※ご注意です※
以下はjajeの妄想小説です。
意味のわからない方、興味のない方は、
ご覧にならないようにお願い申し上げます。

【 歯医者の恋人 】
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 ちょっと今、同僚とうまくいっていないんだ、とジェンセンは呟いた。

 五人で同じような仕事をしているのだけど、今自分が昇進しそうな立場にいる。

 それが気に入らないのか、ひとり微妙な態度をとるやつがいて仕事をしづらい。

 気にしない様にしているのだが、それでもうまくない。

「…こういうのは、他人からの対応がどうこうっていうより、結局自分の内面の問題だってことはわかってるけど。
でも、毎日顔を合わせる相手にああいう態度取られるのは、…正直、つらいよな」

 僅かな酒の酔いを滲ませた疲れた声で、だがそれでも感情を抑えるように淡々と語る彼は、言葉とは裏腹に、静かな表情をしていた。

 そのことが、逆に彼がどれだけの辛さを我慢しているのかをジャレッドに伝え、それにたまらない思いを覚える。

 計算されつくしてつくられたような、見事な稜線を描く鼻梁を頤を舐める様に見つめながらジャレッドはもどかしく思う。




 そんなに辛いなら辞めていい

 僕が守ってあげる、君一人くらい軽く養ってあげられる

 だから




 たかが数回あっただけの、歯医者にそんなことを言われたらどん引きだ。

 ジャレッドはゲイではない。無いと思っていた。

 だが、そんなことはもはやどうでもいいくらいに、彼に、惹かれている自分に気付き始めていた。



 初めて見せた彼の内側に、激しく想いを言い募ってしまいたい気持ちを堪え、ジャレッドは口を開いた。



「最高に残念な奴だよね、そいつ」

 ふと彼は不安そうにジャレッドの顔を見上げた。

 先ほど彼が口にしたチョコレートを刺して一かけら口に入れる。

 苦味のなかに僅かな甘さが覗く。舌で転がせばとろりと蕩ける柔らかな冷たさが口の中に広がる。

「同僚の君と仲良くしてればさ、美味いリゾットの店教えてくれて、こんな美味いワイン飲ませてくれて、…いいことずくめなのにさ」


 こんな綺麗な瞳で見つめてくれて、と思い付いた最後の言葉は濃厚なチョコレートと共に呑み込んだ。

 なんて陳腐なセリフなのだろう。

 どうしようもなく力になってあげたいのに、なのにうまく力付けてあげることもできない自分をジャレッドは恥じた。



 なのにそういうと、ふっと彼は笑ってくれた。

「なんだよ、ここはオゴリじゃないぞ?」

からかう様に言う彼に、

「もちろん!さっきおごってもらったし、ここは僕が払うよ。
 …あーでも、じゃあ勝負しよっか?どっちがたくさん飲めるか、負けた方が払うってのはどう?」

 グラスを持ち上げてぐーっと飲み干しながらそういうと、彼は今度こそ砕顔してソファに仰け反って言った。

「あっはは!お前ばかだろ、ここのワインが一杯いくらすると思ってるんだよ?!
さっきの店の安いビールと一緒にすんなよ?」

「だからこそだよ!安いビールで勝負しても面白くないだろ?」

 片目をつぶってそういうと、ジャレッドは手を挙げた。
ウェイターが音も無くやってくる。

 ジャレッドの注文を聞いて呆然とするジェンセンに、これでジェンセンの気持ちが少しでも晴れればいいと今夜はバカに徹する気持ちでジャレッドは満面の笑みを浮かべた。








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ぶらうざもどるでおねがいしますー