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1980年、セントヘレンズ山は123年ぶりに火山活動を開始、前兆は1ヶ月半前の3月、小地震の後の水蒸気爆発に始まり、標高2,953mの山頂の北部で100mを越える隆起が観測された。
5月18日には地震と共にこの部分から山体崩壊と地すべりが発生し、その直後の午前8時28分、爆発が起こり、爆風は山の北側30kmの範囲を襲って樹木などをなぎ倒し、57名が亡くなった。
マグニチュード5相当の地震と共に崩壊した物質は「岩屑なだれ」となって約20km先まで達した。爆発的な噴火により噴煙は19kmの高さにまで上がり、東方に多量の火山灰を降らせた。
また、直前に形成された岩屑流堆積物の上に火砕流を流し出し、湧水、湖水、河川水を混入して泥流となり、120km先のコロンビア川まで到達した。泥流のため船による物資の輸送が長期間途絶えた他、噴火から1ヶ月後には崩壊カルデラ内部に溶岩ドームが成長し始めた。この後1986年まで溶岩ドームの成長と爆発による崩壊が繰り返され、1990年、1995年、1998年に小噴火や地震が頻発しているが、噴火には至っていない。
@ 激しい降灰による都市機能の麻痺、農作物の被害、環境衛生面等住民生活への影響
A 山体崩壊による「岩屑なだれ」の発生と河谷の埋没
B 高温の爆風による瞬間的な広域破壊(森林崩壊など)
C 大泥流の発生による家屋、橋梁、道路などの破壊と下流域での氾濫浸水(氷雪の溶解による)