている。あの、甘いミカンも余分だ。薬味に、みょうが・大葉・山ワサビをざっくりと麺ツユにぶっ込む。これがうまくて、食後すぐ横になってしまうほど食べてしまう。


お盆の時期、この旗のもと「夏のシゲチャンクラブ」を開催し、来館者の8割ぐらいの人がピーナツマン作りでにぎわった。



2005年7月25日

 ココが、ランドにやってくるハシブトガラスの親子に餌付をしている。ココは生き物に餌を与えるのが人生最大の目的であるがごとく、何でもかんでも餌をやる。親ガラスはカン太で、子はカン助だ。このカン助「クッ・ワァ〜ン」と喉に金属の管を飲み込んだような不思議な鳴き方をする。これが面白い。


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