※ご注意です※ |
以下はjajeの妄想小説です。 意味のわからない方、興味のない方は、 ご覧にならないようにお願い申し上げます。 |
【 歯医者の恋人 】 14 |
グラスワイン対決で自分では予想もつかない程すっかり酔っ払ってしまったジャレッドは、ホテルのバーラウンジで立ち上がった瞬間にふらつき、慌てて支えたウェイターとジェンセンを尻目に、唐突に寝入ってしまったのだという。 しかも、その後起こして送ってくれようとするジェンセンに絡みつきしがみついて擦り付き、百戦錬磨の四つ星ホテルのスタッフが手伝う事も忘れて思わず苦笑してしまう程の壊れた甘えっぷりを披露したらしい。 その後、タクシーをつかまえてジャレッドのアパートメントまで送ったのはいいが、勿論そんな酔っぱらいが自分で部屋に帰れる筈も無く、エレベーターで部屋に上がるまでの間にも頭に頬ずりをしてきたり髪に鼻を埋めて匂いをかいできたりとセクハラまがいの行為が激しく、大変だったというのだ。 更にやっとの思いで自分より大きな酔っぱらいを部屋に送り届けてさあ帰ろうとすれば、今度は帰っちゃダメといって離さない。 その上、自分がどのようにジェンセンが好きなのか、可愛くてたまらなくてもう離したくないだとか、そのような告白を滾々と続けられ、自分も酔っていたジェンセンが辟易しはじめたところに、 “ ジェンセンの歯形が欲しい ” と意味の分からない事を言い出して、取らせてくれるっていうまで帰さないと駄々を捏ね始めた。 ようやくどうにか大人しくなってがっちりと掴まれた拘束から解放された時には、なんとジャレッドは息も絶え絶えなジェンセンの上で寝入っていた。 ぶん殴ってやろうかと思ったが、怒る事もばからしくなったというジェンセンはもう帰る気力も無いほど疲れ切って、すぐそこのソファにどうにかよじ登ると、そこで落ちる様に眠ってしまったのだと言う事だった。 あ、じゃあ会計…!とジャレッドが慌て始めると、そんなのは別にいい、とむっつりと言い捨てたジェンセンは、僅かに目の端を赤くして顔をしかめると口を開いた。 『お前、タクシーの中で、“可愛い”って100回は言ったぞ。 …おれ、もう2度とあのタクシー会社は使いたくないし、 あのホテルのバーにも絶対行かないからな』 もちろんお前もだ、と。 起き抜けで苦い表情のジェンセンからその話を聞いた時、ジャレッドは何の冗談かと思った。 そんな風に悪酔いをした事が今までに一度もなかったからだ。 だが、おぼろげな昨夜の記憶の中で、なにかいい匂いのする柔らかなものの匂いを嗅いだ覚えや、それを腕に抱き込んで頬ずりした感触などがうっすらと残っている。 まさかそれがジェンセンだとは思いもよらなかったが、酔っ払っていたとはいえ、まだ知人の域を超えていないような関係の中、あまりの失礼な振る舞いにジャレッドは気が遠くなった。 トーストにコーヒーという簡単過ぎる食事を食べ終えたジェンセンを、身を縮めたままゲストルームへと促すと 「悪い…1時間で起きるから」 といって彼はあくびをしながら大人しくドアの向こうへ消えた。 そうして、信じられない事に、彼は今もジャレッドのアパートメントの一室にいる。そして、無防備ににも眠っているのだ。 もし、許せない程に怒っていたら、もう少し眠りたいなどとはいくらなんでも言い出しはしないだろう。 せめて友人になりたかった。 歯医者と患者と言うだけの通りすがりのような関係ではなく、彼の事をもっとよく知るチャンスが欲しいとジャレッドは切実に思った。 冷えたコーヒーを啜りながら、キッチンから見える、廊下の突きあたりのゲストルームのドアを見る。 あの中で、いまジェンセンはどんな夢を見ているのだろうか。 馬鹿馬鹿しい物想いに捕らわれそうになり、ジャレッドは頭を振って残りのコーヒーを捨てると、出来る事をするべく、時計に目をやった。 ********** すみません、こんなところでブツ切りで何なのですが 続きがエライ長い&微妙な展開(やじゅう気味…)になってきてしまったので、このまま放置するとまた完結できなくなってしまいそうなので、とりあえずいったん本にする方向性で続き書こうかなーと妄想中です。。。 途中まで連載してたものなので、少しだけ印刷して、なくなったら先々UPするかもしれませんですー ぶらうざもどるでおねがいしますー |