シゲチャン日誌・2003年7月

2003年7月1日

ランド内にある倉庫で生まれた4羽のセキレイが成長し、長いシッポを上下に振り振り駐車場を歩き回っている。リズミカルにシッポを振って歩く姿に見覚えがある。ニューヨークに住んでいたころ、かなり多くの黒人の若者が似たような歩き方をしていたのだ。腰を突き出し、ヒザにバネが入っているのじゃないか、と思うほどカクン・カクンとリズミカルに歩く。当時の流行りだったのか、それとも黒人特有のリズムなのかは分からないが、面白い歩き方だった。
先月の初めに、ココ(カミさん)が倉庫の中でセキレイの母親が卵を抱いているのを発見し、まもなくポヤポヤ産毛のヒナ4羽が生まれた。用心深くそーっとのぞきに行くのだが、ちょっとした物音にもヒナたちは親鳥がエサを運んできたものと勘違いして、内臓が見えるほど、パカーンと4個の口が開く。これが可笑しくて、ついついのぞきに行く。2、3週間ほどで親鳥と見分けがつかないほど成長する。この時期を待っていたかのように、セキレイのエサとなるさまざまな虫が発生する。エサの少ない冬に生まれる鳥はいないだろう。自然界というものは、実にうまい具合になっているものである。

長靴くん

水がしみ込むので捨てようと思ったゴム長靴に、ハサミで目と口を切ってみたら・・・また、こんな大バカ野郎が出来ました。


2003年7月14日

人の手が入っていない自然のままの森や草むらを見てみると、多くのことを気づかせてくれる。
両雄並び立たずのたとえどおり、大木のすぐ隣りに同じ種類の大木は育たない。大木の日陰となる隣りに育つ木は、太陽の日射しを浴びようとネジれたり、枝ぶりも弱々しく、大木のような力強さには欠けてしまう。大木の日陰になりながらも、元気に育つ木があるとしたら、日射しをさほど必要としない異なる種類の木である。
また、草花も同様に、数センチ単位で太陽の当たり方と土壌の微妙なブレンドによって、多種多様の草花が混じりあって草むらが形成される。一面に同じ種類の草花が咲きほこっているというのは、人の手がほどこされているからだ。
このように森や草花を見てみると、ナルホド!と感心するばかりであるが、少なくとも人間社会に見られるような、上っ面だけみな平等という建て前だけは通用しないようだ。


2003年7月26日

写真家の藤井保さんが、道内をキャンピング・カーで撮影旅行中に立ち寄ってくれる。シゲチャンランドのポストカードや写真集を撮影してくれた人で、シュワルツェネッガーが出演したカップヌードル・JR東日本・サントリーのウーロン茶のテレビコマーシャルも手がけているので、彼の作品を目にしている方も多いはずである。
先日、こんな仕事をしましたと、無印良品のパンフレットを送ってきてくれたのだが、封を開けて息をのみ込んだ。ボリビアで撮影したという広大な塩湖・モンゴルの大草原などなど、めまいがするほど美しい写真の連続である。これ以上の説明はできない。ただ、言えることは、写真家藤井保が、目の前にある対象物をギリ・ギリのところまで切りつめて、全身の神経をシャッターを切るためだけに生きてきた男なのではないか、ということである。
ボクも写真を撮ることに、少しばかり自信を持ちはじめていた時だけに、頭をハンマーで思いきり殴られたような衝撃を受ける。「大西さん、写真の方は趣味の範囲で止めときなさい!」とそれらの写真が、あざ笑っているかのようであった。

イヤーハウス

8月2日にオープンしたイヤーハウス(耳)。
中央のガラスケースに130体のひょうたん野郎が展示されている。
広々とした草原の中で大バカ野郎たちは満足げである。


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