2002年3月4日

網走の水族館へ行く。1頭の妙なアザラシに会いに行くためである。改札口を通って右手に小さなプールがあり、3、4頭のアザラシに混じって、あいつはいる。
あいつは他のアザラシと比べて明らかに異質で妙なのだ。入館者の気まぐれで放り込まれたホッケに飛びつき、奪い合うアザラシたちをよそ目に、あいつだけは水中で垂直に立っており、水面から顔を出して、うなだれ、目を閉じてプカ・プカと浮かんでいるのである。それが、いつ行っても目を閉じてプカ・プカなのだ。
何か悩みごとでもあるのだろうか、何か重大な真理を求めて瞑想中であるかのようにも見えるし、ただ、ただ眠いだけのようにも見える。何とも気になるプカ・プカなのである。

2002年3月9日

カケスが1羽、羽ばたきながら居間のガラス窓から家の中をうかがっている。昨日もそうだったのだが、朝方から夕暮れまで窓辺の近くから離れないのだ。
実は昨日の朝方にカケスが窓か、壁に衝突して死んだのだ。ココ(カミさん)がドーンという音に驚いて窓を開けてみたらベランダに横たわるカケスを発見し、両手で暖めてみたのだが、すでに息絶えていた。おそらくそのつがいなのだろう。繁殖期でもあるし、姿の見えなくなった相手を探し求めて、今日も窓辺にやってくるのだ。切ないものがある。
カケスのことを食い意地のきたない騒々しいだけの鳥だと思いこんでいたのだが、こんな一面があろうとは知らなかった。

2002年3月14日

朝起きたら、くしゃみが止まらない。どうやら珍しく風邪をひいてしまったらしい。昨年の暮れから制作していた作品を、小雪降る丘の上で撮影していたのだが、思いのほか冷え込んでいたのだ。このところ日中の気温も上がり、つい油断して薄着のまま撮影を続けてしまったのが原因のようだ。
相生で暮らすようになってから、いわゆる流行性感冒というものにかかったことがない。あの流行性感冒というものは街に住む人々の間でかかるものなのだ。山々に囲まれ、ほとんど人の接触が少ない生活を送っている身には、流行ものを頂くという心配はない。寒さでひいた風邪は2、3日しっかりと睡眠をとれば自然と治ってしまうが流行性感冒というやつは異常に長びいて、たちが悪い。
しかし、下を向いても、上を向いても締め忘れた水道みたいに鼻水がポタ・ポタと、と・ま・らない。

素朴なココハウス ヘッドハウス1階
ココハウスの入口
ヘッドハウスには1階・2階とも楽しい作品が所狭しと
展示してあり、訪れるたびに新たな発見が。

2002年3月29日

いよいよシゲチャンランドをオープンする5月1日まで、残り1ヶ月とせまってきた。冬場に完成した作品の入れ替えやら、ポストカードの原稿を印刷に回したり、みやげ物としてピーナツで作った「ピーナツマン」を大量に制作したりと、いろいろ準備に追われることになる。
ここでランドからお知らせがあります。今年から毎週水・木・金の3日間を休館日にさせてもらい、祝日は開けることにしました。オープンする5月1日、2日は水・木曜日にあたりますが、オープンの週ということで開けております。新しく加わったランドの仲間たちを、ぜひ、あなたの目で確かめてみて下さい。
問い合わせ先は 電話 090-5222-8580 です。

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