*** 黎明 ***


綿毛布のぬくもりにまどろむ
まぶたはまだ開かなくて
少しひんやりしたシーツもまた心地よい

腕はゆるやかに
もう一つのぬくもりを探す

手の中につかまえた
滑らかなラインをたどってゆくと
・・・冷たい
こいつ肩出して寝てる

そっと毛布を掛けると
少し動く気配
でも寝息はそのまま

手のひらにつつまれた
冷たい肩を引き寄せてみる

俺の胸の中に
あいつの冷たい背中
・・・こんな格好で寝るから

・・・誰がさせたっけ・・・
長い髪に顔を埋めながら
口元が緩んでしまう

さて
蘭が目覚めたら
なんて声をかけよう

・・・やっぱり
おはよう、奥さん
かな・・・