シゲチャン日誌・2002年11月

2002年11月1日

道立釧路芸術館で行われる「ミュージアム子どもフェスタ」のための下準備に取りかかる。抽選で選ばれた子供23名と、その保護者10名が参加することになっている。今日は美術梱包用の木枠を再利用して、建物のベースを作ることにする。
ランドをオープンしていた半年というものは本格的な作業らしい作業ができずにいたが、ひさしぶりに金ヅチやノコギリを手にして、トン・トンと釘を打ち、ギコ・ギコと板を切り始めると、眠りかけていた全身の細胞が活性化してきて、何ともウキウキしてくる。「いいリズムだ!!やはり、こうでなくっちゃ」やっぱり、何か作っている時が、一番充実するのだ。



レフトハンドハウスのタレ幕

今回、日誌でも書いたレフトハンドハウスに張ってあったタレ幕。
2年間、風雨にさらされていたので退色し、ところどころ破れていた。



2002年11月8日

留守番電話の調子がおかしくなってきたので北見にある大型電気店に行く。売り場に立って驚いた。デザインが妙に丸っこくて、色といえば淡いピンクだの、パールカラーという歯の浮きそうな甘ったるい色づかいのものばかりである。7年ほど前に買った、シンプルでモノトーンの落ち着いたものから程遠く、オモチャ屋にありそうな幼児向けのゲーム機みたいなものばかりだ。おまけに液晶モニターや、何だか分からない機能がゴチャ、ゴチャついている。戦後の少年マンガの付録じゃあるまいし、盛りだくさんついていれば嬉しがるとでもいうのだろうか。電話ごときで、こんなにも頑張って欲しくないものだ。
ゲーム機が出て、携帯電話が幅をきかすようになったあたりから、電化製品のデザインが、どんどんおかしな方向に突き進んでしまったようである。腹が立ってくるなぁー。オジサンは許せない。

2002年11月18日

東京の築地にあるパレットクラブでイラストレーションの講義を終えて、昨日の最終便で帰ってきた。
4日ほど家をあけたわけだが、家の前の灰色だった十字路には、カラ松が落葉して、黄金色の十字架となっていた。あまりのあざやかさに、しばし見とれる。
サバ(飼いネコ)を鎖につないで家の回りを散歩させるというのが日課となって久しいが、今日は雨が降っているので、連れ出すことができない。抱き上げて「サバ、今日の散歩はダメだなぁ」となだめるのだけれども、一度ついた習慣は徹底的に繰り返す性分なので、イラつきだし、左右の手首から血が出るほど噛みつかれてしまった。上京する前から比べて噛み方が相当強くなったようである。
ネコも樹々も生命あるもの、わずかながらも、その姿、形を変えて、日々は流れて行く。


ライトハンドハウスの扉

ライトハンドハウスのドア。回りに靴底を貼り付けてある。
ふだん靴の底を観察することはあまりないと思うが、実にさまざまな表情がある。



2002年11月31日

今、ランドのレフトハンドハウスの外壁に張ってあったタレ幕の破れたところを、一針一針縫い終えて一息ついたところだ。ランド内の各展示館に張りめぐらし、ハタめいていた色とりどりの旗も、今は作業場のダンボール箱に納まっている。
ボクには、どうも理解できないでいるのだが、この旗がハタめくさまを見て、無気味で怪しく感じるのか?、入口で逃げるように帰ってしまう人がいる。まだまだ派手さが足りないのかもしれない。人を迎えるというサービスが足りないのかもしれん。来年はもっと、もっと激しく飾り立てることにしよう・・・。フッ、フッ、フ。

LAND TOP