シゲチャン日誌・2005年1月

2005年1月3日

先日まで氷点下の真冬日が続き、今日はプラスの5度と暖かい。遅めの朝食を終え、腹ごなしのつもりでココ(カミさん)と木禽岳の麓まで散歩する。家から1キロほど行くと、昼なお暗いエゾ松林のトンネルが続く。このあたりから、今まで歩いてきたのどかな雪原の風景から一変し、深閑たる静寂が森や山全体を支配し、霊気さえ漂う森となる。この一帯は熊の通り道とも聞くが、いまは冬眠中であるから、まず、熊に出くわす心配はないけれど、いかなる獣が潜んでいたとしても不思議ではない。そんな空気感が張り詰めているのだ。しかし、このピリッ!!と身が引き締まるような緊張感が、たまらなく好きなのである。駆け引きだらけの世間から、時々ここにやってきて裸の生き物に帰る。0に、リセットする儀式がボクには必要なことなのだ。
大きく深呼吸をし、歩み始めると雪上には鹿や小動物の足跡がミシンの縫い目のように点々と続いている。
かつて、ここいらで何度か森の中を駆け抜けて行く鹿の群れに遭遇し、神々しいまでに神聖なるものを目撃してしまったのだという感動を覚えたことがある。
ところが、地元に住む人間の中には「おっ、うまそうな鹿だ」と反応する人間もいるのだから驚く。鹿を見た瞬間に「食べ物」と、とらえる回路なぞ持ち合せていなかったボクは、強烈なカルチャーショックを受け、思わず立ち暗みを覚えたほどである。いやーまだまだ世の中は広い。


2005年1月20日

ラジオから、ココの大好きな歌手・嶋三喜夫が歌う「おふくろの海」が流れてくる。サバ(飼いネコ)は、ココのヒザの上で眠りこけている。
「♪俺が〜」と始まると、それに合せてココも「♪俺が〜」と続く。すると、サバは反射的にココのヒザから飛び降り、鳴きながら部屋中をグルグル回り出す。あきらかにココの歌声にイラ立っているのだ。それが面白くて、ココはどんどん声を張り上げていく。そのうちに、怒り狂ったサバの逆襲が始まるのだ。恐ろしいくらいの形相で、ココの顔をめがけて飛びつき、噛みつきにかかるのである。それが歌うのを止めるまで続くのだ。歌が終わると、何事もなかったように再びココのヒザの上で眠り出す。そんなやりとりが、この一週間ばかり毎晩のように続いているのである。


サバ

カメラを向けると、すぐさまポーズをとるサバ。口のまわりが黒くて、これがチャームポイント。



2005年1月27日

続いてサバの話。昨年の冬までは、鎖につながれながらも雪の中を散歩するのが日課となっていたサバであるが、今年に入ってからあまり外に出たがらない。「寒い!!」というのだ。ネコだから「寒い!!」と喋りはしないが態度で分かるのだ。我家の庭には売るほど小鳥やリスなどがやってくる。これが、サバにはたまらないわけで、とにかく外へ出たくて出たくてしようがなかった。で、鎖につないで外に出るようになったのだが、ネコに付き人までいるのだから小鳥など警戒して近寄ってくるはずがない。これじゃ、さすがのサバも「何だ、バカバカしい」と、昨年の冬に悟ったのだろう。
やはり、好奇心よりも、冬は寒いのだと気づくまで、サバが成長したという証明なのか。


巨大なシゲドン

前回で紹介し、完成した恐竜「シゲドン」。今春ランドの駐車場に出現。体長12メートルとこれまでで最大の作品である。




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