※ご注意です※
以下はSPNのS×Dのパロディ小説です。
意味のわからない方、興味のない方は、
ご覧にならないようにお願い申し上げます。

※R-18要素を含みます※

「生えたのは僕が先。」



「ねぇディーン…昨夜ふっと思い出したことがあるんだけどさ」

「何だ?」

「ココ、生えたのって僕が先だったよね?」

サムが手で指差すのは自分の股間で。

 瞬時に意味を理解したディーンは、ブーッ!!と激しく飲み掛けのコーヒーを吹いた。

昼過ぎのダイナーは空いているが、何人かの客がこちらを不審そうな目で振り返る。

汚いなー!と言いながら、サムは椅子にかけてあったタオルをディーンに渡した。

「なッ、ナニ言ってんだよ、そんなわけねーだろ!!?」

 四つも俺のほうが上なんだぜ!?とディーンは怒った振りでコーヒーを拭きながらあわあわと言い訳を繰り返す。

「誤魔化したって無駄だよ。僕、最後にディーンと一緒にお風呂に入ったときのこと覚えてるんだ。」

あ、子供の頃ね、と付け加える。

確かにサムとディーンは子供の頃ずっと一緒に風呂に入っていた。
――理由はサムが一人で風呂に入るのを怖がったからだ。
そうして、ディーンががシニアハイスクールに上がる年になる前に止めた。
それで――またこうして大人になってから、何度か一緒に風呂に入っている。

理由は――

「学校から帰って来てからさ、僕がココになんか生えてきた、ってディーンに訴えたら、その日からディーンは一緒に風呂に入ってくれなくなったんだよ」


だって何かいるかもしれないし

だって何処かに行っちゃうかもしれないし

だってディーンの方が髪洗うの上手だし


様々な理由をつけて、もう一度一緒に風呂に入ってもらおうとしたけれど、ディーンはがんとして譲らなかった。

一緒に寝てやるから、風呂は一人で入れ、な?と諭されてしぶしぶ入る。

甘えられる相手が兄しか居なかったサムは、庇護も愛情も我侭も全部を兄にぶつけるしかなかった。

基本的には、ディーンはその小さな手で与えられるもの全てをサムに与えてくれていたのだけれど―――



「…そんな昔の事覚えてるわけがねえだろう。一緒に風呂に入らなくなったのは、お前があんまり甘えん坊だからエレメンタリーに通い始めたのに、一人で風呂に入れないなんて馬鹿にされたら可哀相だと思った兄ゴコロからだ」

ウェイトレスが継ぎ足してくれたコーヒーを啜りながら、ディーンはぶっきらぼうに口走る。

そしてニヤリ、と意地の悪そうな笑顔で遠い目をして言う。

「あの頃のサミーは可愛かったのになァ…ちょっと俺が帰るのが遅れたら泣きそうな顔で待っててさ。夜もコワイ夢見たって言ってはしがみ付いて来て…」

昔の情けない話をされると、サム的にはぐうの音も出なくなる。

この件に関しては、ディーンは世に言う母親と同じだ。

恋する相手に知られたくない部分を全開で記憶されていると言うのがサムの不幸な部分であり、また幸福の鍵でもある。

せめてもの意趣返しにノートパソコンをぱたんと閉じると、サムもコーヒーを啜る。

「ディーンも、あの頃、身体だけは僕より大きかったけど、まだ華奢でオンナノコより綺麗な顔しててさ。今考えると、すごく可愛かったよね。
 ミルク色の肌に細い中性的な身体で、まだ何処もかしこもつるんとしてて…」

エロ親父的なサムの発言にディーンの眉が上がる。

それを見て、さっきのディーンのように、サムはニヤリと笑った。

「そうだ、あの頃みたいにツルツルにしてあげたら、ディーンも少しは可愛げが出るかも…」

とてもいい事を思いついたかのようにぽんと手をついてあごに手をやる。

妄想するような視線ととんでもないセリフに、ディーンは仰天して飛び上がった。

「つ、ツルツルって、オイ!!お前ナニ考えてんだ…わー、想像するな、怖えぇッ!!!」

ヘンタイサミィ!!!と小声で言い放って、逃げるようにディーンは伝票を掴む。

始めは嫌がらせで言っただけだったのだが、本気でブルったディーンを見ていたら、それもいいかも…とサムの脳裏に妄想が浮かぶ。

ノートパソコンをしまって立ち上がりながら思い出すのは、繊細な美少年の面影を残したディーン。

驚異的なサムの記憶力は、いつもそばにいたディーンの第二次性徴を否応無しに良く覚えている。

一緒に風呂に入っていた頃は間違いなく下半身はツルツルだったし、ひげが生え始めるのも遅かった。

だが、ジュニアハイスクールまではチビの部類だったディーンはシニアに上がった頃から突然身長が伸び始めた。

サムもそうだったから、遺伝かもしれない。

鍛え上げた身体はあの頃とは全く違った大人の雄の色気をかもし出しているけれど、無精ひげを剃るだけでも大分雰囲気は近くなるだろう。

ディーンはあれでいて案外雰囲気に弱いから、うまく攻めれば下も剃らしてもらえるかも…

そうすれば、生え揃うまでの間、ナンパができないディーンは、サムのそばにいるだろう。

そして生えそうになったら、また嫌も応もなく剃ってしまえばいい。

永遠にサムのそばにいさせられる方法があるのなら、自分はどんな手段でも使うだろう。



一回セックスしたくらいで、自分のモノだとか言ったら、オンナノコに振られるぜ?



と言った、ディーンを文句が言えないくらいの回数ヤらなくちゃ、とサムは精緻で真面目な頭で思う。

何回すれば、『自分のモノ』発言をしていいのかはわからないけれど。 

多分、繰り返せばいい加減にあの鈍感なディーンも気付く筈だ。



僕の気持ちが、気の迷いや、思春期特有―もうすっかり越えているけど―の過ちなんかじゃないっていうことに。



そうと決まったら剃り易いT字カミソリを買わなくちゃ、とサムは何も知らないディーンの背中を見つつ、近くのドラックストアへと足を向けるのだった。





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【END】20080914





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下品でスイマセン…でもツルツルのおにいちゃんは素敵だと。。。(殴)
ゴメンナサイごめんなさい(土下座)

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ぶらうざもどるでおねがいしますー