シゲチャン日誌・2002年1月

2002年1月5日

年賀状を出さなくなってから何年たつだろうか。郵便番号を記入するということが実施されたあたりからだと思うが、あの分厚い本で調べるというのがめんどうでめんどうで「もう・・・全くっ」といいながらも何とか出していたが、5ケタから7ケタに変更された時点で「もう・・・ヤ・メ」と強く決断してしまった。
年を重ねるごとにめんどうなことや、どうしようかと迷った時などは人にどう思われようがどうでもいい。めんどうなことは止め、迷ったら止めろと。止め癖がついてしまった。
頭の中で社会性という大きな岩山が音を立てて崩れ落ちていく。

2002年1月7日

昨年の暮れごろから制作していた大物が4点完成する。またシゲチャンランドに新しい仲間が増えたわけだ。
流木や木の根などを素材にして作業をしていると、ある生き物が流木や木の根という仮の形をかりてこの地球上に存在しているのではないかと思うことがたびたびある。あらゆる角度から素材を注意深く見てみると、おぼろげながら潜んでいる生き物が像を結びはじめる。その像を手がかりに作業を進めていると、突然、はっきりした生き物が「ヨオッ!!オレがわかったかい」と姿を現す。この瞬間がたまらないのだ。残りの人生はこの時のためだけに使いたいものだと思っているほどである。

なのなの族

シゲチャンランド内、マウスハウスの住人なのなの族。丸いサイロの中はこの世とは思えない異空間となっている。彼らは何かをつぶやいています。それはあなたの状態によって毎回感じ方が変わるはず。

HEAD HOUSE 2階から
右手はランド内のヘッドハウス2階。
こちらはキッチュでポップでとても気持ちを明るく高揚してくれるものたちがひしめいています。

2002年1月12日

北見のBOOK・OFFで古本をあさる。文庫本で100円というのが嬉しい。いつも短編ものやエッセイが多いのだが、眠る前の30分ばかりベッドで読むというのが習慣になっている。小説だと30分ぐらいで切り上げるのは難しいし、数日間つき合わされるというのも不自由だ。古本をあさっていると思いがけない本や書き手に出くわすのが面白い。
ずいぶん前から宮内勝典さんの本が読みたくて、札幌や東京に出かけたおりにも探していたのだが見つけることができなかった。ところが、ありました北見に。灯台もと暗しとはこのことだ。厚さ1センチにみたない背表紙はまばゆいばかりに輝きを放っておりました。東京在住のころ顔見知りになった名前を見つける。「おっ!しばらく」と声が出そうになるが物言わぬ背表紙である。教授こと坂本龍一さん、彼はY・M・O結成前後にレコードジャケットのカバーを依頼されて打ち合わせや撮影の立ち会いや飲み屋などで何度か顔を合わせている。そして森永博志さんは、フリーの編集者で昨年の10月にシゲチャンランドの取材で飛んできてくれ、やはり何度か仕事を頼まれ、夜の盛り場で遊び回ったことがある。東京から遠く離れたこの北国の街で、本棚でのご対面というのも面白い。

2002年1月29日

居間のカーペットに靴下の毛玉や糸くずが付着している。つい反射的につまんでは灰皿にポイと捨てる。来客があって話し込んでいる最中でもゴミを見つけてしまうと「うん。そうだね」と生返事で合づちを打ちながらも、すでに人差し指と親指は逆Vの字になって、餌をついばむ鳥のようについ拾っている。客にはずいぶん失礼なことだと思い帰ってからにしようとグッとこらえるのだが、あーぁ。指先が・・・。自分でも嫌になってしまう。これもひとつの病気なのかもしれない。

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