2002/09/17 コーポレイトカラー

 

さんざんこのコーナーを放っておいたことに別段意味があるわけではなく、作っていきなり、ワールドカップネタで2つ立て続けに勢いで書き殴ってしまったために、何だか気分的にここに書くことを制限してしまって。で、まぁ、思ったことはバンバン書こうと。しかも、ココはいつ更新するんだ、という指摘を受けたのも事実でして。かといって、いきなり今年生まれた甥(この歳で自分が"uncle"になるとは…。)について書いても仕方がないので、今回は、無理矢理サッカーと結びつけて始めるかな。

 

最近気になるもの、コーポレイトカラー。

フットボールが好きな人、マンチェのユニのスポンサーが長く「SHARP」であったことは、ご存知でしょう。では、その後、メインスポンサーとなったのは?といえば、言わずと知れた、「vodafone」ですよね?じゃ、その「vodafone」が、F1でサポートしているのはどのチームでしょうか?分からない人も、想像してみましょう。そう、フェラーリですよ。もし、知らなかった人が、フェラーリと言い当てたとすると、何で分かったのでしょうか?「赤い」からじゃないですかね?そのくらい、ボーダフォンと言えば、「赤」というイメージは定着しているのですね。

そういうわけで、特に気になっているのは、ボーダフォンの赤なんです。

普段あまり議論されることは無い気がするものの、コーポレイトカラーは立派なブランドだと思う。企業はことあるごとに、そのカラーを織り交ぜたイメージ作り、メッセージの発信を行うわけです。分かりやすい例を出しますか。オイラは、今まで富士銀行のユーザーでした。基本的に青。今回、合併で、「みずほ」となっても、基本は青のまま、したがって違和感は無い。旧第一勧銀のユーザーの方がいれば是非聞きたいけど、今まで「ハートの銀行」で、赤かったあの第一勧銀が、突然青い「みずほ」に変わったってのはどんなもんなんだろう。それまで、第一勧銀は少なからず、あのオレンジとも赤とも取れない微妙すぎる色で、きっと大事にイメージ作りをしてたんじゃないだろうか。携帯業界でも、シックな「IDO」の緑が、ポップな「au」のオレンジとなったことで、法人ユーザーをしばらく取り込みにくくなった、ということがあったり。

で、何で、オイラがボーダフォンに注目してるかと言うと、そのコーポレイトカラーの軟着陸っぷりが、やけに目に付くからなわけで。ボーダフォンがどこから日本市場に入ってきたかというと、オイラも愛用している、J-PHONEなわけでしょ。J-PHONEのコーポレイトカラーといえば、ショップなんかをイメージしてもらえれば分かると思うけど、青なんですねー。ほら来た、コンフリクトが既にある、と。社長は社長で、今はJ-PHONEのブランドでやるといいつつ、外国を見てみれば、現地法人の名前が残ってる例は少なく、出資後基本的に「vodafone」ブランドを展開しているところを見ると、日本も「vodafone」になるのは時間の問題でしょう。というか、わざと時間をかけているようにも思えて…。

ロゴは、どうなっているかというと、すでに「J-PHONE」の下に「vodafone」と明記されて、大きな枠で囲まれてる。何色?赤!「J-PHONE」の文字は青いままで、微妙!でも、新機種では、携帯自体に入るロゴも、その“併記バージョン”なってるし、青かった料金明細も、最近ドンドン赤くなってる気がする。ユーザーの抵抗なく、「vodafone」を馴染ませることには、ひとまず成功しているのではないかな?あと、さりげない「赤」の導入も。

じゃ、次の段階は?と言えば、そりゃ、「J-PHONE」と、「青」のイメージを順次抜いていくことだ、と思うのですよ。先に触れてるように、海外の例を見ると、出資先のブランド名は遅かれ早かれ、「vodafone」になっている、現に、さりげなく浸透させている、ということを考えると、やはり時間の問題、という結論になるのでは?

そういうわけで、今後も、「J-PHONE」のフィーチャー度が下がったり、「赤味」が増すたびに、『ふふふ、やはりな』とほくそ笑んで、遂に赤い「vodofone」になった日には、『そんなんお見通しじゃ〜!』と叫ぶことを今から想像しているのであります。

 

まぁ、こういう、メディア系のネタは結構好きなんで、オモロイのがあれば、教えてください。

 

<おまけ>

ついでに書いておくと、もうひとつ気になっているのは、「VIRGINIA SLIM」のポスター広告。今のところ、タバコは、TVCMでも、広告でも、喫煙の場面や、タバコ自体を表に出すことが禁じられているのだけど、それだけにいかにイメージに訴えるか、がミソになってくるわけで。

で、「VIRGINIA SLIM」は、というと、"be you"というコピーが、どの程度女性の自己実現欲に訴えるのかは別として、あの、よく電車にある、「女友達のパーティーバージョン」の紙メディアがありますよね?あの中に、潜在的に、煙やタバコを想起させるものがどのくらいあるか、よーく見てみると、色々出てくるはずなんですよね。なんでそこで花火持ってるんじゃい?、とか、何くわえてるの、それは?とか、その手つきはタバコを持つのと同じでないかい?とか…。冷静に見ると不自然さのオンパレード。まぁ、そのイメージと、上記のコピーを重ねて、若い女性を取り込もう、ということなんだろうけど…。規制を受けると、表現も歪んでくるのね。

 

結局のところ、広告はこんなことばっか考えながら見てます、ってな話でした。おしまい。