シゲチャン日誌・2002年5月

2002年5月6日

頭の中がカメラのことでグツ・グツと発酵している。仕事で作品を撮影する必要にせまられてカメラをはじめたのだが、使い慣れてくるとカメラ史上に残る名機といわれるカメラに目が向くようになってくる。ここから先にはマニアックな、ヤバイ世界がパックリと口を開けて「こっち、こっちへおいで・・・」と手招きして待ち受けているのである。
カメラ雑誌、カタログを取り付かれたように読みはじめたら、もう魔界に片足をふみ込んだようなもので、トイレに行くにも雑誌を持って入り、寝起きでも知らず知らずのうちにカタログに手が伸びている。最近は機械まかせのオートフォーカス、デジタルカメラが全盛であるが、今欲しいカメラはピント、露出も本人次第というマニュアル一眼レフカメラで、ボディが金属製のどっしりとして重厚感があり、使い込むうちに塗装がはがれて味が出てくる、そんなカメラにジ〜ンとしてしまうのだ。
ここまでくると写真を撮る道具というものから離れてしまって、メカそのものへの愛ではないか?邪道ではないかと自問自答を繰り返すのだが、いつのまにかカメラ雑誌を開いてしまう自分がいる。

チケットハウスの前で

ランド入口のチケットハウス。
ひょうたん野郎がお客さんを迎える。
ここでキップをもぎりながら、最近はちあきなおみの
CDを聞いている。

2002年5月11日

だんだん日中も暖かくなってきて、これからは虫たちとの戦いが始まる。先頭をきってカメ虫、テントウ虫。2、3匹ぐらいが展示物とからむのはきれいだし、愛嬌もあるのだが、量が半端ではない。相生じゅうの虫たちがランドに集まってくるのではないかと思われるほどである。次にクモ、チョウ、カ、バッタと出番を待っているのだ。これから先ランドをオープンし続ける限り、虫たちとの長い戦いは続くのである。

2002年5月20日

東京からNHK教育テレビ「美と出会う」取材班がランドを訪れる。この番組に出演する山根基世アナウンサーと都築響一さんが日本全国にある妙で面白いというところを訪ね歩くという内容である。
この都築響一さんというのは以前から気になっていた人で、頭でっかちになり、難解になりすぎた現代アートシーンに疑問を持ち、日本はおろか海外までを視野に入れて「何なの・・・これ!?面白いね!!」というものを掘り起こすことに執念を燃やし続ける面白い人で、編集者であり、カメラマンでもある。
実はこのシゲチャンランドを始める時から、秘かに見に来て欲しいと願っていた中の一人だったのだ。オープンして2年目で願いがかなうとは本当に嬉しい。しかし、彼の目にシゲチャンランドがどのように写るのだろうかと考えると、空恐ろしくもある。そのようすは、6月28日(金)15時30分からNHK衛星ハイビジョンで再放送されますので、お見逃しなく。

ひょうたん野郎

これまたひょうたん野郎。
ヘッドハウスに展示されているが、気づく人は少ないようだ。

2002年5月27日

チケットハウスでは、ちあきなおみが歌う「星影の小径」が流れている。時どき「大西さん演歌なんか聴くんですか・・・」と言われることがあるが、聴きます。田端義男、吉幾三、都はるみと聴きまくります。最近よく聴くのはちあきなおみで、船村徹作品を歌うちあきなおみはいい。素晴らしい。
演歌といえば、堪えて待つ女、古くさいと一言でくくられがちであるが、それは詩の表づらであって、底辺には世の中、思い通りにはいかないものだという哲学が流れているのです。オシャレ、流行だけでしか音楽を聴かないなんて、そりゃあ、了見が狭いというものですよ。

LAND TOP