シゲチャン日誌・2005年4月

2005年4月5日

 啓蟄と書いて「けいちつ」と読む。このことを辞書を引いて知る。冬ごもりしていた虫たちが春になり、地面にはい出してくるとの意味である。
 家の回りの雪が解け出して点々と黒い土が顔を出し始め、ランドの館内では、チョウが舞い飛び、小さなクモがはいずり回っている。さまざまな生命が動き出し、待ちかねた春の到来である。買い物のため北見市に向かう道すがら、ほうぼうの庭先や道端で近所のオバさんたちが笑顔で立ち話をしている姿を目にする。真冬に見られなかった光景である。まあ、凍てつく寒空の中、あまり戸外で立ち話をする気にもならないだろうが。全身に春の日差しを浴びたオバさんたちの表情は底抜けに明るく、笑う口元の入れ歯さえ日光を反射させて光り輝き、それはそれはまばゆいばかりである。北見市内に入れば、普段に比べて人と車の多いこと多いこと。店内も道も、人・人・人でごった返している。やはり、人間も虫たちと同じく、この陽気に誘われて家の中からモゾモゾとはいずり出てきたのだろう。啓蟄である。


トタン絵の壁掛け

着色した板にトタン板を切り抜いた作品。20数点のバリエーションがあり、限定販売しています。



2005年4月9日

 サバ(飼い猫)と散歩していて、作業場の軒下の壁が2カ所ぽっかりと穴が開いているのを発見する。ついに、やられたのだ。この冬、作業場で机に向かっていた時に、何物かが外壁を激しく突っつく音がしたので、その壁のあたりをドン!ドン!と叩いたところ、窓辺を黒い影が横切る。アカゲラであった。
 いま住んでいる一帯は、別荘地として利用している家が何軒かあり、年間を通して留守がちとなる。ココ(カミさん)から聞いた話では、そのうちの一軒が、軒先にアカゲラが穴を開けて巣を作り、数匹のヒナを育てていたというのだ。と、いうことは、今現在の家主はアカゲラ一家ということになる。いやはや、持ち主には気の毒な話である。この作業場も奴らに乗っ取られてしまう前に穴をふさいでしまわなければならない。しかしながら、奴らのくちばしの威力には驚くばかりであるが、あんなに激しく木や壁をど突いて脳震盪など起こさないものなのだろうか?


2005年4月22日

 「春だ。春だ」と、喜んでいた矢先、ドカッ!!と大雪が降り、再び真白の銀世界に逆戻りしてしまった。やはり、9年前の5月に東京からこの相生に越してきた数日後の朝、目覚めて窓のカーテンを開けてみて驚いた。昨日までの穏やかな春の景色から一変、一面の銀世界へと様変わりしていたのである。「これは、天変地異か?幻か?」と我が目を疑ったほどだ。このように、北海道の気候は「5月だ。春だ」と浮かれていると、とんでもないしっぺ返しがあるので安心はできない。


駐車場入口のモニュメント

駐車場内に作り始めたヤグラのようなモニュメント。高さは5メートルほどあり、これが6分程度の仕上がりで、これからが本番である。



2005年4月28日

 シゲチャンランドを始めて5周年目に入る。ランドのオヤジとして、キップのもぎり、お客への対応などにも、だいぶ慣れてきて余裕も出てきた。作品を作る時間が冬期休館中だけではもの足りなくなってきたので、今年からランドのオープン時にも制作することにする。第一弾として、駐車場に祭りのヤグラのようなモニュメントを作ることに決定。高さは5メートルほどか。さあー何でもかんでも飾り付けてやるのだ。もうー爆発だあー。



LAND TOP