シゲチャン日誌・2003年4月

2003年4月2日

先週、母屋の屋根に積もっていた雪が、すっかり落ちて、トタン屋根はうららかな春の日差しを浴びている。我家は森に囲まれているので雪の解け方が、このあたりで一番遅い。毎年のことなのだが、この屋根からの落雪は何度見ても飽きない。まず、ゆるみ出すと、ビシッ・ビシッ・ビシッ!!と音をたてて、家がきしむ。ここから一大イベントの幕開けで、高さ6.7メートルの高さから落ちるさまは、圧巻である。ナイアガラの滝のごとく大量の雪がつづけざまに落ちてくる。その風圧と飛び散る雪が、対面にある作業場の窓ガラスを粉々にしてしまうのでは、と心配するぐらい凄い。全ての雪をふるい落とした屋根は、無事、出産を終えた母親のように、晴れ晴れしく、実にさっぱりしたようすである。


ココハウス内

ランド内ココハウス。今年はココの貝と毛皮で作ったアクセサリーを中心に、ボクの作品集などを販売している。


2003年4月10日

朝、ラジオを聞いていると写真家のアラーキーこと荒木経惟さんがゲスト出演をしていた。この人は写真が好きで好きでしようがない、というのが話しぶりでありありと伝わってくる。しかし、次から次と新しいテーマを探しては精力的に写真を撮る人である。
30代のある日、ボクが東京の麻布あたりをバイクで走っていたら、通りすがりの彼にカメラを向けられてシャッターを切られた経験がある。その後も、展覧会場や深夜の飲み屋でと、何度か姿を見かけているが、いつも必ず首からカメラをぶらさげていて、おもむろにシャッターを切ったりしている。写真、写真、写真の人である。
若いころ、彼のエロい写真しか見ていなくて、どちらかというと嫌いなタイプの写真家だった。ところが、色々と最近までの作品を通して見てみると、いい写真がたくさんあるのだ。その時、その時の好き嫌いだけで人を評価してしまうのはイカンね。大きく全体を通して見た時に、その人となり、追求していた「まなざし」というものが浮かび上がってくることも、多々あるのだ。反省、反省。


2003年4月20日

この冬からランド内の雪かきをやめることにした。4月の中ほどには、あとかたもなく消えてしまうし、降るたびに2日も雪かきに時間がとられるのはもったいない。各展示館の入口だけをスコップではねて、スキーで見回るのが一番手っ取り早くて、手軽である。2週間前から、見る見る雪は解けだし、スキー板から長靴へ、そして、今日はワーキングブーツと、足元もどんどん身軽になってきた。

PMF用の作品

ヘッドハウスに展示されている作品。札幌で行われるPMF用に制作したもの。


2003年4月25日

ナイロン製で内側がメッシュのパンツを、最近重宝している。作業の時に木クズやゴミがつかないし、春先、秋口は暖かい。スペアにもう一本欲しくて、店を探し回るのだが、丈が長いのだ。長すぎる。若者向けということなのだろうが・・・。ボクの足は決して短いとは思っていない。スソ直しを頼むが、メッシュは仕上がりが難しいといって、ことごとく断られてしまうのだ。クヤシイ。
だいたい最近の若者はどんどん背が伸びて、足が長すぎる。時代と逆行している。西洋人もしかり。これは進化なんてものじゃない、退化だ。電化製品などは、小型化して、コンパクトになっているというのに、「なぜ逆らう!!」。これからの人類は、30センチぐらいの身長が理想であろう。着るものだって少量の布ですむし、食事だってオチョコ一杯で満腹だ。6畳ほどの部屋でも走り回れるほど広い。限られた資源は大切に使いたいものである。


LAND TOP