WISTFUL DAYS
長距離屋的覚書'01



January
僕等の旅はいつだって海から始まる   とかなんとか  クラブハウスにて忘年会をして年を越し、そのまま近
所の海岸で初日の出を拝む。ハレルヤ! ―この表現
が妥当か否かは余り気にしないで欲しい―

 その後、雑煮を食べてから温泉へひとっ走り。午後、
クラブハウスに戻ったところ、某クラブのバーバー♪
(CN)から連絡がきた。


 今夜、新舞子海岸で野宿宴会するから来ない?

 行かないワケないでしょう!


 酒のみ抱きかかえて乱入する。連夜の宴会。真冬の
野宿もいいものです。風は吹き荒れるが薪にする流木
は事欠かない。漆黒の海鳴りも焚火さえあれば良いB.G.
M.です。


February
FM  冷たい冬の北風に熱も冷まされてゆくということなの
か?

 つまらん・・・最近良く口についてしまう言葉、全く以って
下らん。


 夜の通りを走りながら聴いたラジオはFM、ジャズのプロ
グラム。ピアノとベイ スが即興でFly Me To The
MoonSomeday My Prince Will Comeを演ってい
た。少し救われた気分の土曜の夜。


March
思い出にしてもいいんだな  出先で写真を撮ることを止めてから、9年近く経ってし
まいました。去年、デジカメを購入してから、またボチボ
チ撮り始めたワケですけど、所詮はスナップ程度です。
以前のような情熱は消えてしまった、否、正確に告げる
なら完全に消える前の燻ぶりです。

 先日、スキャナを手に入れたのがきっかけになり、以
前の写真を整理すると同時にCD-Rに焼き付け始めまし
た。やめてからも少しは撮っていたようです('95年〜'01
年)。まあ、殆どが貰ったものですが。順番に並べていく
と、'93年〜'94年をピークに次第に枚数が少なくなって
いくのが分かります。'00年はなんと1枚っきり。PCやデジ
カメが普及したこともありますがね。走る距離が少なくな
ったワケでもないのに写真の数は少なくなった・・・興味
深いです ね。


April
オディッセイ  オートバイに乗り始めた当初から、私は周り(のライダ
ー)から浮いた存在でした。(特に地方では)求めている
ものの本質が全く違いましたので仕方がありません。今
だからそう云って諦めもつきますが当時は・・・。

 ちょうど10年くらい前、(技量も向上していたし自己の
スタイルも確立出来てたので)他のライダーとも走ってみ
ようと思って所謂ツーリングクラブ(とかライダースクラ
ブ)に入ってみました。外から眺めてるとちょっと羨まし
い気もしたクラブでしたが、実際内側に入ってみるとビッ
クリ。もちろん在籍したクラブにも縁るのでしょうが、走る
ことに関してはお粗末な限りでした。成る程、ツーリング
クラブとは仲良しクラブのことか子供の頃のアレと同じだ
なと思ったものです。
 改めて、そう思うことにすると、初心者や何年経っても
下手クソな人と一緒に走っても許せる気がしました。罪
を憎んで人を憎まず・・・走り抜きで考えてみると皆イイ人
ばかり(だったかな?)、運転の未熟さなんて大した問題
じゃない。どうせ私の本質とは違うのだから、いくらでも笑
って楽しい時間を過ごしましょう。信念に基づき求めるも
のを追う時には一人で走ればいいのだから。


May
ボクが大勢でツーリングすることは素晴らしいと思った理由 ●大勢で走ると、自分で考え自分で判断しなくて済む
から。


●大勢で走ると、下手でも何とかなる。立ちゴケしても
誰かが助けてくれるから。


●大勢で走れば、見知らぬ山の中でも怖くないから。


●大勢で走ると、自分が下手クソでも何と無く上手く走
れている気がするから。





...reasons for thousand riders


June
云い換えるなら  最近、気付くとよく、Fly Me To The Moonを口ずさ
んでいます。Space Cowboysを観てから離れません。
数年前に流行ったあのエヴァンゲリオンの挿入歌だった
らしいので、音楽ファン以外でもご存知の方が多いと思
います。
 しかし、何故? 今更? 急にこんなに口ずさむの
か、とちょっと考えてみました。

 歌詞は英語だから分からないし・・・そんな訳はなく
て・・・とてもシンプルな詩ですし・・・テンポもミディアムスロ
ウなので充分ヒアリング出来るし・・・どうやらこの曲が持つ
独特の甘美さが琴線に触れたらしい・・・と実に簡単では
ありますが(約10分間の考察の)結論に達しました
(汗)。あの映画の持つ男性的(?)な切なさとの相乗効
果? うむ〜、映画を侮ってはいけませんね。


 この曲の原題、In Other Wordsの意味は「言いかえ
るなら」です。この決まりのフレイズ「月まで連れてっ
て・・・言いかえるなら、それはキスしてと言うこと」。好い
ですね。


July
夏の3点セットを1つ  今日は久々の晴れです。そんな理由で(?)朝から海
に行ってたんですが、早々と戻ってきました(否、携帯
で呼ばれちゃってね)。まぁ〜現場回りということで、海
に行ったことは内緒です。しかしほんと(強調)、海はい
いです。
 今日は朝から陽射しが強くて暑いけど海から吹く風は
ひんやりしていて気持ちが良いです。朝の砂浜で聴く
BGMは村松健がいいと思いませんか? それともオーソ
ドックスにジョビンAntnio Carlos Jobimでしょうか。

 それにしても、地方の海岸は何処か物哀しさが漂って
いる気がします。これが鎌倉辺りだと白いパンツにボー
ダーの長Tシャツを着た地元の女の子が、愛犬を連れ
て砂浜を散歩してたりなんかして。美しい光景です。


 鮮やかな夏・・・朝の海岸・・・波打ち際を愛犬と散歩す
る女の子・・・セットですよね。


August
Can you hear my funky hungry beat?
 日曜の夕方、陽は西の山塊に落ちてゆく。この夏の終わりにやっとお気に入りの場所に辿り着いた僕は、砂洲の上・・・夏の終わりを雄弁に告げる北東からの冷たい烈風に打たれ戸惑ってしまう。
 夕陽が阿武隈高地の山の端に隠れるのを見守ってから、スタータスイッチを静かに押し、エンジンに火を点ける。
 この色を濃くした空の下、海からの風が雲を西へと吹き運ぶ様を見上げては家路を辿る200`を楽しみつつ贅沢に走るのだ。

 ― それは経験の唄


September
長距離走ノススメ  長距離屋を謳っていますが、長距離を走るのが好き
なだけであってトラッカーではありません。ましてや数値
に置き換えた走行距離に拘っているワケでもありませ
ん。強く云いますが、全くそんなことは無いです。よく私
がツーリング ―この言葉を使うのに抵抗を感じますが
の話をすると、その距離から数値のみが受け止めら
れ、その奥の本旨には届かないことがあります。乱暴に
言わせて貰うなら、距離は何キロでもいいのです。そん
な数字には興味がありません。

 この狭いが複雑な地形と気候を持つ日本はある意味
広いのではないでしょうか? そしてそんな日本の中を1
日に何百kmも移動するということは1度のドライヴでより
多くのシチュエーションを経験出来る・・・例えば、同じ道
でも朝・昼・夕・夜では感じるものが違うでしょうし、市街
地での混沌とした交通量の多さから田舎の閑散とした流
れ、見知らぬ山間部を走るなら一抹の不安を覚えたり
等々、1日で長い距離を移動するということは感じること
がより多く複雑になります・・・それが肝心だと思うので
す。

 私がアナタより"少し"運転が上手いとしたら、それはア
ナタより何倍か多く走っているだけのことです。 


October
 下北半島の首の部分、ちょうど喉仏のように津軽湾に出っぱる所にある横浜
町。その外れの菜の花ロードにて、田園の中に秋の陽は沈んだ。

 エンジンを切り、ヘルメットを脱ぎ、ヘッドフォンを外す。途端、静寂が広がり、急
に冷え込み始めた世界・・・トワイライトブルー。

 この時間がこの上なく好きだ。

 深く息を吸い込んで見上げた空には三日月と南東の三沢へと伸びたヒコウキ
雲。テントを張った石鳥谷までの距離は250km強。

 流石に嫌になるね・・・と一人呟いてみたものの距離が短くなるわけではないし、
宵闇に浮かんだ月を追い駆けるように南下するだけだ。


 日中の喧騒が嘘の様な夜の静寂、その只中を貫くナイトランの講ぜんとした高
鳴り、秋の北東北の冷気の中を走る心細さ、その卑小感と放熱、それらを思い胸
がキリリとなる。幾百となく感じてきたこのスリルに未だ慣れることは無い。


 それでもこの贅沢な瞬間を愉しむだけだ。
Twilight Bleu


November
Mistake No.3  イバラキに住んでいると、良く誤解されることがある。
例えば、こうだ。 世間では新蕎麦の時期。休み何処か
行ぐの? 何て気楽にたずねられ、こっちもつい気楽に
答えてしまうと、ややこしく愉しくなる。


 うん ヤマガタに蕎麦でも食べに行こうと思って・・・

 そうか じゃぁあそこの店がいいよ ○×庵

 ?

 簡単な話。県と町(現 常陸大宮市)の違いなんだが。
確かに常陸秋ソバなんつって宣伝していますが、オート
バイでそんな近場には行きませんよ。美味しくてもね。
モンキーやカブ、チャリならまだしもね。
 あ チャリなら中学生の頃に行ったか。尤も、蕎麦を
食べに行ったワケではありませんが。老成していたとは
いえ、流石に蕎麦を嗜むにはお小遣いが少ないって!


December
夜の給食  キャンプ場(飲み屋でもいいが)とかで、盛り上がる話
に給食ネタがあります。地域や世代に依って若干の違
いもありますが、同じ日本の学校教育、似たようなもの
です。そんな昔懐かしの給食を出す店が遠州にあると
噂を聞きつけたので、大佐♪を誘って行ってきました。
 ランチの積もりが出発したのは13時過ぎ、久喜から東
北道に乗って南下。取り敢えず、夜には着くだろうと気
儘なドライヴ。19時過ぎ、御目当ての店に到着。
 夜に食べる給食なんて何とも間抜けだなァ〜と怪しそ
うな店のドアを恐る恐る開けてみる。もしかしたら、夜の
学校給食だから、ブルマに割烹着のオネェーチャンが
給食当番をしているような店かと思ったら、単なる居酒
屋だった。
 学校机のテイブル、学級日誌と黒板にはメニュー、壁
には木製の三角定規と分度器、机の数20席ほどの小ク
ラス。硬い椅子に座り、思いつくまま注文する・・・勉強
机の上にある灰皿に違和感。ミルメーク(イチゴ味)・ソフ
トメン(ミートソース味)・ちくわの磯辺揚げ・鯨の竜田揚
げ・やきそば・ポークビーンズ。片っ端から頼んでみる。
甘い。甘いナ。こんなに甘かったか。先生は大変だな。
 翌日、用事があるのでそのまま引き返し、27時過ぎに
帰宅。往復900キロ、高速代\10000オーバー、燃料
代\6000くらい。給食費に換算すると半年分といったと
ころでしょうか。