※ご注意です※
以下はSPNのS×Dのパロディ小説です。
意味のわからない方、興味のない方は、
ご覧にならないようにお願い申し上げます。

※R-18要素を含みます※

【 XOXO 】






「それ、いらない」

 サムの突っ込みが10回を超える頃になって、ようやくディーンはどれを選んでも弟は受け入れる気などないということに気付いたのか、怒り始めた。

「それはいらねえあれはいらねえってお前、子供みたいに!だったら一体何が欲しいってんだよ!!」

 があがあと怒鳴られて、ようやくサムは腰を上げる。

「もう帰ろう。じゅうぶん飲んだだろ?」

 まだ一本しか飲んでねえ!と文句を言うディーンを引っ張って、サムはバーを後にした。



『今日は狩りは休みだ』

 朝からやたら機嫌のいいディーンが宣言した瞬間から、悪い予感はしていた。

 案の定、ディーンはメシ食いに行こうぜとサムをインパラに乗せたあと、その小さな町の中ではマシなほうのダイナーの中でも、その後寄ったドラッグストアの中でも、更にその後たまには服でも買おうぜと寄ったショッピングセンターの中でも―つまり何処に行っても、ちらちらと女の子を物色していた。

 自分の為ではない。彼が夜の相手を選ぶときには、手っ取り早く、ちょっと飲んで分かりやすくすぐに行為に及べるような相手を選ぶ。誰の為か。分かり切っている。

 今日が誕生日の弟の為だ。

 ディーンがこれだと目星を点けた女の子に寄って誘いをかけようとするたびにダメ出しをした。どの子ならば満足するんだとばかりにディーンはサムを睨んだが、果物ではなく肉が食べたいと思っている人間に、あれやこれやとフルーツを持ってこられても食指が働かなくて当然だ。

 大体ディーンは僕の好みと言うモノを勘違いしている、とサムは思う。

 スタイルが良く、賢そうで華美でない。

 ジェシカやサラに似た女の子。

 彼がそういった基準で目星を点けているのがよくわかる。

 だが、違うのだ。サムの好みは、―確かに、女の子の好みはそういった部分があるが、そうじゃない。

 それを今日はこの能天気な兄貴に分かってもらわねばならないと、まだぶつぶつ文句を言いながら運転しているディーンの横顔を見ながらサムは決意していた。

 モーテルの部屋に戻ると、上着を脱いだディーンは

「あーせっかくの誕生日だってのに、兄ちゃんと飲むだけかよ。シケた誕生日だな、ったく」

 と、せっかく自分がおぜん立てしてやろうとしたのにと言わんばかりの態度でやれやれとため息をついている。

 だが文句を言うことなく、サムは冷蔵庫からビールを二本取り出すと、一本をディーンに渡した。

 栓を外して煽り、既に熱くなり始めている躰を冷ます。

 拗ねた顔で同じようにビールを煽っているディーンが、瓶からぷは、と口を外すのを待って言った。

「これがいい」

「―は?」

 正面から腰を抱くようにしてディーンを見据える。

 これ、と言ってじっと見つめると、ぱちぱちと瞬きをした後、ディーンは「……俺?」と間抜けな声を出した。

 こくと頷くと、更に目を丸くしたディーンは、あーそっか、とも、うわ、マジかよともとれる、なんとも複雑な表情を浮かべた後、「お前、そ、そんなんでいいのかよ…」とどこか驚きと怯えを孕んだ声でからかうようにぽつりと呟く。

「そんなんじゃない。これがいい」といって背中を引き寄せてぎゅうっと抱き締めると、今度こそやれやれといったようにぎこちなく僕の背中に手をまわしてくれた。


 
 電気を点けてしたい、というとディーンは、冗談じゃねえ、と普段なら問答無用に受け入れないか、行為自体が無しになってしまうようなサムの要望を無言で許容することで受け入れた。

 昼の光りの下でしたことも、夜ライトを点けてしたこともなく、せいぜいがベッドサイドの朧な光りだけだった。

 茫洋とした儚い灯りではわからなかったディーンを見たい。そう思っての願いだったのだが、脱がせて触れる間に、初めは羞恥にか紅く染まっていたディーンが、何故か次第に身を強張らせ、興奮するどころか冷や汗を掻き始めたから敢え無くサムは兄に屈した。

 大概の時と同じように、ディーンのベッド側だけのナイトランプにして部屋の灯りを消すと、明らかにディーンの躰からはほっと力が抜けた。

 これだけ躰を合わせておいて、いったい何を見られる事を、何を知られることを恐れているのかは分からないが、今時部屋の明かりを煌々と点けただけでこんなにも反応するのはティーンの女の子にだっていない気がする。

「…ディーンって時々反応がものすごくなんていうかさ」

「…何だよ」

 身をぴったりと添わせて頬擦りをしながら言うと、殺されそうな声が返ってくる。

 とてもじゃないが、『時々ものすごく反応がバージンだよね』とは言えない。枕の下からナイフが飛び出してきそうな気配に、いやいいです、と言うと、分が悪いと知っているのか、むっつりとしたままディーンはそれ以上文句は言わなかった。


 
 夜半にふとサムは目を覚ました。

 腕の中には、眠りを貪っている兄が居る。

 そうだ、さきほど、シャワーを終えてぐったりとベッドに沈み込んだ。

 欲しいがるだけ満足するまで与えられた身体はくたくただが充足していた。隣に転がって、もうそれだけで眠りそうなディーンの腰からバスタオルを外し、代わりに毛布を引き寄せて自分の体ごと包み込む。

 喉の奥でなにか悪態をついたような気がするが、言葉にはならず、そのまま心地よい睡魔に身を任せたのだった。

 横向きに背後から抱き竦めたディーンの躰は温かい。

 服を着せろやら、Tシャツ取れと、言う元気もなく、またそれをしてやる前に眠ってしまった。

 風邪を引くかな、と思うがこうして二人でくっついて眠っていれば大丈夫な気もする。

 そっと頭を起こして覗き込むと、枕とサムの腕に頭を預けたディーンはぷっくりとしたくちびるを少しだけ開けて、小さな寝息を立てている。

 キスがしたくなったが、起こしてしまいそうで我慢した。

 腹に回した手には、兄の躰の鼓動が僅かに伝わってくる。滑らかでしっとりとした張りのある肌は、触れているだけでも気持ちがいい。

 ゆっくりと撫でる様に手を滑らせ、臍の横を通って足の付け根を撫でる。

 翳りをなぜると、僅かにディーンの喉が鳴ったような気がした。構わず手を腿に滑らせる。ゆびでそっと触れたペニスは、今は完全に大人しく、他よりも薄く滑らかな感触のそこは熱を持ったような熱さがある。それを避け、後ろから軽く膝を押し入れ、閉じている足の間に手を差し込むようにして広げさせて柔らかな陰嚢を握る。手の皮膚で確かめるようにゆっくりと優しく揉み、少し強く握ると、ひくんとディーンの頭が仰け反った。

「…に、イタズラしてんだよ、…も、寝ろ…」

 眠りの淵から引きずり出され、少し不機嫌な声で足をもぞつかせ、手を追い出そうとする。

「うん、ディーンは寝てていいよ」

 寄せられた頬にくちびるを添わせて、けれど挟まれるような形になった手は引かずにそのまま睾丸を分ける様にして刺激し続ける。

「…やだって、…サミー、」

 眠りたがるディーンの珍しく曖昧な抵抗が可愛くて、ちょっとだけ、とねだって頬を擦り寄せる兄の耳朶をしゃぶって吸う。睾丸をいじめる手を止め、ゆびを後孔に滑らす。

 さきほど散々挿入し、長い時間サムを含まされていたそこはぽってりと僅かに腫れている。誕生日だからとどこか譲歩してくれていたディーンが、いつまでも終わらないサムに、もう勘弁してくれと泣き、腰が本当に逃げて怯えるまでしつこく揺さぶってしまった。

『今日はつけたくない』と耳元でいうと、ジーザス、というような顔でディーンは目をつぶった。

 何もつけずに男の性器を後ろに挿れられ、中で射精される感触がどんなものなのかサムにはわからない。けれど、絶対にヤメロと散々言われ、数えるほどしかしたことのないそれが、ディーン自身にも激しい快感をもたらしているように思えるから、サムはどうしてもそれがしたくなる時がある。

 気付けばディーンの股は、サムが注ぎ込んだものと、自分が零したものとでとろとろになるまで濡れていた。バスルームにはもう文句を言う元気もないディーンを抱き抱えて入り、出るときももう腰の立たないディーンに肩を貸して戻った。

 さっきまでサムの場所だったそこのふちをゆびでゆっくりと辿る。不穏な空気を感じ取ったのか、薄闇の中、目を閉じていたディーンの睫毛が僅かに揺れるのが見える。

 しばらく撫でた後、そっと中指の先を押し込んでみる。

「っ、サム、じょうだんよせ…」

 腰を捩って逃げようとするのを許さず、シャワーの余韻でまだ僅かに濡れているそこをぷつりと犯し、熱いその中をゆびで確かめる。たっぷりと中出ししたそこを洗うのに、さっきもゆびで思うさま探った。精液とシャワーに濡れ切ったアナルはとろりとほぐれ、サムの指を従順に受け入れてくれた。今も柔らかいが、滑りを伴わない入口は既にサムの指を拒む様に絡みつく。

 さっきはあんなに美味しそうに飲み込んでくれたのにと不満を覚え、触れている尻にぎゅうと腰を押し付ける。

 腕の中のディーンの躰が強張った。

「冗談キツイぜ、お前……」

「うん、僕もちょっと思った」

 空になるほどしたというのに、少し眠り、ディーンに触れていただけで、サムのものは半ば反応していた。

 だが、ディーンを思うさま酷使してしまったことはわかっているし、これ以上無理をさせるつもりはない。ただ、もう少しだけ、触れたかっただけだ。

 ゆびだけしかしないから、と耳元で伝えて、柔らかく締まった尻を手で押し分けて燃えるように熱いその場所の感触を味わう。もっとはっきりと見たくて、舌を差し込みたい欲望に駆られる。だが、多分いまのどうやったって逃げられないくたくたのディーンにそれをしたら、泣かせてしまう上に、明日が恐ろしいとサムは思った。

 名残惜しく指を引く。下腹には熱が灯っているが、やり過せないほどではない。我慢して、極上の触り心地の兄の肌を抱き締めて眠ってしまえばいい、そう思った時、ディーンがゆっくりと顔を巡らせた。捩って見上げたサムと視線が絡む。

 ライトを消したうす暗い部屋の中、ディーンの頬は紅潮し、昏い森の色をした濡れた瞳がサムを射抜いている。

 何を求めているのか、気付いた瞬間には躰が動いていた。

 衝動的に、指で確かめていた場所にそのまま押し込もうとする。だが、滑りを伴わないそこに拒まれ、急いでゴムの封を口で引き千切り、付いているジェルの滑りに助けられてディーンの中に押し入る。

「あぁ…」

 ため息のような声がディーンの喉から漏れる。

 片足を前に持ち上げ、横臥して完全に力の抜けたそこに、入ることは容易かった。いままでしたどんなときよりも柔らかく、そこはサムを迎える。腰骨を掴み奥までどうにか押し込んで息を吐く。抱き締める様に手をまわすと、彼のものはほんの僅かだけ反応している。さっき何回いかせたかを考えれば分かる。本当に限界なのだ。

 壊してしまう寸前で留まる。ごめん、と囁いてくびすじに顔を擦り寄せると、緩慢に振り返った兄は、とろりとした視線でゆるすように、からかうように、鼻先に小さなキスをくれる。

 日毎のディーンに、サムは愛されていることを痛いくらいに実感する。
 だが、幾度の年を重ねれば、ディーンは分かってくれるのだろうか。
わからないなら、わからせてやればいいのだと思う。

 毎年、繰り返し。

 いつまでも変わらず、欲しいものはたったひとつだけなのだと。















つづき書き途中…

**********




ぶらうざもどるでおねがいしますー