シゲチャン日誌・2002年10月

2002年10月6日

9月末から テントウ虫が連日のごとく異常発生し続け、ランドはテントウ虫に占領されてしまった。
ランドの向かいにある山や森から次々と発生し、ひと冬越すためとランドめがけて吹雪のごとく飛来してくるのだ。住みつかれたらたまらない。ランドはテントウ虫の展示館ではないのだ。
殺虫剤を吹きかけ、掃除機まで買って吸い取りまくるのだが、何せ追いつかない。退治と掃除は深夜近くまで及び、悔しいかな先週の土曜日は臨時休業するしかなかった。ついには、夢にまでテントウ虫が出てくる始末で、寝ても覚めてもテントウ虫である。退治と掃除に疲れ果てて、さあ!帰ろうかと見上げた夜空の星が・・・「イカン!!」テントウ虫の大群に見えてくる。どうやら脳までどっぷりテントウ虫に占領されてしまったらしい。

2002年10月9日

道立釧路芸術館で「ミュージアム子どもフェスタ」という催し物があり、その中で11月4日に講師として招かれている。根室釧路管内の子供たちと流木やコルクを使いある生き物を作り、建物の中に飾り付け、参加者みんなのワンダーランドを作ろうということである。
その打ち合わせと会場の下見をかねて釧路に向かう。阿寒湖畔を抜けると荒涼とした大地が続き、澄み切った初冬の青空が気持を爽快にさせてくれる。「ウン!今日はテントウ虫を忘れることができそうだナ」釧路芸術館につき、学芸員の五十嵐さんに会場を案内してもらってから当日の打ち合わせを済ませる。さて、これで相生に帰るのかといえば、目の前に広がる太平洋を臨んで、おずおずと帰ってしまうシゲチャンとココ(カミさん)ではないのだ。二人を太平洋の流木が呼んでいる。


ノーズハウスと青空

ランド内、ノーズハウスの入り口。ここは日本でしょうか?チベット?われながら国籍不明のいい感じだと思う。



2002年10月21日

朝、ベランダに置いてあるリスや小鳥用の水皿は薄氷が張っていた。棚にからむブドウの葉は、紙をクシャクシャと丸めたように縮み、風もないのにタモの木からは葉っぱがハラリと落ちていく。冷え込んだな・・・。
8月ぐらいから姿を見せていなかったエゾリスがやってきた。耳毛がずいぶん延びている。庭にあるテーブルにはクルミの実やヒマワリの種を置いてあるのだが。一口くわえては、一目散に太くて暖かそうなしっぽをなびかせながら、四方八方に飛んで行き、貯食のために土の中に埋めては、テーブルの上に戻ってくる。いよいよエゾリスも冬の準備に大忙しである。埋めた場所を全て憶えているかというと、そうでもなく、春先にはヒマワリの芽がとんでもないところに発芽しているところをみると、もの覚えはかなり悪そうである。


マラカス野郎
ヘッドハウスの楽隊が勢揃いする一番先頭で、やたら陽気にはしゃいでいるマラカス野郎


2002年10月28日

いよいよランドも明日が最終日である。来年はひょうたん100体ぐらいが住む小屋を建設するのと、骨を素材とした小屋を作る予定でいる。
この骨なのだが、家の近くで拾ったシカの骨や海で拾ったアザラシ、カモメ等々の骨が相当たまり、どう扱っていいものかと5年ばかり考えてきたが、やっと骨のほうから「そろそろ作ってもいいよ」と答が返ってきた。やはり、流木の次は骨なのだな。美しいし、機能としてこれ以上に完璧なものはないだろう。この手強い骨をさけて通ることはできない。「何とかしたい!!」という、物を作る者としてのエゴとサガが頭を持ち上げてくるのだ。

LAND TOP