シゲチャン日誌・2004年4月

2004年4月1日

美術雑誌「プリンツ21」夏号が送られてきた。写真家の蜷川実花さんの特集が組まれていて、花・金魚・ファッション写真などの蜷川極彩色ワールド。その中に潜む怪しさが受けて、今や広告界・音楽界・ファッション界でひっぱりだこの写真家である。
さて、後半のページには2年前にNHK教育テレビ「美と出会う」で、シゲチャンランドを取材にきてくれた都築響一さんが連載している「都築響一はぐれ美術館」で再び当ランドを紹介してくれている。前号は山下清の「放浪美術館」であった。
このタイトル「はぐれ美術館」とは、あまりにも当ランドにはまり過ぎていて、グウの音もでない。東京からずいぶん遠くまで離れちゃったし、網走管内でも最南端の建物であるし、作るものさえ時代からはずれて、はぐれっぱなしである。まあ、これがボクの人生か。


ネイルハウス

今春ランドに加わった展示館「爪」ネイルハウス。小さいけれど設置してみるとランドの風景にメリハリができた。



2004年4月6日

ココ(カミさん)がナイフを使って木を削る日々が続き、ついに腱鞘炎となる。小指にビリーッ!!と痛みが走るという。ココがいくら木を削るのが好きだからといって、腱鞘炎になるほどまで、ただやみくもに木を削っていたわけではない。5月1日のランドオープンにむけて販売用の雑貨類を制作しているのである。
さて、ボクも明日から小屋作りに入る。冬の間に、また骨の作品が完成したので、これらを展示するハウスが必要となったのだ。このハウス名を「爪」ネイル・ハウスと決定し、これでランドは11棟目のハウスということになる。作るのは楽しいけれど、また掃除をし、管理するところが増えたということだけれどもね。


2004年4月21

1月の大雪で、ランド内にある倉庫の梁3本が折れ、屋根がスリ鉢のようにへこんでしまった。とりあえずの応急処置として、つっかえ棒をしておいたのだが・・・。今日ようすを見に行って驚いた。今朝方からの強風と突風にあおられて、屋根全体がファ〜ッ・ファ〜ッと浮いているではないか。屋根の大きさは40畳ほどあり、かなりの重量である。それが浮くとは・・・信じられん。
「このままでは、大凧となって空高く飛んでいってしまうのではないか」と思ったら、さすがに全身の血の気がザーッと引き、オロオロするばかりであった。
ところが、強い突風が倉庫内に繰り返し吹き込むうちに、「何と!!」へこんでいた屋根が少しずつ持ち上がっていくではないか。これ幸いと折れた梁のところに何本かつっかえ棒を立てたところ、屋根の重みでガッツリ!!と納まったのである。「ム・・・まさしく神風が吹いたのだ」。恐るべき風の力。

ネイルハウスの住人

「爪」にいるトホホな奴。しかし、コイツを作る時にはかなり苦しめられた。手強かった。


2004年4月24

夜間、津別から相生に抜ける山合いの道でエゾタヌキをよく見かける。いつも雄雌の2匹連れである。車のヘッドライトに驚いて逃げ回るのであるが、なんせズン胴の身体に短い手足。動きは決して機敏とはいえず、あくまでもト・ロ・イ。その2匹並んでドボ・ドボと走り去る後姿に哀愁と愛敬があって、たまらなく好きなのである。



LAND TOP