シゲチャン日誌・2004年10月

2004年10月3日

今日、ランドに入館するやいなや、ほんの数分たらずで泣きながら帰ってしまった男の子がいた。時々いるんだよね。ランドで泣いちゃう子が。ランドの怪しい雰囲気と、流木で作った巨大な生き物たちが、たまらなく恐いらしいのだ。泣いてしまうというのは、まっとうな反応であると思うし、作者であるボクにとっては、このリアクションが嬉しいのだ。「子供を恐がらせて何が面白いのだ」というご意見もあろうが、その子にとって、今までに見たこともない未知なるエネルギーを秘めた生き物たちと、真正面から向き合ってくれたのだ。そこが嬉しいのである。
あの子が10年20年後に、再びランドを訪れた時、あの生き物たちに対して、どのような感慨を持って向い合うのであろうか。そういう長い目でランドを体験してもらえれば幸いであると、オジさんは思うのである。


ノーズハウス内

このノーズハウスで泣いちゃう子が多い。のどかな田園風景をドライブしてきて、いきなりこの異空間に放り込まれたならば、そりゃービビる。



2004年10月14日

わけあって、11・12日の両日ランドを臨時休業する。羅臼で一泊し、知床峠を越え、宇登呂まわりで帰ってきた。帰った翌日から3日間の定休日となるので、5連休となる。
ココ(カミさん)は「5日も休むと、もうーランドが終ったみたいだなぁ」と実に嬉しそうである。「オイ・オイ!!そ〜は、イカの金玉だ」。ランドの最終日まであと2週間はあるというのに、ココは全く気が早い。しかしながら、ランドはよく休むし、定休日も多いと思うが、2人にとって反省するという2文字はない。


2004年10月16日

耳ハウスのひょうたん親父たちの様子を見に行ったらば、数体のひょうたん親父のヒゲが灰色となっていて、「ひょうたんジジィ」になっていた。作って2年ほどで、親父からジジィになってしまうとは・・・ひょうたん世界は猛烈なスピードで老化が進むらしい。それは冗談である。実は、ヒゲの部分はカラスの羽根で出来ていて、その羽根に直射日光が当たり、日焼けし退色してしまったのである。日光というものは凄い。これにはちょっと驚いてしまった。なのに、直射日光を思うぞんぶん浴びているカラスで、灰色のカラスというのは見たことがない。これは日焼けしてしまう前に羽根が脱け変わってしまうからなのか。見てみたいものだ、灰色のカラスを。


パッカン

こいつをパッカンと命名する。制作している時は名前などつけないが、今この写真を見ていて浮かんできたのだ。



2004年10月22日

津別町主催の「ウッドクラフト展」の審査会があり、今回は審査員の一人として末席に加わることとなった。ボクが選んでしまう作品は、稚拙であろうが「こんな物を作ってみたかったんだ」という衝動にかられて作ったものに目が奪われてしまうのだ。きれいに、上手に見せようという邪心に満ちたものには、ケッと思ってしまう。そりゃーきれいに仕上げるというのは大事だ。それは間違いない。ところが、技術が目立っちゃいけない。技術は作るもののイメージにより近づけるための手段であるからだ。主客転倒は困るのである。
しかしながら審査にあたって、技術は目に見えるから分かりやすいが、衝動・思いは見えないから難しい。まぁー審査員が何を選ぶかは、逆に応募者から審査されているのだという事実だけは、はっきりしている。



LAND TOP