※ご注意です※ |
以下はja/jeの妄想小説です。 意味のわからない方、興味のない方は、 ご覧にならないようにお願い申し上げます。 ※R-18要素を含みます※ |
【 恋に落ちて 】 【5 ver.jen】 |
軽やかなチャイムの音で目覚める。 泣きながら悶々と考え込んでいるうちに、いつの間にか寝入ってしまったらしい。案外俺は図太いんだな、などと考えながらゆっくりと身体を起こす。 マネージャーは明日こちらにくると言っていたし、彼女はロスに戻っていった筈だから、このホテルの俺がいるルームナンバーを知っている者はいない。 フロントからだろうかと考えながらドアへ向かう。 出たくなくてレンズでそっと来訪者を覗き見る。そこに立っていた予想外の人影に、思わず息を呑んだ。 何も考えられず、すぐさまロックを外してドアを細く開ける。 やっぱり。そこに立っていたのは、ロスで映画の撮影をしている筈の、ジャレッドだった。 珍しく無表情のまま、急いで来たのか少し息を切らして、彼はそこに立っていた。 どうして、ここに…、と、呆然と問い掛ける俺を誤魔化すように軽く頷くと、俺を押し退けるようにしてジャレッドは部屋に入ってきた。 映画の撮影と取材がつまっていて、オフの日が一日も無いよとぼやいていたのは、つい先日のことだったのに。 確かめるように部屋を見回すと、彼女は?と聞かれる。 昨日空港で別れた、と言うとふうんというようにこちらを見る。 目が合ったので、気まずいけれど、どうしてここへ、と聞く。 まさか仕事をすっぽかしてきたのだろうか?まさか! ―まさか、俺があんなことを言ったから?そんな、とざわざわする胸のうちを隠して視線を向ける。 すると、押しかけてきた当のジャレッドが、どうしていいのかわからない、というような不安そうな顔をした。 サムみたいだ。サムが、困った時にいつもディーンにするみたいな表情。 でも、俺はお前の兄貴じゃない。お前をどんなに好きでも、お前の彼女ごとお前を好きになれる度量は無いんだ。 射抜くように必死の表情で見つめるジャレッドに、居た堪れなくなって俺は助けを求めるように彼を見上げる。 すると、ジャレッドがなにかを堪えるようにぐっと唇を噛んだ。 近付いてくる。 あっと思った時には、抱き竦められ。 いつものように、ジャレッドの薄いくちびるが俺のそれに触れていた。 下唇を挟まれ、吸われ、噛まれて舐められる。 舌を吸い上げられて、熱い奴の舌と絡められると、馬鹿みたいに身体が震えた。 ―酷い。 やっぱり酷い奴だ、こいつは。 俺が、自分を決して拒まない事を、俺が自分を好きな事を熟知している。 キスをされれば喜んで、しっぽを振って降参することを知っている。 それほどまでに、お前に首ったけなこの俺を、お前の2番目にするのか。 それならそれでも―いいと、思ってしまいそうなほどに、おまえの事が好きなこの俺のことを。 男が好きなわけじゃなかった。だけれども、男に好かれる事が多かった。 ゲイの友人もいるし、偏見は決してない。だが、今までの相手は皆女の子だったから、自分が男を恋愛的な意味で好きになるなんて思わなかった。 確かに彼は優れた才能を持った俳優で、人間としても尊敬でき、友人としては最高の存在だった。 だからといって、決まったガールフレンドのいる年下の男にこんなに入れ込むなんて思いもよらなかった。 だから、ジャレッドが、俺にキスをするまでは、この気持ちに俺は無意識に気付かないフリをしていた。 だけれども、触れた瞬間に、気付いてしまった。 くちびるが触れるだけでゆびさきまで痺れるような甘い電気を帯びる。 息が上がって、熱くて大きなあいつの身体にすっぽりと抱き締められると、自分の存在がここにある意味を感じた。 彼に出会うために自分は生まれてきたのかもしれない、などと思ってしまうほどに。 今まで恋だと思ってきたそれと、彼に感じる思いは異なっていた。 条件でいえば、彼は自分が恋するべき相手ではなかった。 敬虔な教徒ではないけれど、母はわりに熱心に教会に通っている。 息子の愛する人が同性だと知ったら、泣くのかも知れない。 そんなことが一瞬だけ頭を過ぎっても、それでも想いはとめられなかった。 唐突に部屋を訪ねてきたジャレッドは、何かに焦れたように、深く俺の唇を貪った。互いの唾液を飲み合って、くちびるが腫れそうなくらいに吸われて。 苦しくなって無意識に身を捩ると、逃がさないというように、引き摺られてそのままベッドに二人で縺れ込んだ。 俺の上に乗り上げるかたちになったジャレッドを見上げる。 ジャレッドは、怖いくらいに真剣な顔をしていた。 俺が言った言葉に、ショックを受けているんだとすぐにわかった。 「ジェンセン、僕は」 「…ごめん」 何か言おうとしたジャレッドを押し止める。 決定的な終わりの言葉を、どうしても俺は聞きたくなかった。 びっくりしたように言葉をとめたジャレッドのほうを見ないまま、必死に平静さを装って俺は口を開いた。 「俺が、電話で、変な事言ったから……気を悪くしたよな。…悪かった」 少し、疲れてたんだ、と目を伏せる。 もう、気にしないでくれ。6月のコンベンションは出られないけど、次のには出るようにするから、と必死に誤魔化しの言葉を紡ぐと、今度は俺の言葉をジャレッドが遮った。 「待って、ジェンセン。違うんだ、そうじゃなくて…」 違う、と言われて、思わず目を上げる。 痛々しそうな表情で見つめられて、自分がどんなに情けない表情をしているのかがわかった。 他の相手と婚約をしておきながら俺に口付けるお前を、馬鹿みたいに好きで。 でも言えなくて、ただ想いをこころに仕舞ったまま見つめるだけしか出来なかった。 こうしている今でも、お前に触れられて、身体中が喜びに蕩けそうに脈打っている。 そんな大の男とは思えないほど情けない俺の思いを、知ってか知らずか、苦しそうに見つめた後、ジャレッドはそっと口を開いた。 「好きなんだ…」 ジェンセンが、と言われて目を見開く。 いま、こいつはなんて言った? 幻聴かもしれない。 ―自分のことが好きだと、彼はそう言わなかっただろうか。 これが夢ならば、もう二度と覚めたくはない。 そうだ、夢ならば言ってもいいはずだ。 『俺も』と、答えたくて、口を開いたが、うまく言葉が出てこなかった。 躊躇うように空気を呑む俺に、焦れたようにして、ジャレッドはもう一度深く口付けをくれた。 ********** 気付けば、窓の外は日が落ちて、カーテン越しに夜景が美しく瞬き始めていた。 明日も撮影がある。今日すっぽかしてしまった分の穴埋めもしなくてはならない。―帰らなければ。 腕の中に抱き締めて眠っていたジェンセンの、頭をそっと枕に預ける。 泣き疲れたのか、彼はよく眠っているようだった。 ―服の中に手を差し入れてまさぐっても、彼は拒まなかった。 悲しいような嬉しいような、複雑な表情で顔をくしゃりと歪めて笑った。 彼の肌の感触は、想像していた以上にしっとりと吸い付くようで、噛み付いて吸い付いて痕を残したい激情を抑えて、 何処も彼処もを舐めた。 僕は男としたことがないから、傷付けずに彼の中に挿いる自信がなくて、彼の中に入りたかったけれど、身体中を舐めまわす僕に感じて震えながら勃ち上がる彼自身に触れて絞ってやるのと、彼も恐る恐ると言うように僕に触れて同じようにしてくれるので満足した。 長い時間を一緒に過ごしてきたのに、初めて聞くような耐えられないというような甘い泣き声を洩らして達する彼を見て、じわりと腹の底が震えるような快感を覚えた。 目覚めると、すっかり夜も更けていて、しんとした部屋には俺一人で、ジャレッドは既に何処にもいなかった。 びっくりして慌てて確認したけれど、書置きも、携帯にメールも着信も入ってはいなかった。 一瞬、夢を見たのかと思ったが、身体には跡が残っていた。 突然現れたジャレッドは、キスをして抱き締めたあと、ウエストからシャツの中に手を入れて肌に触れてきた。 直接触れられた瞬間、身体に電流を通されたみたいに心臓が脈打ち始めた。 どんなに激しく口付けをしても、服の上から抱き締められて触れるだけで止めていた今までとは違う行為に、驚く。 熱があるのかと思うほど熱いジャレッドの大きな手が、シャツを捲り上げて脱がせながら、肌のそこここをまさぐる。 ただ触れられるだけで、震えるほどの歓喜が走る。 拒む事など、思いつきもしなかった。 息を荒げて圧し掛かるジャレッドと視線が絡む。不安そうに眉を顰める彼が悲しくて、安心させるために笑ってやりたかったけど、うまくできなかった。 ジャレッドは、俺の身体を確かめるように、身体中に唇を這わせて舐めた。 熱くてざらっとした奴の舌が乳首を舐めて甘噛みしただけで、肝心の場所に触れられていないのに、もう情けなく達してしまいそうだった。 確かめるように狭間の奥に指で触れられた時、そこでジャレッドと交わる事を想像した時のことを思い出した。 知識の上ではそこを使うことは分かるが、そんなところに、身体に見合った予想外大きさのジャレッドのものが入るものなのか検討もつかない。 ジャレッドそこに執着する事はなく、そっと俺の前に触れる。大きな手に包み込まれると、恥ずかしいくらいに脈打つ。 もっと触れて欲しい。 もう離したくない。 撮影をこなしながら、連絡をひたすらに待っていた俺は、きっとあれは自分の願望の中のジャレッドが残した、一夜の夢の跡だと思うことにした。 【6へ】 ********** ぷるぷるとしっぽを振るじぇんさんにもえ。 ふだんわんこなのはじゃれさんだとおもいますが、いじめられるときだけじぇんさんがわんこです。。。 ぶらうざもどるでおねがいしますー |