シゲチャン日誌・2003年2月

2003年2月5日

ジャズミュージシャンの香取良彦さんから電話があり、嬉しい話が舞い込んできた。いま、新しいCDを出すために準備中で、ジャケットにボクの作品を使わせてもらえないかという相談と、2年前にシゲチャンランドを訪れた時にインスピレーションが沸いて、「シゲチャンの夢」という曲ができたので、今回のアルバムに入れたいとのことである。
そういえば、ランド内を案内している時、作品の前に立ちどまっては、「おー、曲が・・・メロディが浮かんでくるー」と香取さんが言っているのを耳にしていたが、まさか現実に作品として定着されようとは、夢にも思っていなかった。今回のアルバムは南米・アフリカのリズムをスパイスに、ライブで道東を回った時に浮かんだ曲も何曲か含まれているという。
アルバムのタイトルは「ピエサス・ワン」だ。

Piezas 1

「ピエサス・ワン」のCDジャケット。
ボーカルで参加しているエポさんの歌声がここちよい。
5月1日のランドオープン時からココハウスでも販売することになりました。


2003年2月11日

今日は祝日で天気もいいので、網走水族館に行く。水族館は昨年の夏に閉館したと聞くが、水面から頭を出して、うなだれ、目を閉じてプカ・プカと揺れていた、あのアザラシは一体どうなったのだろうか。
到着してみると入り口には閉館を知らせる看板がポツンと立っていた。柵をよじ登って館内をのぞきこんでみたら、プールの中はもぬけのカラであった。どこぞにいい引き取り先はあったのだろうか。それともオホーツク海にでも帰されてしまったのだろうか。きっと、今ごろどこかで、例によってプカ・プカと浮んで揺れているんだろうな・・・。何とも気になる奴である。


2003年2月17日

バタヤン、田端義夫である。あのボロッちいギターを抱えて登場するや「オーッス」とやるあの歌手のことだ。すでに80歳を越えているはずであるが、いまだに新曲を出し続けているという現役のバリバリなのだ。尊敬してしまう。ボクの中で勝手に「先生」と呼ばせてもらうのは、世の中広しといえども、田端義夫ただひとりである。
いつだったか、ラジオの公開放送で聞き覚えのある歌声が流れてきて「ン?田端義夫か!?」と耳を疑ったのだが、当人であった。往年の声のはりはなく、サビのところが苦しそうで危なっかしい。しかし・・・泣かせるのだ。いいのだ。「♪未来(ゆめ)を語ろう〜」と歌うのだ。80歳を越えてなお、未来を語ろうとはしぶとい人だ。昨今の暗い世相をいいことに、ウケ狙いの若者や中年の歌手が、夢だの未来だの希望だのと歌っているのとは、わけが違うのだ。見えすいていてシャラクサイ。この年でなければ歌えない歌があり、説得力があるのだ。
今日も凍りつく寒さの中、作業場ではバタヤンの熱い歌声が流れている。

雪の中のランド看板

雪に埋もれたシゲチャンランドのゲート。
吹雪に耐え、寒さに屈することなくたたずむ姿が頼もしい。
春はもうすぐだ。


2003年2月28日

パジャマから作業着に着替えはじめると、それが合図と思っているのか、サバ(飼いネコ)は散歩に行こうとまとわりつく。外で放し飼いにすれば小鳥やリスたちが、やってこなくなる。春になれば家の回りにある森はツチダニの天国である。ネコというのは自分の要求を絶対に通すガンコ者で、とにかく要求が満たされるまで鳴き続ける。あまりにもうるさいので根負けし、双方の妥協案として、鎖につないで外に連れ出すことになったのだ。まぁ、雪道を鎖につないでネコの散歩というのも妙であるが、いたしかたない。


LAND TOP