※ご注意です※
以下はja/jeの妄想小説です。
意味のわからない方、興味のない方は、
ご覧にならないようにお願い申し上げます。

※R-18要素を含みます※

【 恋に落ちて 】













 シーズン3の撮影中に起きたストの関係で続編の行く末が不透明になり、別々の作品の撮影が続いてしばらく会えなかった僕らは、それでもお互いに時間が空けば頻繁に電話を掛け合ったり、メールをしたりしていた。

 内容はといえばたわいのないもので。

 今日の撮影現場でこんな面白いことがあったとか、天気待ちで時間が空いたんだけど、ゲームで対戦してくれる相手がいなくてつまらないよ、とか。

 彼からも同じように撮影続きの日常を垣間見せるメールが届き、元気にしている事が分かって安心していた。

 だが、唐突にマネージャーから、6月のダラスでのイベントには彼は出られないらしいと知らされ、驚きと共に困惑した。

 今取り掛かっている映画の撮影スケジュールの関係上、というのがキャンセルの理由だが、数日前に電話をした時も一昨日メールした時も、彼はそんな事はこれっぽっちも口には出さなかった。

 確かに映画の契約上どうしてもイベントの為の時間を開けられない事はあるが、イベントは映画の契約より前に決まっていたから、僕はその日を除いて撮影をしてもらう契約を交わしている。それは、多分彼も同じだと、そう思っていたのに。



 そう、僕は、彼がイベントをキャンセルした事よりも、それを僕に教えてくれなかったことに驚いていた。


 コトの真偽を確かめる為に、すぐさま彼の携帯に掛けてみる。

 撮影中なら留守電に繋がるだろうし、着信を残せば空き時間に掛けてきてくれるだろう。

 10回ほどコールして、だめか、と思い舌打ちをしたとき。

『…ジャレッド?』

 小さな声でジェンセンは出た。

 よかった、出てくれて。6月のダラス・コン、出られないって聞いてびっくりしてさ。撮影立て込んでるんならしょうがないけど、驚いたよ。
 ジェンセンと一緒に出られないなんて、つまらないな。早くストが終わって次の撮影が始まればいいのに。

 そんなふうに立て続けに自分の気持ちを吐き出していた僕は、ジェンセンの様子がおかしい事に、次の瞬間まで全く気付きもしなかった。

…ジェンセン?どうしたの?

 答えずに無言のままのジェンセンを怪訝に思い、電波が悪いのか、それとも具合が?と問い掛ける。

『……婚約、したんだってな』

 おめでとう、と言われ、あぁ、その話か…と思い、そうなんだ、とちょっと暗い気持ちで答える。

 少し前から、長く付き合った、家族のような彼女とはいろいろ行き違いがあり、揉めることも多くなっていた。
一緒に、家を買ったのが間違いだったのかもしれない。

 彼女のことは今も本当にダイスキだったけれど、今はその時期ではなく、イチバンに仕事の事を考えていたい僕と。
 早く結婚して子供が欲しいという彼女との間で。

 妥協と言うことの出来ない問題の間で、妥協策として婚約と言う形をとることになった。

 自分が望んでそうなったという形じゃないことから、言いづらくてだれにもまだ告げてはいなかった。
 だが、こういう話は伝わるのが早い。どこからかジェンセンの耳に入ったのだろう。

 まあ、とりあえず婚約しただけだから、生活もなにか変わるわけじゃないんだけどね、と何となく誤魔化すような気持ちで言うと。再び電話の向こうの彼は黙り込んでしまった。

 今日のジェンセンは、どこか様子がおかしい。

 ジェンセン?どうしたの?

 そんなに撮影がキツいのだろうか、と心配になって問い掛けると、呟くような声が返ってきた。

 『……お前……酷いよ……』


 え?


 耳に入った言葉に驚き、とっさに聞き返す事も出来ずに目を見開く。

 酷い?僕が?何で?

『彼女と……いつかは、そうなるんだろうなって、思ってた……だけど』

 辛そうに切れ切れに話す彼の声が耳に届く。

『………何度も……お前、俺に…キス、したじゃないか……ッ』

 嗚咽のような呟き。軽いしゃくりあげに、彼が泣いていることに気付く。
何かが胸に突き刺さった。

『抱き締めたり……触ったりするから、………おれ、は……』


―俺は?何?


 続きが聞きたくて、耳を受話器に押し当てる。
 しばらくの間、涙を堪えるような息遣いが聞こえて、沈黙に、僕が耐えられなくなった頃。

 決意したように、彼は口を開いた。

『……しばらく、お前の顔を見たく、ない』


 ごめん、と。

 シーズン3の撮影が始まったら、その時にはちゃんといつもどおりの顔で仕事をするから。

そう、聞いた事も無いような絶望しきった冷たい声で言って、通話は途切れた。



シバラク オマエノ カオヲ ミタクナイ



 言われた言葉に、信じられないくらいショックを受けている自分に驚いた。

 そうして、それ以上に、周囲の人を大切にする性分の彼に、そこまで言わせてしまった自分の行動を省みた。

 考えているうちに我慢しきれなくなって、部屋を飛び出す。マネージャーに電話して、今日の午後からの取材予定をどうにかしてキャンセルして欲しいと頼んだ。

 こんなことは初めてだった。
 誰とどんな恋愛をしていても、仕事に支障をきたす事は一度も無かった。
だけれども、今、この状態で仕事なんて出来そうにはなかった。プロ失格だ、と思う。でもどうしようもない。
電話の向こうで何か言っているマネージャーに謝って通話を切る。

 ギリギリまで車を飛ばして空港に向かう。
 一番早い便のチケットをとって、考えた末に、僕は彼のマネージャーに電話を掛けた。






【2へ】
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初のJa/je話です。
同居ネタに萌えに萌えて書きました……
ていうかほんとに一緒に住んでるなんて、事実は小説よりうんたらってかんじですよ(汗)

なまものすぎるのでろっくを掛けたいんですが‥…どうしよう……(悩)
多分かけると思います…

ぶらうざもどるでおねがいしますー