シゲチャン日誌・2002年2月

2002年2月1日

今年は雪が少ないと思っていたら、ドカッときました。冬の寒さと雪どけの頃がいやで、高校を卒業すると逃げるように横浜に就職したのだが、再び暮らすことになるとは。暮らしはじめて1、2年ばかりは、雪かきもいい運動になるとココ(カミさん)と2人で、ママさんダンプとスコップでそれなりに楽しんで作業をしていたが、「もぅー全く。こんなに腕が太くなっちゃったぁ」とココは嘆く。腕をまくり上げて力こぶを入れると、なるほど、なかなか立派なものである。街で暮らす若者と腕相撲を取っても互角に勝負を張り合えるだろう。ならば除雪機を買おうということになり、ココは除雪機を担当し、僕は機械では難しい家の壁ぎわとか玄関先などをかき出す担当となる。春ともなれば、あとかたもなく消えうせてしまうものを、几帳面な2人は半日をかけて雪が降る前の状態まで、キッチリとやってしまうのだった。

2002年2月11日

今日は天気もいいし、昼から屈斜路湖の御神渡りを見ようと阿寒湖まわりで車を走らせる。まだ深い雪が残るトドマツ・エゾマツの森を行くと、ところどころアイスバーンがあり、急なカーブの坂道が続く。「この先、事故っちゃ、いやだな」と思いつつ緊張する。釧北峠を下りると白い雪をいただき、白い煙を吹き上げる雌阿寒岳が壁のようにせまってくる。
冬の山はいい。その白い雄大な姿を見るたび、いつも胸にせまってくるものがあって、「あぁ、ありがたい」という気持ちになる。

2002年2月22日

また、大雪です。シゲチャンランドの雪かきにいく。ランドの建物は屋根だけを残して、スッポリと雪に埋もれてしまっていた。アイハウスのドアーを開けて、「あっ!!」と息を飲み込む。館内は屋根と壁のすき間から吹き込んだ雪で、外と変わりがないほどのありさまである。シュールというか、幻想的とでもいいましょうか・・・。想像を絶する光景を目のあたりにして、膝から崩れ落ちそうになる。まさか、室内を雪かきする羽目になろうとは・・・。

タペストリー

シゲチャンランド内、ヘッドハウス2階の住人たち。
白樺の人に栗で作ったクリ坊がまとわりつく。

パッチワークや刺繍を施したタペストリー、
かわいいティーピーなどもあります。

カラフルなシルクスクリーン
ランド内、ノーズハウスに展示されているシルクスクリーンの作品。
黒い壁のなかで、カラフルでポップな作品がひときわ目を引きます。

2002年2月25日

このところ日の入りも遅くなり、つい、のんびりと一週間分の食料と材料などの買い出しをすませて帰路につく。車の時計は8時を指している。津別から阿寒に向かう国道沿いの山々や田畑は月明かりを受けて青白く輝いて美しい。対向車もなく、聞こえてくるものは車のエンジン音だけである。単調な一本道を走り続けていると、この風景は夢の中の出来事ではないかという錯覚に落ちいってくる。通い馴れた道とはいえ人家もまばらで、心細くなってくる。この先に果たして人が住んでいるのだろうか?とんでもないところに越してきてしまったのではないか?80歳を過ぎた頃でもこのように買い出しで車を走らせているのだろうか?走馬灯のごとくさまざまな思いが浮かんでは消えていく。これも月あかりのいたずらなのだろう。車の前方を照らすヘッドライトを頼りにひたすら車を走らせる。

LAND TOP