2003年9月1日
「キョッ!キョッ!キョッ!」と高く鋭い鳴き声をあげて、アカゲラがチケットハウスの横に立っている電柱にやってきて、水銀灯のあたりをグルグル回っている。しばらく見ていると、一匹の蛾が飛び立った。暗くなると自動的に水銀灯がつき、明かりに釣られて蛾が集まってくる。それほど明るい光が好きなら昼間に動き回るかといえば、見かけたためしはない。なんとも不可解なやつらである。
夜があけて明るくなってくると、動かなくなり、水銀灯や電柱にじーっとへばりついている。そこを狙ってアカゲラが、あの長いくちばしでドン・ドンと突いて食べてしまう。日中の外灯まわりは、アカゲラにとって絶好のエサ場となっているようだ。
2003年9月2日
今日はランドに来てくれる客の出足が遅い。午後からか・・・。する事もないので木陰に椅子を持ち出して腰をかける。空はどこまでも青く澄みわたり、白い絵の具をハケでサーッと引いたようなすじ雲が流れていく。上空は風が強いようだ。
このすじ雲が流れている空が、ボクは一番好きだ。気持ちがスキッとして、身も心も洗ってくれるような気がするし、この雲の彼方にはボクの知らない未知なるものがあるような気がして、ついつい雲の流れに目が奪われて見入ってしまう。国道沿いのクルミの木が黄色く色づきはじめ、秋風に静かに揺れている。イイなぁ・・・。
近ごろ、とみにこのような風景の中に身をおいているだけで、無性に幸福感で満たされてきて、胸が熱くなってくる。
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ライトハンドハウス壁面のタレ幕。骨の作品をシルエットで描き上げた。 |
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2003年9月4日
今朝はグッと気温が下がって5度。霜も降りたことだろう。気温の寒暖差が激しければ激しいほど紅葉が一気に進む。ランドのチケットハウスから見える山々も、めっきりと秋が深まりつつある。夏場の山々は、濃淡の差こそあれど、まぁ、緑一色である。ところが秋ともなると、それぞれの木々が色づきはじめる。モグラ叩きゲームのごとく、緑の中から赤や黄色がポコッ・ポコッと顔を出しては、「オレだ、オレだ」と存在を主張する。その色づき方で遠目からでも何の木なのかが識別することができる。それはそれは賑やかなもので、大声を張り上げて歌っているかのようであり、色を競い合っているかのようでもある。
この山々も、あと一ヶ月ほどで葉を落として茶色の山へと姿を変える。そして、雪が降り白い衣を身にまとって冬となる。山は生きている。
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ボーンハウスに足を踏み入れると、中央にこの作品がある。反応は拒否派と感動派とに分かれるようだ。 |
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