シゲチャン日誌・2004年8月

2004年8月3日

かねてより建設中であった函館大谷学園講堂が完成間近かとなり、ひょうたん野郎ほか3点の作品を設置するため函館へ行く。女満別空港に出発時刻の40分前にチェック・インしたのだが、函館からの到着便が大幅に遅れ、女満別から飛行機が飛び立ったのは、出発予定時刻から1時間半後のことであった。
「何んてこったい!!」結局2時間も空港内で足止めを食ってしまったのである。
べらぼうに高い航空代に反し、航空会社の乗客に対する配慮というものが極めて低い。今回のように到着便が遅れるということは、数時間も前に分かっていることである。ならば、その時点で航空会社は早急に乗客に対して、遅れるなら遅れると、電話一本ぐらい入れてもいいじゃあないか。何のために電話番号を教えてあるのだろう。空港内で何時間も待たされるなんぞ、楽しくも可笑しくもない。

CDジャケットの作品

かつて爆風スランプという人気バンドがあった。そのCDで使用された作品。ヘッドハウスに展示しています。



2004年8月4日

めったに函館まで来ることもないので、作家の山口瞳が生前に函館へ来れば必ず立ち寄ったという馴染みの店に行ってみたいものだ。このところ立て続けに彼の本を読み漁っていたので、ボクの中で山口瞳が充満していたのである。
著書「行きつけの店」の中で「富茂登」という料亭が写真入りで紹介されている。函館山の麓だから「富茂登」である。 その料亭へ行ってみたいと、今回の仕事で一緒になったアート・ディレクターのT田さんに話しをしたところ、しっかり下調べをしてくれたので、いそいそと二人で行くこととなった。
写真の中で、山口瞳が座ったカウンター席はすでに先客がおり、仕方なく少しでも近い方の席につく。「んーここで、あの山口瞳が、イカの糸造りなど食べたりしたのか」。と、ぐるりと店内を見回して、イカの沖漬け・このわたなどを食べる。次は五稜郭の近くにあるバー「シャッポ」へ移動し、「んーここで、サントリーウィスキーを飲んだのかぁ」と、すっかりお上りさん気分である。
これらの店々で、生前の山口瞳がカウンターに座っては、店の人たちと交わしたであろう会話や立ち振る舞いなぞを、あれこれと想像してみる。そして今となっては、当然消え去っているはずの残り香を求めて函館の夜は更けていくのであった。


ロモで撮った写真

ランド内からチケットハウスをのぞむ。この写真はロシア製のトイカメラ「ロモ」にボクの手製フィルター「スペシャルNO.2」で撮影したもの。



2004年8月18日

今日で58歳になる。赤いチャンチャンコなど恥かしくて着るつもりはないが、還暦も近い。くるものは、くるものだ。
それはさておき、一週間分の買い出しを終えて夜遅く相生の高台を通ると、あたり一面は満点の星空で、天の川が横たわっていた。この高台は星の観察には最高のスポットで、天体について色々と知ることが出来た。天の川は七夕の時に限り、その姿を表わすものだとばかり思っていたが、晴れていれば年中見ることが出来る。それから、満月は中秋の名月といわれるように、秋に一度だけ顔を出すもんだと思っていたけれど、これが毎月満月となる。これらの事実を、この高台で目のあたりにして驚いた。
「あーぁ、何んたる無恥さかげんであろうか」。さぞかし、お月さんも声を立てて笑いこけたことであろう。

LAND TOP