2003/02/22&24 プレミアシップ観戦記

 

●02/22 チェルシー vs ブラックバーン @ スタンフォード・ブリッジ

 Enbankment のクレープ屋でお昼を済ませ、Disrict Line で、Fulham Broadway まで向かう。途中、スタジアムに行く観客でごった返す電車がなかなか発車出来ず、車掌さんが“この電車はFulham Broadway に行く唯一の電車ってわけじゃないかんね〜。”と茶目っ気たっぷりにアナウンスで、車内大爆笑。駅に着くと、青いシャツをチェルシーサポが、一直線に歩いていて、それに付いていく。スタジアムの入口でマッチデー・プログラムを買い、入場。席は、随分上のほうだったが、かなり見やすい。到着は開始40分前だったが、スタンドはガラガラ。やっぱ、全席指定だけあって、何時間も前に来る人はいないような感じ。それでも、開始前にはキッチリ満員になり、先のバーミンガム戦でチェルシーでの300ゲームを迎えたル・ソーと、この日出れば、同じく300ゲームとなるゾラの表彰が行われる。

 
←見え方的にはこんな感じ。
 やや遠い。

 ゲームの方は、どちらも決め手を欠く展開で、チャンスを掴むのはどちらかと言うとチェルシー。2度ほど決定的なチャンスがあり、雨あられのようにシュートが放たれるが、フリーデルに止められたり、ディフェンダーに当たったりで入らず。300ゲームの記念のゾラは、後半から登場。トップにハッセルバインクとグジョンセンを残したまま、ゾラは中盤に入る。ヒールを使った上手いプレーに一際歓声が沸く。やはり人気が高い。チェルシーの応援は、ファン層がハイソなこともあってか、あまり荒い感じもなく(これは後でスパーズのゲームを観て、特にそう思った)、大人しい。『カモン浦和レッズ』調の“come on Chelsea”と、“chelsea, chelsea, chelsea〜♪”みたいな、チームソングが、ポツポツで出てくる感じ。そんな中、後半から登場のダンのCKに、同じく途中出場のヨークが突っ込み、ヘッドで先制。隣に座っていた少年は泣き出してしまい、父親に慰められていた。後半の半ば過ぎだが、見切りをつけたサポは、もう帰り始める。こうなるとチェルシーも攻めざるを得ず、前がかりになっていくが、逆にスキを突かれて、ダンのドリブル突破から2点目を献上し、ホームのサポは完全に意気消沈…。どんどん観客は帰っていく。そんな中、ロスタイムに入り、チェルシーがゴール前でFKを獲得し、ゾラとハッセルバインクがボールの側に立つ。どっちが蹴るか話し合ったかどうか、さっぱり分からないが、直後に目に入ったのは、ハッセルバインクの弾丸のような凄まじいシュートが突き刺さるところでした。それまで決め切れなかったもどかしさからか、本人は怒ってたけど。まぁ、時間ももう無く、ほどなくゲームは終了。ホームのチェルシー、負けました。

 帰りは、みんなFulham Broadway の駅にトボトボと歩いていくのだけど、なんか、浦和の負け試合の後に、浦和駅まで歩いていく感覚とかぶってしまった。沢山の警察が、馬に乗って交通整理してました。

 

●02/24 トットナム・ホットスパー vs フルハム @ ホワイト・ハート・レーン

 
←見え方的にはこんな感じ。
 アンダートン、かなり近い。

 この日のゲームは月曜ということもあって、夜の8時キックオフ。お昼にアフタヌーン・ティーで贅沢をしたので、この日は夜をマックで済ます。というより、南ロンドンのチェルシーとは、Seven Sisters の駅近辺は、アメリカのアジア人街みたいな感覚で、洒落た店なんて何も無くて、メシのマズさではこれまでにも何度も痛い目に遭ってるだけに、ワールド・スタンダードで切り抜けておきたい感覚もあったりで。マックの中にいるときから、スパーズのファン層は、チェルシーのそれとは随分違う感じだな、という感じがする。駅から20分くらいの距離に、スタジアムはあり、やはりマッチデー・プログラムを買い、中に入る。チェルシーの時も感じたけど、マッチデー・プログラムは随分充実している。これで3ポンドなら安い。ちなみに、スパーズは、サプライヤーがKappa に代わって、随分とグッズ類の販売に力を入れているようで、特にアパレル系の充実が凄い。ファッショナブルな普段着も含めて、カタログも充実しているのだけど、戸田も早速モデルになってました。で、中に入ってビックリ。自分の席は、バックスタンド側の、前から4列目の一番端、つまりコーナーフラッグのすぐ側で、自分の前にはもう席が無いような所。本当に観やすい位置であったことが発覚。手配してくれたAndrew くんに感謝。ちなみに、稲本のアップの様子は観れたけど、戸田なんて出るとも思ってなかったから、確認してませんでした、はい。ゲーム前にメンバーが発表されたが、ロビー・キーンが不在(サスペンションかな?)なのは残念。一際大きな歓声を浴びていたのは、シェリンガム、デイヴィス、そして初めてベンチに入った戸田。斜め後ろのオヤジは、息子に“アイツはニワトリ頭の男って呼ばれてるんだ”なんて自慢げに話していたりして。平日のゲームだけど、フルハムサポ用の席の一部を除いて、開始時にはほぼ満員。

 で、ゲーム開始。のっけから応援の気合が、この間のチェルシーとは全然違う。野太いチャントが絶え間なく続く。それぞれのチャントは、15秒くらいですぐに終わってしまうのだけど、次が勝手に湧き上がってくる感じ。ゴール裏も含めて、結構みんな座っていて、チャンスやピンチになると立ち上がる。変わってて面白かったのは、自分のいたバックスタンドと、ゴール裏とで掛け合いがあったり(お前らゲームを観ろ、とも思ったけど)、みんな座ってるんだけど、“スパーズを支えるみんな、立とうぜ”みたいなコールでみんなが立ち上がったり、ってトコかな。あとは、結構セキュリティが厳しくて、勢いのあり過ぎる若者が、何人かつまみ出されていた。そんな声援に水を差したのは、フルハムの先制ゴール。マルレが持ち込んで流れたところを、左サイドにいたボア・モルテが拾って、丁寧に流し込んでゴール!ホームスタンド側のコーナーに陣取るフルハムサポは歓喜。スパーズサポも、全く意気消沈する気配はなく、ますます声を張り上げる。あぁ、この雰囲気を感じに来たんだなぁ、とちょっぴり実感できた瞬間。その後は、中盤の底で奮闘するブニェブチェビッチが丁寧にボールを回して、アンダートン、デイヴィスが走り回る。左サイドのタリッコは、ツィーゲに比べると、随分堅実にやってたかな。アンダートンのミドル、キングのヘッドがテイラーに弾かれて決めきれない中、パスに反応したデイヴィスが抜け出し、テイラーに足をすくわれる。判定はPK&テイラー一発退場。シェリンガムがキッチリとPKを決め、あの笑顔で目の前を通り過ぎる。

後半に入ると、内容はさっぱりながら、ひとり多いスパーズが攻める時間が多くなり、自分の席からは遠いほうのサイドにみんな行ってしまう。ひとり、いかつい肩をしたリチャーズが、センターサークルに残るのみ。印象としては、チャンス自体はカウンターからフルハムの方が多く創っていたような気がした。そのうち、アンダートンが2枚目のイエローで退場となり、10人対10人。どっちもUEFAカップは難しそうな内容のまま、終了。1−1のドローで、フルハム側が大喜び。それにしてもスパーズのファンは、熱かった。 

 帰りがけにmega store によって、シェリンガムのTシャツをゲット。レプリカは欲しくないわけじゃないけど、どっちかというと、前のアディダスのモデルで、スポンサーが『HOLSTEN』の時のヤツのほうが好きだから、いいや。店内は、日本人に限らず、多くの人でごった返していて、いろんな服がどんどん売れていく。その後、また来た道をトボトボと20分かけて帰る。

 

●で、そんなこんなで2ゲーム観れたけど、普段レッズに情熱を注いでしまうと、同じ気持ちでチェルシーやスパーズのゲームを観れないな、というのが第一印象で、普段は、あれだけ応援しているからこそ、ゴールに飢えるわけで、この渇望感を感じるには、共有している経験が根本的に違う、ということを凄く感じてしまった。ワールドカップの時にも、イングランドのゲームを観ていた時に、イングランドの応援をするのを妙に居心地悪く感じたものだが、同じような感じ。ま、それは別として、イングランドのフットボールは、エンターテインメントとして本当に確立しているし、客の楽しみ方を良く分かってる。イタリアみたいに殺気立ってはいないしね。ロンドンに住んだら、スパーズのファンになりそうな感じはしつつ、結構冷静に盛り上がって、帰ってきました。満足はしてます。

 

※フットボール以外のロンドンネタは、

に書き込んどきました。2月20日〜26日です。